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欲しいの本質〜インサイトってなに?〜

今回は、「欲しいの本質」を読んだ読書感想文です。

マーケターやデザイナーなど、消費者の心理を理解しそれを販促に活かしていく職種の方々にはぜひ読んでほしい一冊です。


本の要約

・世の中「だいたいいいんじゃないですか?」時代
→そこまで機能が劣った商品がない
→分かりやすい問題に応えていればモノが売れた時代は終焉に向かっている

インサイトは、顧客を動かす心理で、消費者自身も気づいていない状態
一方、ニーズは、本人が明確に認識できている欲求で、競合他社も知っている

人間が求めているものはなにか?を見出だすサイクル
1. 共感
2. 問題定義
3. 創造
4. プロトタイプ
5. テスト
1~2のステップは、インサイトと同じ意味

事例)AKB48→会いに行けるアイドル
アイドルという憧れの存在に、会いにいけないことへの不満を、秋葉原のメイドカフェで晴らしていた可能性

インサイトを基にした、隠れた不満や欲求のエッセンス=キーインサイト
※単なる感情わインサイトと呼んではいけない。客観的な事実に基づく感情である。なぜなら、感情だけでは的外れなアイディアを生んでしまう可能性があるから
例) お茶漬けのりを一人で食べるとき、音が寂しく感じる(キーインサイト)
客観的事実: 顆粒の音→感情: 寂しく感じる
→なので、音を変える必要があった

キーインサイトを充たすための価値提案を、バリュープロポジション
→キーインサイトとバリュープロポジションは、対応している必要がある

インサイトの4つの要素
・バックグラウンド(背景要因)出来事、人間関係
・シーン(場面)日時、場所、状態
・ドライバー(源泉要因)機能、成分、行動、五感、

感情

インサイト3つのタイプ
1. 価値のインサイト
2. 不満のインサイト
3. 未充足欲求(求めているが、まだ充たされていない)

買わない理由を理解する

(前提)消費者は、自分の行動を正しく説明できない
=自分の都合のいいように、理由を考えてしまう

買わない理由を聞かずに、買わない理由を明らかにする。(自分に都合のいいように解釈してしまうので、理由は聞いてはダメ)

価値→不満→だから買わない、という手順を踏む
※価値= 買わない理由を知りたい対象ではない。知りたい対象とは別の、その人の関心ごとの価値を指す。

どうやって消費者の声を拾う?

・Amazonレビュー
・SNS
・アットコスメ
・価格ドットコム
1. 知りたいテーマのキーワードを設定、検索期間の設定
2. スパム投稿を省く
3. 量的分析→時系列の移り変わり、話題の傾向を調べ、深掘りポイントを調査
4. 質的分析→投稿コメントや反応から、記事や動画な対する反応のインサイトを抽出。日時や季節との相関性を見るのもGood
5. コミュニティリサーチ→日常生活や行動の情報をいかしてアイディアを作りたい場合に有効。実況報告のように書いてもらい、利用状況を把握

インサイトを読み解く7つのポイント

1. 離せ、戻せ(商品やブランドを遠くから見つめてみる)
2. 良いアイディアにつながることを意識(参加者の生の声や、発言録に触れるようにする)
3. 生の素材から感じる違和感を大切にする
4. 正しいではなく、面白い
5. 既存路線ではなく、新路線に着目(知らなかった、面白い!)
6. インサイト4つの要素の組み合わせの妙、を見つける
7. 隠していること、言えないことを意識

自分の経験と照らし合わせて感じたこと

「インサイト」については、昨今の私の中で最大の課題です。
普段仕事でECサイトを運営しているのですが、リアル店舗と比較しお客様と対面しないため、Google Analyticsなど画面上の数字を見て次の施策を考えることが多いです。

しかし、本当に画面上の数字を見て完結していいのか?というところ。

SNSでバズったからと言ってECサイトの購入もバズるかというと、そうでもないことが分かってきました。

一方で「TikTok売れ」の言葉が流行したように、TikTokにより売上も上がる事例もあります。

徳力さんの考察では、日本では味付きの水は珍しくないけど、海外では珍しく、またTikTokのコメント上に飲んだ人の感想が書き込まれていることから、購入に至ったのでは?と。TikTokはYouTubeと決定的に違うことが明らかになりました。

それを踏まえ、成功した事例はなぜ成功したのか、興味を持ってもらえなかった事例はなぜ興味を持ってもらえなかったのか?を検討する必要があります。

そこで、どこから検討すればいいのか?
この本には、上記で挙げたようなヒントがたくさん隠されていました。

今の仕事の課題と照らし合わせながら、少しずつ打開策を打っていきます。


合わせて読みたい

noteには、さまざまなマーケターの方々が多数noteを書いていらっしゃいます。学校に行かなくても、書籍やnoteから学べるのってとてもいいですよね。

松本さんはTwitterとnoteでフォローしていて、「人は悪魔に熱狂する」という本をきっかけに知りました。今回紹介した本をまた別の視点で解説されています。

キーワード:なぜ消費者は買っているか、消費者がその商品を選ぶ理由

中島さんは今回「インサイト」についてnoteで検索していたときに、この本の「どうやって消費者の声を拾う?」の章のヒントになると思ったからです。

キーワード:エクストリームユーザーの存在

また、この本に興味・関心を持った方は、こちらの本もおすすめです。それぞれ私の読書感想文もあるので、ご覧いただけると嬉しいです。

予想通りに不合理

ジョブ理論



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