眠い

眠い。まぶたが重い。うつらうつらする。このまぶたの重さには、恐らく、丸く、軽やかで、それでいてずっしりと重いものが乗っているのだろう。それはまるでそう、あの白くてやわっこい、マシュマロの様なものだ。そしてまぶたがそっと閉じられると、ころりと転がって、日が陰り月の夜になるのと同じくらい自然に、口の中にストンと落ちる。

そして落ちた甘やかなそれを、体は喜々として受け入れて、舌の腹で遊びながらゆっくりと、咀嚼するのだ。故に眠りとは気持ちよく、何よりも抗いがたいのだ。

加えて調子に乗って眠り過ぎた時、総じて多少の気分の悪さを覚えるのは、食べすぎて胃袋いっぱいに詰め込んだマシュマロが齎す苦しさに違いない。

そんなようなことを電車の音に波のさざめきを聞きながら思ってると、何時の間にやら降りる駅となっていた。体にはいくらかの気だるさが沈んでる。私はいったいいくつのマシュマロを食べたのだろうか。

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