#13 大人になりきれない大人でいたい
中学生・高校生は自転車通学
大学生は下りでのんびり通学
社会人になっても
実家から40分自転車を漕いで通勤し
一人暮らしを始めても20分自転車通勤をしていたわたし。
わたしは、電車に乗る機会がさほど多くないまま大人になった。
(そういえば高校生のころ、練習試合に行く途中で初めて人身事故を体験し、ひどく焦ったのを思い出したな)
いまだに''振替輸送''の正しいやり方がよくわからない。
そんなわたしは、4月に転職をし、毎日電車通勤になった。
わたしが乗る電車は、新宿や渋谷という''超都会''に向かう電車なので毎朝相当混んでいる。(なんなら、土日も変わらず混んでいるので謎)
電車っておもしろい。
色んな人がいるから。
先日、仕事に向かう車内でふと横を見ると、しきりにスマートフォンに向かって指を動かしている人がいた。
メッセージを打ったり、ゲームをしたりするそれではない動き。
ちょっとごめんだけど、斜め後ろから画面を拝見した。
その人は、絵を描いていた。
わたしも使ったことがあるお絵描きアプリ。
指で描くこと、ましてやスマートフォンという小さな画面で使うことの難しさを知っている。
でもその人は、すご〜く上手に指を使って、しかもあんなに小さな画面で器用に絵を描いていた。
そんなとき、わたしの子ども心のようなものが黙っていられない。
''え?自分で描いてるの?すっごく上手!!''と
素直な感想を伝えたい衝動にかられ、
必死に喉の奥に飲み込んだ。
たぶん、伝えたらびっくりしてしまうだろうし、絵を描くのをやめて欲しくないから。
電車で出会う人たち
大きな荷物を周りに配慮せず持っている人とか、みんな降りるのに意地でもドアのそばから動こうとしない人とか
正直、むっ!とする瞬間もたくさんある。
けれど、
''え!それすごくいい!!''という
胸が高まるような瞬間を与えてくれる人もまたいる。
あ〜わたしが子どもだったら、思ったこと素直に伝えても許されるのに〜〜と残念な気持ちになる。
''その服すっごくかわいい!''
''お兄さんの雰囲気めっちゃイけてるよ!''
''えー!それなんの楽器??''
''わ!わたしもそのチーム応援してる!''
とかね。
言いたいことたくさんあるんだよ〜〜
海外だったら、こんな会話が飛び交うのだろうか?
そう想像すると、日本だけで生きていくのがなんだかもったいない気がしてきた。
相手の良いところを素直に褒められる環境が、日本の外にあるのなら
ぜひ積極的に行ってみたい。
外に出なくても、日本とは違う価値観を持った友人を作りたいと思った。
わたしたちは嫌でも大人になる。
嫌でもたくさんのことを経験し、蓄積される。
''あーそれね。そういうことね。''と
想像できてしまうことが増える。
でも、やっぱりわくわくしていたいじゃない。
日常の些細なことに、素直に感動できる子ども心のようなものを忘れないでいたいじゃない。
そんな気持ちを忘れない大人でいよう。