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情景49-50.「送り雪」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「送り雪」です。

浅い春のなごり雪。
出立する子を見送るために車を走らせる親。
送る人のそばに舞う、ちりのような。

晴れているのに、粉雪が舞っている。
まれにある不思議な天気です。

おかげで空気はつめたくて、ダウンジャケットのポケットに手を突っ込んだまま、玄関を歩いて駐車場へ。

見送る人に寄り添うように。
そういうふうに舞うから、“送り雪”。
そんな情景をこの掌編にしたためました。

余談ですが作中では、「東京か」と、遠くを見ながら言っています。

東京を遠いと感じるか、もしくは近いと感じるか。それは住んでいる場所によりけりなのかな。東京だって、東京の中にもいろんな土地がありますからね。

私の場合、福岡と東京は地理的にはかなり遠いのですが、飛行機で行くとすぐなので、あんまり遠いという感じはありません。

これを書きながらふと思ったのですが、東京に生まれ住んだ方は、東京のことを“故郷(ふるさと)”的にどう思っているのでしょう。
私は、東京に滞在したことはあっても住んだことはいないので、むろん東京に「故郷」という感覚を抱いたことはなく……。

きっと、同じようなふるさと感を持っているのだと思いたいところです。

ともあれ。
送る人の背中を眺めるような情景。
お楽しみください。


あなたが見た情景』は、目の前の景色を眺めるように情景を思い描ける、ちょっとしたお話のあつまりです。

どこからでも何話からでも好きなところから読みはじめて大丈夫。
気になったタイトルをひらいてみてください。



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