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リアル店舗よりオンラインショールームのほうが便利で満足度も高い!?従来の販売方法を変革して新しい顧客体験を作り出せ!〜DX事例49_株式会社LIXIL〜

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。

今回は住宅設備業界からです。浴室やキッチン、トイレなどの製造販売を手掛ける株式会社LIXIL(リクシル)のオンラインショールームの事例紹介です。


オンラインショールームが実際の店舗見学を上回る!?リクシルのDX事例

リクシルは住宅の新築やリフォーム向けとして、浴室、キッチン、トイレやドア、窓などの「住まいと暮らし」に関する設備を取り扱う総合メーカーとなります。販売方法としても、実際の商品を設置したショールームを全国各地に用意し、実際に訪問してもらうことで商談を行う形式を取ってきました。

そんなリクシルもコロナ対応のため2020年4月にショールーム入館を停止したことから、オンラインショールームを積極的に推進しています。今回はオンラインでのコミュニケーション施策について紹介していきます。


①ネット上で会話しながらカラーコーディネートやリアルタイム見積が可能「見積・シミュレーションシステム」
前述したとおり、今までの販売方法だと顧客には店舗まで足を運んでもらうのですが、特にリフォームを真剣に検討している状況だと、施工業者や工務店と一緒に来店するケースもあり日程調整に手間がかかることがありました。特に商品を選んだ後も、在庫状況や輸送状況の調整で見積を出すのに3〜4日時間がかかることもあり、骨の折れるプロセスだったとのことです。

そこでリクシルのオンラインショールームでは、見積を瞬時に算出するシステムを開発しました。

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株式会社LIXIL「LIXILオンラインショールーム」より抜粋


「見積・シミュレーションシステム」という名称のシステムは、上図のような3Dシミュレーション上で、商品の設置や外観、色合いなどのカラーコーディネートを確認することができます。設置した商品やオプションを付け替えることで、合計金額を瞬時に表示できるため、顧客に最適かつスピーディな提案が可能となりました。


②ショールームをオンラインで360度見学。バーチャル空間でも体験ができる「オンラインショールーム」
順番的にはこちらを最初に紹介すべきですが、リクシルではオンラインショールームを積極的に推進しています。

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ロボスタ「LIXILオンラインショールームの利用者が1万4千組を突破!リアル展示場超えの高評価も オンラインの利点と利用者の声を公開」記事内より抜粋


オンラインショールームではZOOM等のWeb会議ツールを用いて、リクシルのコーディネーターから商品の提案を受けることができます。先程紹介した見積・シミュレーションシステムでの提案だけでなく、コーディネーターがショールーム店内を動き回りながら実際の商品の使用感を実演してくれます。

リクシルのショールームは国内116拠点ありますが実際にショールームまで足を運ぶのは手間なこともあり、オンラインでの顧客満足度はリアルを上回っているそうです。2020年5月〜2021年4月までにオンラインショールームの利用者は累計14,000組を突破しており、アフターコロナにおいてもリアルとオンラインを組合せたハイブリッド型のサービスを用意していくとのことです。


③提案された商品のAR情報を読み取って、自宅にバーチャル設置「AR_ショールーム見積連動」
ポケモンGOに使われているARを活用した取り組みです。オンラインショールームで提案された資料内に印刷されているQRコードを読み取ると、実際の部屋に商品の3DイメージをAR表示することが可能です。

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Appstore「Digital Room AR 」より抜粋

スマホ専用アプリ「Digital Room AR」が必要となりますが、上図のように自宅のトイレ・キッチンなどにリクシル商品の3Dイメージを重ねて設置することで、リフォーム後のイメージを確認することができます。

このように、提案された商品を自宅で簡単にシミュレーションすることができるため、納得感を持って商品購入ができると好評のようです。


DXと経営戦略との関連性について

リクシルは「LIXIL統合報告書2021」にて、DX戦略についての取り組みを記載しています。

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株式会社LIXIL「LIXIL統合報告書2021」より抜粋


今回はオンラインショールームについての事例を中心に紹介していますが、統合報告書ではDX戦略として「ITインフラ」「IT組織」「サイバーセキュリティ」の基盤強化を掲げています。

タナショーのDX事例noteでは、IT技術を活用したユニークなサービスや、奇抜で面白いと思った事例を紹介することが多いのですが、もちろんそのサービスを作り出すための基盤づくりは重要です。特にリクシルでは、昨今のセキュリティ問題やサイバー攻撃への対策として、LIXIL Computer Security Incident ResponseTeam(LIXIL-CSIRT)を設立しています。社内で取り扱うコンピューターやネットワークを常時監視することで、サイバーリスクや被害を最小化するための取り組みを行っているとのことです。

リクシルではDXを進め様々なオンラインサービスを開発することで、顧客と従業員、そしてビジネスパートナーが安全かつ安心してコミュニケーションが取れるような基盤づくりを進めていきたいと謳っています。


まとめ

いかがでしたでしょうか?
リクシルのオンラインショールーム利用者の好意的な意見として、「ずっと住む自分の家についてのことだから、家族揃って都合のよい時間に相談ができるのが良い」、「高齢者など移動が困難な人でも自宅で受けられる」などの声がありました。

今回のリクシルに限らず、オンラインショールームはどの業界も行っています。ですがやはり、リフォームのような大きな買い物のときこそオンラインショールームが有用なのではないかとタナショーは感じました。
商品カタログはもちろんネット上で閲覧できますが、商品バリエーションは星の数ほどあり、素人ではどれを選んでいいのか分かりません。一生に一度の商品購入を妥協せず選択するために、リアル店舗とデジタル技術を駆使しながらプロのコーディネーターが最適な提案を行うというのは、オンラインならではの付加価値の高いサービスだと言えます。

オンラインだからこそ、付加価値が高いサービスが今後どんどん増えればいいですね♪
今回の記事は以上となります。次回もお楽しみにしていただければと思います。
タナショー


参考にさせていただいた情報
株式会社LIXIL HP
https://www.lixil.co.jp
株式会社LIXIL「LIXILオンラインショールーム」
https://www.lixil.co.jp/showroom/online_customer_service/
株式会社LIXIL「LIXIL統合報告書2021」
https://ssl4.eir-parts.net/doc/5938/ir_material_for_fiscal_ym26/102936/00.pdf
株式会社LIXIL「2021年3月期 決算説明資料〔IFRS〕」
https://ssl4.eir-parts.net/doc/5938/tdnet/1959424/00.pdf
Appstore「Digital Room AR 」
https://apps.apple.com/jp/app/digital-room-ar/id1453352060#?platform=ipad
ロボスタ「LIXILオンラインショールームの利用者が1万4千組を突破!リアル展示場超えの高評価も オンラインの利点と利用者の声を公開」
https://robotstart.info/2021/05/27/lixil-online-demo.html

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