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情景275.「天境線」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「天境線」です。

地平線じゃないんだ?
たしか、椎名誠のエッセイで昔、見かけたことがあって……。
とても好きな響き。

「天境線」というフレーズを、実際に小説の書きぶりのなかで使ってみたかったんです。
地面にではなく、天空側に着目したフレーズ。
これはこれで透き通った響きがして好きですね。

この言葉を見かけたのは、確か国語の教科書だったと記憶しています。
調べると、椎名誠さんの「遠く、でっかい世界」で使われていたようです。
国語の教科書は基本的に抜粋ですから、あとから調べてハッとすることもしばしばありますね。

実際にモンゴルで天境線というフレーズが使用されているかはさておき、草原に立って空を見上げ、天と地が接する横一線を眺めていくうちに、そういう思いにかられてしまうのは本当によくわかります。

天と地のはざまで、しかと立つ葦の情景。
お楽しみください。


あなたが見た情景』は、目の前の景色を眺めるように情景を思い描ける、ちょっとしたお話のあつまりです。

どこからでも何話からでも好きなところから読みはじめて大丈夫。
気になったタイトルをひらいてみてください。



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