ビールの中身に酢が入っているという情報は、飲む前と飲んだ後のどっちで聞きたい?
行動経済学を学ぶ方は必読とも言われている、「予想どおりに不合理」という本の読書感想文です。
行動心理学という学問的に関心がある方、また職種に限らず全ての方におすすめです。
この本の要約
人間は色んなバイアスがあるんです。
▼福田さんもnoteに投稿されていました。
特に私が注目したところ
10章に書かれていた「予測の効果」の内容が、私の悩みに対してヒントをくれました。
本の中で実施されていた実験
ビールに酢が入っていることを伝えずに試飲してもらうグループ、酢が入っていることを前もって伝えて試飲してもらうグループを作る。どちらの方がビールを美味しく感じてもらうのか?
Q. 知識が経験の前にくるか後にくるかは重要な意味があるのか?
→知識が単に事情を知らせるものであるなら、実験協力者が情報を得たのが試飲の前後であろうと問題にはならないだろうという仮説
A. 結果
ビール試飲を試飲すると、酢について知るグループの方が、事前に酢を知っていたグループより、はるかにビールを好む
この判断には、ステレオタイプも影響する
私の考察
「予測の効果」は期待値と関係あるのでは
本の中で取り上げられていた「予測の効果」。
この章を読んでいく中で、情報を知っていることで商品やサービスに対する愛着というか、好感度というか、評価が変わるのかなと疑問を持ちました。
本の中ではビールの中身に酢が入っているという情報を、試飲前に与えるか否かでビールを好む度合いを測っていました。
結果としては、ビールの中身に酢が入っていることを試飲後に知ってもらった方がビールを美味しく感じたとのことでした。
この結果はどういうことか、私なりに分析してみると、「期待値」と関係あると思います。
事前に情報を知っていると、実際の味以上に期待してしまい、その分予想していた味と異なった味だった場合「美味しい」と感じなくなってしまう。
ストーリーマーケティングに予測の効果を応用できるか
ストーリーあっての発信はnoteはじめ色んな企業さんはじめ発信されていますが、よく事例としてnoteイベントで取り上げられるのはある程度社会的に認知度のある企業・Twitterでバズった企業さんです。
1度多くの人の目に触れる機会があるから、「あの話題になった企業さんてそういうことやっていたのね」と、発見につながるわけです。
かといって、あまり社会で一般的に知られていない企業さんの場合は、バズることを目的として発信していくことは違う、と私は考えます。
そこで私は、何か商品が売れたときに「ほかにもこんな商品があるんだ!」と発見してもらうためのネタを蓄積していく、というスタンスでSNSでストーリーを発信したらどうか?と提案します。
そしてきっと最初は数人が見てくれる程度かもしれません。
でもそこで挫けず、見てくれた人、購入してくれた人にアプローチをかけていくのが近くて早い戦略なのでは?と思うのです。
SNSで口コミやアンバサダーマーケティングは予測の効果を活用すれば、効果が出るのか?
また別の心理が働いているから直接の因果関係はない、というのが私の考えです。
アンバサダーマーケティングは、「インフルエンサー」と呼ばれる意見の発信にある程度社会的に信頼が置かれている方々からの発信で、そのフォロワーの方々にも興味を持ってもらおうとする戦略です。
最近主要SNS、Amazonのレビューで「口コミを書いてください」と投稿・シェアされるのも類だと私は捉えています。
海外の事例として5つ、下記ブログでまとまっていました。
海外の美容ブランドで実践されていて、実績もあるようです。
自分のお気に入りの情報が流れやすいSNSで、多くの人が投稿すると「あれ?みんな興味あるの?」という感覚に陥ります。(実際はほんの一部しか投稿していない可能性があります。)
これは、予測の効果よりも意思決定のバイアスをうまく活用した事例かと考えられます。
合わせて読みたい
次に読むべき本としてオススメされた本
・ファスト&スロー
・不合理だからすべて上手くいく
・ずるー嘘とごまかしの行動経済学
・自滅する選択
本の著者のTED動画もありましたので、興味ある方はぜひ。
過去にストーリーを発信することについてのnote書いてます。
正常性バイアスについて書いたnoteも合わせてご覧ください。
読んで下さった皆様の背中を押せるようなコンテンツを発信し続けます。ありがとうございます。