日記 2022/10/23-29

10/23(日)

踏まれても踏まれても立ち上がるという印象から逆境に立ち向かうことを喩えるのによく使われる雑草と言われる植物たちは、実際には踏まれることを想定して花を咲かせ、踏む人間の足に種子を付着させて命を繋いでいるとても合理的な生き物であり、もちろんひとつひとつに雑草ではないちゃんとした名前がある。
彼らはこうして他の植物とは違う生き方を見いだした。生存を巡って種のあいだで争わないように特定のものしか食さないようプログラムされた生き物はたくさんいる。
こうした生態的地位をニッチと言い、なんでも手にしようとする人間は隙間産業や誰も手をつけない領域について用いるが、生物学的にはただ居場所のことらしい。

10/24(月)

どう書かれているかは重要ではない。
あれこれ気を揉むのは、すでに人生に向き合えていない。
これが人生だ、どうあっても人生だ、あるべき形などない、人生を形容する言葉など存在しない。
そうだ、どうあっても人生だ、人生ではなかったということなどないのなら、これからなんにでも感動できそうだ。

10/25(火)

転職市場では経歴に見合った求人が優先的に紹介され、企業からのスカウトはエージェントを介して行われることもあれば企業の人事から直接行われることもある。もちろん転職する動機は人それぞれであるが、バックグラウンドを揮ってキャリアアップを図ろうとするのが定石だろう。
実際、僕もそうしてここにいるわけだし、さらに言えば今もスカウトが来るのは即戦力として十分と判断される職種ばかりだ。
ところが、僕はそうした通知にもう辟易している、なぜなら定刻働くだけで毎日全力を失っているのだから。

10/26(水)

日記という名目の思索を楽しんでいる余裕などまったくない。今すぐに眠るのだ。
聴き憶えのある、主張の穏やかな、それでいて言葉の意味が頭に入ってこない音楽をかけて、今すぐに。
しかし、こう書いているうちに、僕は自分の経験から出発したい、何につけても、他人の考えに感心しても、尊敬することがあっても、感服はしない、参考とする程度にとどめて、自分の芯からの言葉を自分だけは信じていたい、などと考えている。
そうして睡眠欲を明日の自分に向けてまた投げつけている。

10/27(木)

メルカリでカバンを売った。

ご購入いただきありがとうございます。
発送までしばらくお待ち下さい。手続き完了次第、ご連絡させて頂きます。遅くとも金曜か土曜には発送できると思います。
はい、よろしくお願いします。
お世話になっております、土曜日の発送になりそうですので、ご連絡しておきます。
大変恐縮ですが、今しばらくお待ち下さい。土曜の午後発送には間に合うように調整致します。ご迷惑をお掛けしておりますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
大丈夫、急いでないから、ゆっくりしていってね。
ありがとうございます。仕事が忙しくて。。泣 またご連絡いたします。
^^頑張れー。

という、購入者とのやりとり。

10/28(金)

前もってドキュメントを要望し、何日か経ってリマインドをかけ、ようやくドラフトを入手したのでレビューコメントを打ち、しかし修正版は待てども来る気配がなく、いよいよ審査会が迫ってきたので再度リマインドすると打ち合わせがセットされ、その段になってこちらの成果物発行に必要なドキュメントfixを一斉に狙う、そんな場当たり的な進め方をするから、やっぱりコメントに対して回答が不十分で、月曜の審査会の審査対象物を金曜に配信することになる。そんなわけで報告する僕は何も準備できていないので、明日も休日出勤。問題は対応できない彼らでなく手が回らなくなるほど仕事を振りすぎる無能なマネージャー。彼は颯爽と定時退社していく。

10/29(土)

習慣によってひとがつくられるのなら、そこには意思を持って積極的に行う習慣と惰性の癖のようなものと二つのものが習慣にはあるだろうから、そのどちらにおいてもひとをつくるのに影響を与えるのだとしたら、僕はやはり精神を調律するような感覚で、自分が自分に与えた習慣を意識的に、能動的に実行したい。
ときに忘れてしまって、なりたくない人間になってしまっても、無意識で怠惰な自分のことも決して悪魔的だなどと馬鹿な表現を思わず、これを可愛げと受け取り、また己の世界を意識して、そうして生活を成し遂げたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?