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22。 | twitter: @hn02_051

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    毎年度、読んだ本と観た映画のリストを作っています。びぼうろく。

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    幸いにも受験の相談を受ける立場にいるので、少しずつ貯まってきた回答を整理しました。

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「ハード・アクティビズムの時代」

    • 2023→2024 年越しポスト

      1月〜5月(デンマーク) 少し遡って2022年12月27日、研究を発表する機会があって、その後ぱーっとシャンパンを飲んだ。家に帰ってすぐ、デンマークでお世話になるホストファミリーからようこそメールが届いた。ああ、よくできた節目だ、と思う。一つの大きなプロジェクトが終わり、次の生活の前兆が現れる。このアウフタクトに乗って、2023年は始まる。年の瀬の紅白がめっちゃよかった。 1月の最初の2週間は、信じられないぐらいボケーッとしていた。こんなの2020年3月以来だと思った記憶

      • 2年前の廃案はなぜ今日成立したか

        入管法改案が本日(2023年6月9日)参議院本会議にて可決され、成立した。1年以内に順次施行される。 この法案は、2021年に提出され、激しい攻防の末に廃案になった閣法案と大きくは変わらないものである。そもそも霞ヶ関のやりたいことが変わっていないので、いかに表向きには違うと主張していても、入管庁だって微修正しかしていないことは分かっているはずである。一度廃案となってもなお、その道のプロが正しいと信じた法案ということだ。 反対の動きも似通っていた。二度とも数十万のオンライン

        • 2022年度の本と映画

          小説・エッセイ ☆☆ Min Jin Lee "Pachinko" 遠藤和『ママがもうこの世界にいなくても』 湯本香樹実『夏の庭』 ☆ 重松清『きみの友達』 筒井康隆『残像に口紅を』 ☆ 瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』 社会学(古典) ☆ Durkheim “Morality and Society” ☆ Durkheim “Suicide” W.E.B. DuBois “The Souls of Black Folk” W.E.B. DuBoi

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          2022→2023 年越しポスト

          今年は生活をnoteにしなかったから、少し長い序章から始めようと思う。 恐怖 長い距離を走ることは嫌いじゃない。でも、日課として毎日朝飯前に30分ランニング…みたいなのは無理。たまーに、思い立ったそのときのテンションでランニングシューズを履き、家を飛び出して、行き先も決めずにただただ疲れるまで走り続けることが好き。足を動かして、グーグルマップがないと帰れない、知らない土地まで行く。疲れるまでが往路なので、復路はかなりしんどいのだけど、休み休み家に帰る。たまにこのタイミング

          2022→2023 年越しポスト

          対話の補助線

          副題「国際政治に興味を持つための思考メモ」 *今年夏のインターン(2022/06-08)終了時に提出した文章が元です。 大学に入るまでほとんどTwitterを使わなかった自分は、Twitterで世界がすごく広がったという実感があります。なので、これまで政治化されていなかった人が、Twitterを始めて意見を持っていくことはとても良いことと思っています。ですが、Twitterというのは一定程度広がると今度はエコーチャンバーを深く掘っていく方向にしか広がらなくなってしまう。そう

          対話の補助線

          東大受験へのアドバイス集

          *2020年春・夏にそれぞれ母校の進路部に寄稿した文章と、2021年初旬に情報誌「合格サプリ」に掲載された文章をほとんどそのままコピペしたものです。 *ひとつ前よりさらに需要がないと思われる上、2020年度の入試以降なんのアップデートもしていません。それ以降、日本の受験業界ではなんら活動していないせいです。すみません。今更ですが、受験直後に公に出すほど傲慢ではなかったので、質問された場合の案内先という目的だけで今リンク化します。 *気になる母校の生徒以外だと、行っている高

          東大受験へのアドバイス集

          米国大受験へのアドバイス集

          *母校の進路部に2021年春に寄稿した文章と、ここ2年半ぐらいの間に何十人かの高校生の質問に対して行なった回答を、総合的に編集したものです。 *その結果、とっても長いので、すべてを読む必要は皆無です。欲しい情報の項目まで飛んでください。なお、本稿は日本の一条校から米国大受験をする場合を念頭に置いていますが、内容の全てがその限りではありません。 *より多くの質問やエッセイが集まるにつれ、私にも知見も溜まって改訂されていく…はずです。(最終改訂:2023年8月31日) 1.

