一人頭¥298

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朗読、声劇台本や等を投稿する共同アカウントです。実際に声を投稿しているのはCOCOMMUというサイトでやってます。どうぞよろしく。http://cocommu.com/user/53642815

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    声劇用台本をこのマガジンでまとめています

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最近の記事

喉越しクールなサマーハイスクール

A「夏ですよ夏!そして僕の喉はサハラ砂漠のようにカラッカラです本当にありがとうございました!」 B「なるほど夏の日差しにやられたティーン・エイジャーですか、帰ってどーうぞ。」 A「え?何それひどくない?どしたの?何で初手からスーパードライ?乾くのは僕の喉だけで間に合ってるよ?」 B「真夏馬鹿はお前で十分、ほら、さっさと自販機行って来い。んでもって俺のメッツも買ってこい。」 A「まさかのパシリの追加で僕の顔真っ青、財布はスッカラリンじゃないですかヤダー。」 C「なーに男二人で馬

    • ぐっときた

      過去にも何度も何度も電車には乗ってきたが、やはりその都度何かしらの面白味を感じてきた気がする。今日も用事があって、いやいや暑苦しい外へと出る羽目になったのだが、そんな気持ちを吹き飛ばすかのように、今日は特に、なんというか、ぐっときた。改札を抜け、ホームで目的の電車が来るまでじっと待つ。これ自体は何のことはないのだが、電車が来て乗った後、人がダッと車内に入っていく中、無理くり席を取ってからのことだった。右斜前に女子高生らしき娘が座っていて、英単語帳を黙々と読んでいたのだが、其の

      • よっぱらい

        よっぱらっている。目がとろんとしていて、平衡感覚がなくなり、頭の中がほわほわとして、実に楽しいような、ファンタジーのような、全てが現実なのに嘘のような感じすらしてくる。 今日は友だちと飲んだ。しこたま飲んだ酒なんて弱いんだから、飲まないほうが良いに決まっているのに、心は飲みたいと叫んでいた。だから心に従うことにした。たとえ後悔したとしても、正直ではいられる。何よりも自分自身に嘘を着きたくなかった。 飲んだ。 そして更に。 酒を飲んだ。 自分で買った酒も、友人に飲ます分を少し残

        • 眠い

          眠い。まぶたが重い。うつらうつらする。このまぶたの重さには、恐らく、丸く、軽やかで、それでいてずっしりと重いものが乗っているのだろう。それはまるでそう、あの白くてやわっこい、マシュマロの様なものだ。そしてまぶたがそっと閉じられると、ころりと転がって、日が陰り月の夜になるのと同じくらい自然に、口の中にストンと落ちる。 そして落ちた甘やかなそれを、体は喜々として受け入れて、舌の腹で遊びながらゆっくりと、咀嚼するのだ。故に眠りとは気持ちよく、何よりも抗いがたいのだ。 加えて調子

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          7本
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          2本

        記事

          バス

          曇り空。バスの中から空を見上げる。どんより。 真横を車が通り過ぎる。自転車も。道が混んでいて、歩いている人々がゆったりとバスを追い越していく。 真上から振ってくるクーラーの風が、涼しい。 バスに乗った事を後悔し始める。歩いたほうが早かったかもしれない。けれど、楽ができる。そのかわり、時間には遅れる。いや、既に遅れている。約束を破ることに、最近、躊躇いがない。 今日みたいに毎日曇りだったら、外へ出ることもそこまで嫌じゃないのに。 赤蜻蛉がよく、飛んでいる。やはり、空を飛べると楽

          夏の日の男二人

          7月半ば、LINEのチャットに友達からコメントが来た。家に寄ってもいいかといった内容だった。彼はテスト期間で、気分転換に来たいんだろう。僕も丁度家にいるし、とは言っても、学校をサボって行っていないだけなのだが。恐らく、彼はそれを知っている。僕のことを心配してくれているのかもしれない。唯、僕の所が来やすいだけなのかもしれない。何であろうと、別段彼がこちらに来ることは嫌なことではなかった。 何時でも来ていいとチャットを送ると、程なくしてわかったと返ってきた。彼はよく簡単な言葉で

          夏の日の男二人

          疾走る

          電車の中に、自分からして左側に、三人組の姦しい女性が居る。右側には物静かに本をめくる女性、前方には、黄色の明度を少し下げたスカートにデニムのジャケットを着た少女、そしてその少女の母親。視界の中で最も動くのは、右斜め前にいいる男の子。彼の手の中には変身用のアイテムが握られている。彼は何度も何度も変身と唱えて、小さな手を空中に翳す。ニコニコと、男の子の両隣に座っている彼の両親がわらっている。少年は開きずに変身を繰り返していた。 電車の車内放送が次の駅の名を告げる。少年の両親の表

          穴の中の宴会

                 百姓の権三郎と七兵衛は二人で山道を歩いていました。 もうすぐ、山草の時期ですから様子を見に来たのです。 二人は実はあまり仲良くありませんでしたが、村のきまりで様子見に行くことになりましたから、こうして二人で歩いていました。 「おい、権三郎。めんどうなのはわかるけど、村の仕事なんだ。遊んでばかりいないで、ちゃんとやってくれよ」 けれど道草ばかりして遊んでいる権三郎へ、七兵衛はしびれを切らして言いました。 「うるさいなあ。だったらおまえ一人でやればいいだろう、俺は

          穴の中の宴会

          清水の舞台から飛び降りる

          男「はー、寒いなぁ」 女『そうかな? 私はわかんないや』 男「前来たときは暑かったよな」 女『修学旅行のころだよね。   夏休み明け、9月の初めだもん。そりゃ暑いよー』 男「修学旅行か……。あんときはまだ四人そろってたんだよな   皆で抹茶スイーツめぐりしたよな、お寺とかそっちのけでさ   ……二人とも、元気かなー」 女『あー、ミッチーとサヤぽんにはこのあいだ会ったよ!   いつの間にか付き合ってたんだね、あの二人』 男「お前は元気してるか?」 女『な、なんだよ

          清水の舞台から飛び降りる