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最重要!? 「聞く力」をつける!! 〜学習環境を整える⑤〜

「聞く力をつける」

基礎基本の指導といえば、これがもっとも重要かもしれません!!

「聞く」は、学びの第1歩

話の聞き方は、授業での超基本スキルだと思います。一番はじめにこれを教える必要があるのではないでしょうか。
「聞く力」が育てば、学びのレベルは一気に上がります。
それは、大人である私たちにとっても同じことが言えるのではないでしょうか。いくらたくさん学びの場に参加しても、「聞く力」が備わっていなければ、その学びの成果はたかが知れているでしょう。

学びは、大きく言えば、インプットとアウトプットで構成されます。
その両方に必要なスキルが、「聞く」ということです。教師や友達、学びの資料などで、インプットする際にはもちろん「聞く力」は必須になります。アウトプットの場では、書いて発信するのみであればそう影響はありませんが、ディスカッションや対話の場では、表現力だけでは学びは深まりません。
さらに、「聞く」は、学びの第1歩でもあります。「聞く」ことで、興味をもち、探究が始まります。好奇心をもつと、さらに聞きたくなり、「聞く力」は高まるのです。

入学式から始める「聞き方」の指導

さて、「聞く力」をつけるための「聞き方」の指導超基本編を書いてみたいと思います。
一年生に、ひわちゃん が入学式に教えた「聞き方」は、まず、聞く姿勢です。
そうです、入学式から「聞き方」の指導はスタートします。
入学式の直前の、5分ほどの学級での事前指導で話すことは、「聞き方」についてです。(これも、人によって違います。でも、ひわちゃん は「聞き方」が超重要と思っていますので、必ず話します)
入学式前の短時間で話しますので、色々長く話しても全く意味がありません。ですので、超簡単に、絵カードを示して3つだけ話します。
1つ目は、「背中はぴん」。2つ目は、「お口にチャック」。3つ目は、「足は、わりばし(そろえる)」。です。

つまり、聞く姿勢です。むしろ、入学式は、これさえできれば花マルです!
入学式での態度、と言えばそうですが、これは入学式にとどまらない、これから学習する際の基本姿勢として、ず〜〜〜〜っと必要ものです。
「背中はぴん、お口にチャック、足は、わりばし」の態度で、話す人を向いていたら、それは、「聞きますよ」という意思表示になります。
その姿勢をすることで、自然と、注意が話す人に向きます。
そうすると、話もすっと入ってきます。
これは、自分でやってみるとわかります。さらに、話に興味をもってのめり込むと、前のめりになるのです。
入学式では、話す人誰もが、一年生を歓迎し、にこやかに話してくださいますので、それを聞いている子どもたちも、にこにこします。
姿勢を正し、にこにこしながら話を聞く一年生の姿があれば、それだけで最高の入学式となります。
教室に戻ってからは、その入学式での態度をめちゃくちゃに褒めます。すると、子どもたちはその価値を感じ取り、その後もその聞く姿勢がスタンダードとなります。
入学式の翌日からは、早速授業が始まりますが、しばらくは小学校生活の基本事項を学ぶことに多くの時間を費やします。
そこでは、とにかく、「聞く」ことがメインになります。
ここでも、「背中はぴん、お口にチャック、足は、わりばし」を耳にタコができるくらい繰り返しやります。
そうすることで、きっちり身についていくのです。

「聞く時」「話す時」を区別する

さて、一年生のスタートではこの程度ですが、学習活動が本格的にスタートしてきたり、他学年の新年度の指導では、「聞き方」の次の段階に入ります。
それは、「聞く時」「話す時」の区別です。
場をわきまえ、状況を推察するという、社会性の大事な要素でもあります。
授業で誰かが話す時、今は「聞く時」という判断ができると良いです。
そのためには、発言者が話す前に、「聞いてください」や「話していいですか?」など、「これから発言するよ」、という意思表示の言葉を添えると、簡単になります。
聞く人は、その言葉が聞こえたら、
「背中はぴん、お口にチャック、足は、わりばし」
をして、発言者の方を向けば良いのです。
もちろん、自然な相槌はオッケーですが、発言者の話を遮るようなものになってはいけません。あくまで、話は最後まで聞きます。
ただこれだけで、発言者はとても話しやすいし、声が小さくても聞こえるし、聞く方は発言者に集中できます。

「思いやりを育てる」

これが定着してくると、学びが促進されるのはもちろんのこと、プラスして「思いやり」の気持ちが生まれてきます
どんなに話すことが苦手でも、稚拙な表現だとしても、思いを伝えようとしている友達の話を、良い姿勢で最後まで聞くのです。
友達を、クラスの仲間を、受け入れる気持ちが育ちます。
やっぱり、これは「思いやり」だと思います。
「聞く力」を育てることは、「思いやり」を育てることにもなり、クラスの雰囲気作り、仲間づくりにも小さくない影響をもたらします。

「何を話してもいいんだよ。なんでも聞くよ。」教師がそういう聞き方をしていれば、子どもたちにもそれは伝わり、伝播していきます。それは、とても温かい空気の伝播です。
「みんながしっかり聞いてくれる。」そう思うと、きちんと自分の考えを、いい加減ではなく責任を持って、率直に話せるようになります。
また、長々と適当に話すのではなく、短く端的に話したいと思うようになります。
聞いてくれている友達のことを思い、友達や教師の話し方からどんどん学ぶのです。

「聞く姿勢」「聞く時、話す時の区別」「最後まで聞く」この3つだけで、聞く力、ひいては話す力までもが、ぐんぐん伸びていくことがお分かりいただけると思います。

「大人はできているか?」

さて・・・お約束のようになってまいりましたが・・・
大人である私たちは、教師である私たちは、「聞き方」が、きちんとできているでしょうか?
「聞く姿勢」「聞く時、話す時の区別」「最後まで聞く」この3つは、簡単なようで実は大人もできていないことが多い
ように思います。
これって、信頼関係に結構影響しませんか?
またこれも、しっかり自分を省みたい内容です。
先生がやっていないのに、子どもたちはやろうとするでしょうか?
子どもたちは、先生をよく見ています。
「先生がやってないじゃん」
そう思われないようにしたいものです。


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