斜芭 萌葱

【Hasuba Moegi】関西の片隅で呼吸のように文字を綴っている文字書き。頭の中身…

斜芭 萌葱

【Hasuba Moegi】関西の片隅で呼吸のように文字を綴っている文字書き。頭の中身をせっせと雑文にしています。「スキ」の御礼に自作の短歌を載せていますので、お気に召したら押してやってくださいませ。

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2023年に書いた雑文の話

【2023年に書いたお気に入りのエッセイを挙げているだけの雑文】  ああ、語った語った。  2023年もいよいよ終幕だ。振り返ると、今年書いたエッセイは全部で21本。月に2本近いペースなので、私にしては頑張ったような気がする。お読みくださったみなさまには感謝感謝である。  個人的なお気に入りを紹介して、今年の振り返りに代えてみたい。良ければ「スキ」を押していただけると励みになるし、印象的だった記事など教えていただければ更に嬉しい。 《音楽》 《好きなもの語り》 《

    • 小説を書くときの描写の話

      【小説を書くとき気をつけていることについて考えているだけの雑文】  先日、久しぶりに二次創作小説を書いた。  二次創作といっても、漫画やアニメをもとに物語をつくったわけではない。友人が書いたマーダーミステリーのシナリオを元に、その一場面を小説に書き起こしたのだ。つまり、友人の物語を借りて、文章で飾り立てていったわけである。物語の枠組みはあくまで友人の頭の中にあり、いわばそれが「正解」だ。  一から十まで自分で物語をつくったわけではない。だから当然、小説に書き起こすときの

      • 家と妖精の話【掌編小説】

        【架空世界のエッセイストになった気分で書いてみただけの掌編その2】  先日、「架空世界のエッセイスト」になった気分で掌編小説を書いた。  これが好評だったので味をしめ、第2弾を書いてみることにした。  今回のお題は「同級生の家にいた妖精の思い出」――である。お題をくれた友人に感謝。 **********  同級生の家には妖精がいた。  街中ではときどき見かけるが、住みついて同居しているという話は聞いたことがない。  古い家だからね、と彼女は笑った。どうやら妖精という

        • 「自己紹介」というアルバムの話

          【7年半ぶりの推しの新譜について早口で語り散らかしているだけの雑文】  7年半ぶりに新譜が出た。  秋田に住みながら全国で活動するロックバンド、鴉――のギターボーカル、近野淳一の、ソロ名義での新譜である。フルアルバムである。全国流通盤である。それ即ち、祭りである。  厳密な話をすると全国流通するのは8月10日からとのことだが、この際なので細かいことは措いておく。だって、本人の通販サイトでは今日から買えるし、なんならライブ会場では先行販売していたし、初めて聴く曲や久しぶり

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        2023年に書いた雑文の話

        マガジン

        • 音楽とバンドと遠征と
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        • おでかけ旅行記食べある記
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        • 転居の物語
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          18本

        記事

          箒を乗り替えた話【掌編小説】

          【架空世界のエッセイストになった気分で書いてみただけの掌編】 「架空世界のエッセイスト的な設定で書いてほしい。昔ながらの箒から最新式に乗り替えたら意外と良かった話とか」  友人にそんなことを言われ、創作心に火がついた。  面白い、やってみようじゃないか。  そんなわけで書きはじめた掌編小説である。 **********  箒が遂に壊れた。  遂にというと語弊があるかもしれない。思い返せば確かに、最近箒を触っていなかった。出かけるときには大抵歩いていたし、遠出するな

          箒を乗り替えた話【掌編小説】

          鴉のホールワンマンライブの話

          【鴉というバンドの初ホールワンマンライブについて振り返っているだけの雑文】  2023年12月20日。  鴉というロックバンドが、本拠地たる秋田で初のホールワンマンライブを行った。  ただのライブではない。この年、鴉はマンスリーワンマンと称して毎月ワンマンライブを行っていた。その集大成としての、初ホールワンマンである。  1月から12月まで、計14本。1年間で積み重ねたツアーの、ファイナル。  言うまでもない。それはそれは特別な夜であった。  あれから5ヶ月。  当時の映

          鴉のホールワンマンライブの話

          妙な夢の話【掌編小説】

          【妙な夢を見たので掌編小説に書き起こしてみただけの雑文】  先日、妙な夢を見た。  もともとあまり頻繁に夢を見るほうではないし、ついでに言えば夢見も決して良いほうではない。  しかしせっかく湧いて出た奇妙な出来事なのだから、物語のかたちで記録しておこうと思った次第である。 ********** 「わたし、手ぬぐいになりたいんだよねえ」  私は顔を上げた。あっけらかんと言ってのけた先輩は、いつもの朗らかさでにこにことこちらを向いていた。  意図をはかりかねる。カウンタ越し

          妙な夢の話【掌編小説】

          京都でパン屋さんを巡った話

          【京都でパン屋さん巡りをしてきたことを自慢しているだけの雑文】 「京都パン巡りをしたい」  名古屋在住の友人からそんな要望が届いたのは、3月下旬のことであった。曰く、テレビで特集が組まれていたらしい。京都がパンの激戦区だということを、私はそのとき初めて知った。  半分に切って分けたらいろんな種類が食べられるし、その分たくさんのお店を回ることができる。キッチンばさみとジップロックは必須だねと盛り上がった。  暖かくなったらぜひ実行しよう、と約束してから1ヶ月半。  5月初