          米国大受験へのアドバイス集

          ごみ箱を決して部屋の中心に置かないきみのまじめさが好き (木下龍也『あなたのための短歌集』)

          ごみ箱を決して部屋の中心に置かないきみのまじめさが好き (木下龍也『あなたのための短歌集』)

          「だれも正しさのために生活しているわけではない。おそらく、生きているうちに革命やユートピアは実現しない。たとえそうでも、「よりよき」へと向かう道のりを楽しむこと。それが大切なのだと思う。」 (松村圭一郎『くらしのアナキズム』)

          「だれも正しさのために生活しているわけではない。おそらく、生きているうちに革命やユートピアは実現しない。たとえそうでも、「よりよき」へと向かう道のりを楽しむこと。それが大切なのだと思う。」 (松村圭一郎『くらしのアナキズム』)

          2021年度の本と映画

          ☆はよかったやつ。 フィクション アメリカ政治 パンデミック ビジネス書 Miscellaneousな枠。 社会運動論 文化人類学 社会学 移民研究 これは☆を付ける付けないの問題じゃないかな。 以上、本は52(短編は合わせて1冊)。 映画は41(1.5週に1回以上)。おかげで、まじでどうでもいいなと思うような映画も沢山みました。古い映画も色々みてみるとか。 映画のおすすめは、社会派として「なぜ君は総理大臣になれないのか」~「香川1区」の大手映画館が上

          2021年度の本と映画

          2021→2022 年越しポスト

          今年もこのポスト。ちょっと雑だけど振り返りつつばーっと書きました。 中学1年生の1月に、過去の自分をガチでぶっ倒したい、と思った最初の記憶がある。いま自分がいる場所を否定するわけではないけれど、私はわりと過去に戻れるなら全然違う人生選択をするだろうなと思っている。あの箱の中で社会化もされていなかった高校時代からみると、成長のスピードは上がったのかな…と、どうしても過去を他者化したくなる誘惑にちゃんと抵抗して、あの場所にちゃんと片足突っ込んでいた状態をキープ。要は、「いまいる

          2021→2022 年越しポスト

          留学記⑤ 寮長日記

          やっと大学二年生になり、一年生寮の上級生リーダー的ななにかをやっている。 アメリカ大学ことばで、RA(Residential Advisor)とかCA(Community Advisor)とかという。寮の管理人というよりは、一年生のメンターとしてそこにいる意味合いが強そう。一年生と一緒に彼らの寮に住んで、大学のアドミン(おとな、学生自治の天敵)との橋渡し役を務めたり、大学生活に適応するための手伝いをすることが求められる。有給だが、一応24時間仕事が入りうるというタフな仕事で

          留学記⑤ 寮長日記

          ノンバイナリーな言語

          ジェンダー代名詞というものがある。 知らない人は、英語圏に行く前に知っていて損はない。私も去年、大学に入ってすぐのオリエンテーションで初めて知った。7年前に私がアメリカにいたときには、まだアメリカも文化としてそこまで進んでいなかったのだ。たいてい、こういったプログレッシブな概念は数年おくれて日本にもやってきて、この場合多少普及しはじめたのが去年あたりだったわけだが、日本でHeやSheというように他人を三人称で言うことは、昔は少なかったのだろうと思う。いま私なんかがよく彼とか

          ノンバイナリーな言語

          If Americans want to live the American dream, they should go to Denmark. - Richard Wilkinson

          If Americans want to live the American dream, they should go to Denmark. - Richard Wilkinson

          ナショナリズムの祭典とミャンマー

          国を背負って戦っている。 時速200kmで飛び交うシャトルを、高い仕切りの影から目で追ったあのとき、たしかにそう感じた。ミャンマー連邦共和国、としてこの東京五輪に出場している彼女は、弱かった。試合後コーチは、会場の端で待つ私を目に止め、出国前の隔離が長くてスタミナがなくなった、と微笑をとどめ言った。 オリンピックとは、ナショナリズムの祭典だという。自分と国籍が同じだというアスリートたちの華麗な活躍を目に焼き付け、感動し、涙する。自分と同じパスポートを持つこちらの赤の他人た

          ナショナリズムの祭典とミャンマー