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【※基礎概論】採用活動の始め方

はじめに


これまで、割と現場での採用に対するマインドやノウハウの話ばかりだったので、今回は、採用活動の始め方、概論的なことをお伝えしようと思います。そして、感覚的な話ではなく、理論のお話です。

まず前提としてここで言う「採用活動」とは"組織拡大のため"の活動に限定します。
「人手が足りない!」「辞めたから欠員補充しないと・・・」という場合の採用は、あくまで「応急処置」ですので、そもそも、組織拡大のための採用とは分けて考えてほしいのです。

人事戦略とは

まず、採用活動は人事戦略のもとに成り立ちますが、その人事戦略は以下のピラミッドの元成り立ちますね。

経営戦略・・・中長期経営計画、事業ビジョン、売上目標
組織戦略・・・組織図、制度設計
人事戦略・・・採用、育成、評価制度

人事戦略とは、「各セクションにどのような人材が必要なのか」、「どのように育成しどう評価するのか」、これらをまるっとまとめたものです。
このピラミッドからも一目瞭然、経営戦略と人事戦略はリンクするものになっていきます。
ですが不思議なことに、多くの会社(特に中小ベンチャー)は経営戦略というと「どうしても死守するぞ!」「拡大するぞ!」と躍起になりリソースを割く一方、人事戦略となると優先度が一気に下がるのですね。
確かに、人事戦略は重要ではあるものの緊急ではありませんから、その気持ちも分からなくないのですが・・・
No人事戦略, No経営戦略
なのです。(笑)

このうちの「どんな人材が必要なのか」が採用にまつわる部分になっていきます。

採用をはじめるには

採用、とりわけ私たちのやっている「新卒採用」の領域では、「育成枠としてどんな人材が必要なのか」がテーマになっていきますね。
そう、WHO(誰を採用すべきか)を決める。ここからが採用の段取りのスタートです。

なのでWHOがまずありきですが、採用活動を始めるときに決めていくべき5W1Hを、決めていくべき順番にご紹介します。

採用活動を段取る5W1H

WHY(採用コンセプト)
これは、採用力の核になっていく部分でもあります。
採用に関わるメンバーがどんな想いをかけてやるのか、ビジョンやミッション、そして強み、採用活動で生み出したい世界観、これらを言語化してください。
これらは、会社の理念、方針とリンクしているべきであるのは言わずもがなです。

採用コンセプト事例を見たい方は、ぜひ以下のリンクをご参照ください。


WHO(どんなターゲットを、何人採用する)を決める。
まずは今後必要となるポストに応じて、採用したい人物像と目標人数を決めます。
採用したいペルソナを定めることは人材要件定義とも言いますが、採用に関わるメンバーが複数に渡る場合、認識をすり合わせるのに絶対的に必要です。
参考にすべきは、現在活躍しているメンバー。活躍している人材の条件や属性を細分化していきましょう。

WHERE(そのターゲットはどこにいる?市場分析)
自分たちのターゲットとする人材像が明確になったら、次はその人材がどういうところにいるのか、市場を見つけましょう。
それは学歴で示せるかもしれませんし、エリアで示せるかもしれません。いずれにせよ、市場を見つけておくことが、採用手法、ツールを決める上で最高に役立ちます✨

WHAT(何をするか、使うツールなど)
上記2点が定まってくれば、何をするのかは見えてきたようなもんです。仮に体育会系の男子学生を採用していきたいなら、今なら体育会系の男子学生に特化した人材紹介会社や求人サイトがありますから、手法は見えてくるでしょう。

HOW(どのように、やり方、フロー)
これは、候補者をどういう風に教育していくのか、という観点です。もちろんほとんどの会社は、良い子が自分の会社に惚れ込んで入社に至ったら嬉しいと思うでしょうが、そんな簡単な話ではありません。仮に良い子が来て、興味を持ってくれたとしても、それが、「事業内容に興味を持ったのか」「条件(給与、福利厚生等)に興味を持ったのか」「会社の理念に共感したのか」では入社後のモチベーションが変わるでしょう。ですので、選考を通して、まずは信用信頼を構築し、理念に共感する人材が採用に至るようなシナリオを立てていく必要があるのです。

ちなみに、弊社が「社長のカバン持ち」を通じてやっていることは、人生を10年前倒しする気づきと成長の機会を学生に与える、すなわち貢献することによって、社長の理念への共感者・実践者を増やしていくことです。これが結果として採用に繋がるという未だかつてない斬新な採用のやり方を生み出しています。

これも一つのHOWですね。

WHEN(いつまでに、採用スケジュール)
上記が決まってきたら、あとはスケジュールに落とし込むだけです。経団連の倫理憲章が撤廃されて以降、学生の就活の動きは早まっています。
2023年卒採用に関しては、3年生の3月時点での内定率が29.0%※1でした。これは、2022年卒の学生らの同時期データと比べると、6.4ポイントも上回る早いペースです。
春頃には採用活動始めるか~なんてのんきに考えていると、採用活動をスタートした時には既に市場には学生はいない、なんてこともあるのでスケジュールを前倒し前倒しでとらえることが非常に重要です。

さいごに

どうでしたでしょうか?
このように見ると、「採用活動ってすごく大変だなあ~~」と思うかもしれませんね。特に、我々の領域である新卒採用は、これらの作りこみがとても重要です。
ですが、採用活動が実は経営を支えている、事業拡大をする上で人事戦略、ひいては採用が超超超超超重要事項であることは、容易に再認識いただけたのではないでしょうか?
採用活動って、会社の在り方を取引先以外の第3者にアピールする唯一の大きな場なんですね。
なので、この採用の場を磨いていくことが、同時にメンバー、会社の在り方を磨いていくことに繋がるんですよ。
だから楽しいんですよね。

ちょいと長くなりましたが、採用の全体像、概論を今日はお伝えさせていただきました。
次回は、採用活動の5W1Hの中のWHOに焦点を当てようかなと思います。

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