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UXを考える~APAホテルのプール事業の戦略とリテールメディア広告~

Podcast「日経クロストレンド」で紹介されていた、APAホテルのホテル広告について、私なりに深掘りしていきたいと思います。

↓Podcast「週刊 日経トレンディ&クロストレンド」はこちら。


APAホテルのプール事業が黒字化

創業以来、51年連続で黒字経営を続けてきたアパグループ(東京・港)が、特に黒字化に苦戦したのが「アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉」だ。中でも「屋外プール」は最後まで赤字だった。そこで発想を転換。プールをメディア化し、企業名を冠するという広告事業で黒字化に成功した。

それはなぜか。

唯一赤字部門として取り残されたのが、「屋外プール」だった。同ホテルのプールは宿泊客だけでなく、いちげん客向けにも有料で開放していた。このプール部門も1つの事業として、収益化が求められた。

そこで、APAホテルが考えたのが「ネーミングライツ事業」。いわゆる、施設の命名権を与える代わりに、費用を支払ってもらうというもの。

まずは、大塚製薬のポカリスエットに声をかけてみたところ、承諾をもらい、実現に至ったそうです。

ポカリスエットプールが大成功を収めたことで、その後も多くの企業と同様のネーミングライツ事業を行った。そんなアパグループは、主に4つの観点を基準に、コラボレーションする企業を選定している。
それは、「ファンが多いか」「自社とのコラボに意外性があるか」「地域に密着しているか」「自社と共通の顧客層を持つか」だ。「ただ有名な企業というだけでは不十分だ」と元谷氏は言う。


リテールメディア広告の応用系?

この戦略を見て、私は今EC界隈で注目されている「リテール広告」を思い出しました。

リテールメディア広告とは

小売事業者がECサイトや実店舗を広告媒体として提供するWeb広告、アプリ広告やデジタルサイネージ広告のこと

https://webtan.impress.co.jp/e/2023/02/02/44223

と定義されています。

成功事例として、よくWalmartとAmazonの事例が挙げられます。

Walmartでは、「Walmart Connect」と呼ばれる広告事業を立ち上げ、Walmartのサイトを広告の出稿先としています。

スポンサー商品の検索結果表示だけでなく、顧客の店舗やECサイト上での購買行動をデータと結び付け、それを別なデータと照合することで広告主に広告のターゲティングに役立つインサイトを与えることを目指しています。


日本でいえば、イオンやファミリーマートもリテールメディアの事例として挙げている記事もあります。
ここでは、イオンのインタビュー記事をご紹介します。

イオンお買物アプリのデータを活用して、Googleのプラットフォームで適切な広告を配信するのがイオンADです。たとえばイオンお買物アプリの過去の買い物履歴をもとに、You Tubeでそれぞれのユーザーにあった動画広告が配信することができます。イオンリテールの「ファーストパーティデータ(自社で収集したデータ)」が活用されている点が大きな特徴です。

https://news.mynavi.jp/techplus/kikaku/20221017-2470826/


リテールメディア広告の成功事例の共通点

Walmartであれイオンであれ、自社のアプリの通知を工夫しお客様との接点に注目、お客様のニーズに沿った情報を適切なタイミング(ノイズにならないタイミングで)発信しています。

さて、APAホテルの話に戻りますが、APAホテルはAPAのお客様情報をうまく活用するため、それを外部企業とのコラボの際のAPAホテルの基準に基づき選定しているのです。

APAホテルの方もおっしゃるように、ただ有名企業だから、有名なブランドだから、だけでは必ずしも消費者は商品やサービスを購入してくれないのです。

自社とのコラボにどのような意味があり、どのような目的でコラボ企画を実現させるのか、よく考えることが成功への鍵となるように感じました。


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