見出し画像

なぜ?と問いかけ→スモールスタート!

こんにちは。

先日、デザイナーの金子剛さんが出版されていた「ユーザー組織論」という本を読み、内容の大まかな要約とセミナーの内容の要約を合わせてご紹介します。

UXデザインの必要性がここ最近提唱されているように思いますが、決してデザイナー界隈だけの話ではなく、全ての組織に所属しビジネスをしている方々に当てはまることです。
ぜひ、一緒に考えていきましょう。

※私は著者や出版社、セミナーの方々から広告塔として活動しているわけではありません。金子さんのお考えがとても私の考え方と似ていて共感の思いから、自発的に発信していることをご承知おき下さい。

本の要約

本の内容から気になったキーワードを拾っていきます。

ユーザー視点が必要な理由
人それぞれのニーズにあった価値を選ぶように、需要が変化しているから

「デザイン思考」
ユーザー視点にたって、本来のデザインが持つ問題解決のプロセスを応用し、新しい価値を生み出そうとすること

ユーザーに満足してもらいたい、熱狂させたいのであれば、組織で共に働くメンバーを熱狂させることと一緒で、「人間が人間に影響わ与える」という点で共通している
→日々のささやかなメンバーへの支援が「価値を届ける」取り組み

守破離
フレームワーク等を使って、先人たちの知恵を借りる。型を身につける→
自分に合ったよりよい型を見つける→
自分なりの法則を見つけることで、指導者から離れ、新しい流派をつくる→

無意識のバイアスを自覚する
バイアスがある、と自覚がない限り、どんなにユーザーリサーチをしても、同じループにはまるだけ
人は無意識のうちに「私はこう感じるから相手もこう感じるだろう」と認識してしまいがち
また、ユーザーの持っている価値観、置かれた環境、文化によっても異なる

ユーザーの解像度を高めるために
・話を聞く
・表情や動作を観察する
・同じ状況を体験する

チームで共創するための5つの要素
やりとげたいことに向かってすすむための道具を船に例えてみると
ビジョン 船の行き着く先はどこか
具体的組織の目指す方向性「誰にどんな価値を提供したいのか」
ビジネス 船をどうやって前に進めるか
ユーザーを中心にしてビジネスモデルを整理
あらゆる部門の役割も整理
チーム 船の仕事をどうやって分担するか
ユーザー中心に視点を合わせた目標を設定していく
サイクル 船をどう軌道修正していくか
プロトタイプを利用し、スモールスタートで進めていく
カルチャー 船員がどう協力し合うか
関係性のグッドサイクル

ユーザー中心のビジネスサイクル
「価値」があるから「ユーザー」が集まり、「収益」が生まれる

デザインスプリント
1. なぜこのプロジェクトをやるのか?→視点を揃えていく
2. ゴールの条件を満たすソリューションを考えて思考を発散→スケッチで具体化
3. 多くのスケッチの中から、ひとつのスケッチを選ぶ
4. 試作
5. 検証
→この1〜5のサイクルを「習慣化」していくことが大事
習慣化していくための要素:
・続けることが容易であること
・成長を見つけて、モチベーションにつなげること

「言葉」を揃える
自分が当たり前だと思っている言葉の意味を、チームメンバーが全く同じ意味で認識しているとは限らない。定義を作り、共有しよう!

※筆者が過去に投稿した、「言葉」とデザインに関する投稿


大きな流れに逆らわず、川に小石を少しずつ投げ入れるようにして、普段の仕事の中で少しずつ組織の流れを変えていく

小さく試す
小さく行動する
課題を分解する
言葉を統一する
小さく変えていく

--------

4/22(木)実施:著者・かねこさんのセミナーを聞いて

著者のかねこさんが、下記のセミナーにて書籍の内容を元に、詳細な解説をして下さいました。

1. 思いこみを捨てていく

「ユーザーがこういう人だ」「私がこうだからユーザーもそう思うだろう」と思い込んでしまうことが危険です。

そこで「共感」が鍵を握ります。

【共感】
「相手の立場になって考える」by かねこさん

何か行動を起こしている人が、どういう気持ちでそういう行動を起こしているのか。
例)転んで泣いている女の子がいる→どうして泣いているのか。公の場で転んで恥ずかしくて転んでいるかもしれないし、誰かに助けて欲しくて泣いているかもしれない。

2. 人によって見ている視点が違うことを認識する

例えば、何か事業をしている組織に属しているとしましょう。
皆さんの組織の中で、事業に対して「売上を見ている人」「デザイン面を見ている人」「企画のアイディアについて見ている人」など、部署ごとに見ている視点が多々違うことがあると思います。
実際、私も今新規事業に携わっている際に意見の対立がよく起こります。
これは、かねこさんが紹介されていた、何かの商品(プロダクト)でも同じことが言えます。

各々の部署や業務があるので、視点が違うことは仕方のないことです。
ですが、まずお互いに違う視点を持っているということを認識することで、意見がすれ違っても「この人はこういう視点で捉えているんだ」という切り口で発言を理解できるはずです。

「ユーザーについて考えるよりもまず、同じ組織に所属する同僚の意見について考えることで、ユーザーリサーチに繋げていくべき(ユーザーも同僚も同じ人間だから)」とかねこさんは書籍でもこのセミナーでも提案されています。


3. まずは自分の仲間を1人見つけて、2人で動いてみよう

1人で組織を変えようとするのは、とてもエネルギーがいることですし、変人扱いされ兼ねません。まずは目の前の同期、先輩、上司など身近な人たちを巻き込んでいきましょう。

同僚を巻き込むことで、その動きを見ていた周りの人たちが気にし始めます。そして協力してくれる人たちも出てきます。

社内で動きが出て、そしてSNSで発信していくことで、ユーザーの中でも情報感度の高い人たちが反応してくれるかもしれません。

そうやって、小さく行動を起こし続けることで、やがて大きなムーブメントになっていきます。ただ注意しておきたいのは、行動を起こす中で必ずPDCAサイクルを作ること。動きの結果を振り返り、改善策を練って行かない限り、「グッドサイクル」になることはなく、悪循環になり無駄なコストになり兼ねません。

小さく行動を起こす際には「プロトタイプ(試作品)」を作ることが不可欠です。プロトタイプを作るにはどうすればいいのか?先人たちのフォーマットや考え方を吸収していくのみ、だと私は考えます。

結論:人に対する「なぜ?」がプロダクトやビジネスの質を高める

セミナー後の金子さんへの質問に「〜〜という人がいます。どう説得するか」という質問が複数紹介されました。特にデザインの決定権を持っている人への説得方法に疑問を持たれる方が一定数いました。

その質問について、金子さんは「なぜその人はそう思ってしまったのだろう」と常にまず疑問を投げかけていらっしゃいました。

そう、質問者の中に登場する方々も「ユーザー」の1人であるわけなので、「なぜそう思ったのか?」と疑問を持ち、その方々に聞いてみることから始めることで、何か変わるかもしれません。

私も今、それを実践している最中です。

------

ほかに金子さんがこちらのセミナーにも登壇されていたようです。気になる方はチェックしてみて下さい。

--------

筆者は新規事業に携わりながら、ECでモノを売るためのスキルをWebデザイン面から勉強しています。本業に関わらず、副業も始めています。
日頃noteに思いを綴っていますので、よろしければご覧下さい。


この記事が参加している募集

最近の学び

読んで下さった皆様の背中を押せるようなコンテンツを発信し続けます。ありがとうございます。