          京都でパン屋さんを巡った話

          ライブハウスの仲間の話

          【ライブハウスのフロアでの出会いについて振り返っているだけの雑文】  ライブというのはひとりで参戦するものだと思っている。  そもそもライブはステージを見にいくものだ。アーティストの歌を聴きにいくものだ。だから極端な話、自分とアーティストが居ればそれで良い。もちろん友人同士で体験を共有するという楽しみかたはあろうが、少なくとも私にとっては、ステージに集中することのほうが大切である。同じ理由で、美術館も映画館も、基本的にはひとりで行く。  開演すれば、もうステージしか見て

          ライブハウスの仲間の話

          プロテイン2周目の話

          【去年のプロテイン生活について振り返っているだけの雑文】  暖かくなってきたので、プロテイン生活を再開しようとしている。  プロテイン。たんぱく質のことである。トレーニングやダイエットに励んでいる人、意識の高そうな人が好んで摂取している、主にパウダータイプのサプリメントである。我ながら雑な偏見である。  ステレオタイプな偏見を携えているとおり、私はトレーニングにもダイエットにも励んでいなければ意識も低い、ただの一般庶民である。そんな庶民である私が、なぜプロテインなどとい

          プロテイン2周目の話

          桜に会えない話

          【身近に桜の木がないことを嘆いていただけの雑文】  そういえば、桜を見ていない。  異動やら出張やら遠征やらなにやらで、3月は怒濤の勢いで過ぎ去っていった。気がついたときにはマフラーを外し、冬物コートを仕舞い、着古したニットを処分し、ジャケットの下にはシフォンブラウスを着るようになっていた。綺麗な袴や花束が駅を彩っていたかと思えば、真新しいランドセルが信号待ちをするようになっていた。  4月。いつの間にか、春である。  そして今更のように、気がついた。  ――そういえば

          桜に会えない話

          ポメラDM250を使ってみた話

          【ポメラDM250の使い心地についてレビューしているだけの雑文】  ポメラを買って、1ヶ月半が経った。  私にとって2代目のポメラである。1代目は、中古で買ったDM25。そして今回買ったのが、満を持しての最新機種、DM250である。  使いこなしたと言うにはまだまだおこがましい、いわば出戻りの初心者なのだが、せっかくなので使い心地について書き残しておこうと思う。新しい経験は、新鮮なうちに記録しておくに限る。  ちなみに、1世代前のDM200は使ったことがない。なのでいささ

          ポメラDM250を使ってみた話

          ポメラを買った理由の話

          【ポメラDM250を買った経緯について振り返っているだけの雑文】  2代目のポメラを買った。  ポメラ。事務用品の王者、キングジムから発売されているデジタルメモだ。現代版の小型ワープロといった風情で、文章を書くことに特化したツールである。  2022年夏発売の最新機種、DM250。  先日、これを衝動買いした。  文章を書くことが趣味である。それはもう、長らくそうである。四半世紀前には小説らしきものを書きはじめていたし、毎日日記をつけているし、短歌に傾倒した時期もあっ

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          ローリングストックをしている話

          【気がついたらローリングストックをしていたことを話しているだけの雑文】  料理が苦手である。  冒頭から宣言するようなことではないということはぎりぎり承知しているのだが、そうはいっても料理が苦手である。  単純に面倒臭いし、手やキッチンが汚れるのは嫌だ。あと、食材も調味料も案外値が張る。私は一人暮らしなので、1食分に換算すると、買ったほうが却って安いということがままあるのだ。  そして心配性である。  洗剤にしろティッシュにしろ、消耗品の類は常にストックがないと不安で

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          中華街で手相を見てもらった話

          【横浜中華街で手相を見てもらったときのことを話しているだけの雑文】  私は悩んでいた。  横浜中華街を訪れたある日のことである。  ライブ遠征ついでの観光であった。新横浜ラーメン博物館でラーメンを食べ、横浜中華街で花文字を描いてもらい、焼き小籠包と肉まんを食べ、お土産屋さんや関帝廟を見て回り、一息ついた頃には夕方になっていた。  さて、どうしたものか。  この日のライブ会場は、中華街から歩いて行ける距離にある。さりとて移動するには早すぎる。本当は鶏排ーー台湾屋台でお馴染

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          大阪天満宮で厄除けをした話

          【厄除けのお祓いをしていただいたことを記録しているだけの雑文】  今年こそは厄除けに行こう。  そう誓ったのは初詣でのことだった。  初詣というにはやや時期を過ぎた1月上旬。後輩と新年会代わりのお茶会を約束した日のことである。下調べのために開いたGoogleマップでお店の近くに神社を見つけ、初詣に行っていなかったことを思い出した。それならばと、待ち合わせ前にお詣りをすることにした次第である。  神社に貼られた厄年一覧表を見て気がついた。  ――今年、厄年じゃないか。  

          大阪天満宮で厄除けをした話