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[DX事例53]警備員の代わりにロボットが完全警備!?セコムが提供する安心安全なホームセキュリティ_セコム株式会社

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。

今回は防犯、セキュリティサービス業からの紹介です。防犯や防災、メディカル事業や保険事業など、様々な領域でセキュリティサービスを展開するセコム株式会社の防犯に関するDXです。


防犯も非接触・非対面!?セコムのDX事例

セコムは創業当初から法人・個人の住居に対してセキュリティサービスを展開しており、なんと1966年(昭和41年)という非常に早い段階で「企業向けオンライン・セキュリティシステム」を実現しています。
今回は、昭和ですでに非接触・非対面サービスを実現しているセコムのDX事例をご紹介します。


①AI・5Gを駆使したセキュリティロボット「cocobo」
セコムはセキュリティロボット開発に取り組んでいます。初代「セコムロボットX(2005年)」から改良を続け、2021年に新しいセキュリティロボット「cocobo」を開発し、同年6月から国内のさまざまな施設で試験運用を開始しています。

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セコム株式会社「公共空間と調和した新しいセキュリティロボット「cocobo」を開発」より抜粋

「cocobo」は、AI・5Gなどの最先端技術を活用して巡回警備、点検業務ができるようになっています。ロボットに搭載されたカメラの映像からAIがリアルタイムで解析し、不審な挙動をする人物や不審物の検知が可能となっています。特徴的な機能として、目的に応じてアタッチメントを切り替えることにより、自動販売機の底面確認や扉の施錠確認をすることも可能です。5Gの通信活用してエレベータに乗ることも可能で、高低差関係なく監視物件内の全てを移動・監視することが可能になっています。

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セコム株式会社「公共空間と調和した新しいセキュリティロボット「cocobo」を開発」より抜粋


②入館時の検温やマスク着脱の依頼をAIが実施「バーチャル警備システム」
セコムは2019年にAIを搭載した警戒監視や受付業務が可能な「バーチャル警備システム」を開発しています。ミラーディスプレイ上に3Dモデルを表示し、周辺の人物への画像監視や自動応答機能があります。

システム自体は2019年に登場していますが、昨年の2021年にコロナ禍への対応として発熱者対応の機能を追加し実証実験を行っています。実証実験では、バーチャル警備システムと熱画像カメラを組み合わせることにより、来訪者の体温を検知し発熱状態の場合は再検温の依頼や、入館を見合わせてもらう旨自動応答することができます。また、マスクの着用の検知も可能となっており、マスクの着用を自動音声にて依頼することも可能になっています。

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セコム株式会社「バーチャル警備システム」による発熱者対応の実証実験を実施」より抜粋

この取組により、常駐警備員による対面での体温チェックと比べ、来訪者・警備員双方の感染リスクを低減することが可能となっています。


③セキュリティロボットやドローンを駆使した広域監視の実現
こちらも実証実験となります。セコムは東大阪市の花園ラグビー場を舞台に、大規模イベント時のより高度な警備構築を目的とした実験を行いました。
実証実験ではKDDIのスマートドローン、セコムのセキュリティロボット「セコムロボットX2」、および警備員に装備したカメラを使って4K映像を撮影。その高解像度の映像データを5Gを使うことで中継し、監視センターにてAI解析を行うことで不審人物や不審物のリアルタイム検知に成功しました。

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KDDI「KDDIグループとセコム、国内初、5Gを活用したスタジアム警備の実証実験に成功」より抜粋

固定カメラを使った監視だと死角が発生しますが、ドローンやセキュリティロボット、警備員のカメラは「動き回ること」が可能なため死角をなくすことができます。4K映像による高精細な画像は50m離れた位置からでも異常行動や転倒人の検知に成功したとのことで、スタジアムなどの多数の人が集まり、かつ広域監視が必要な状況においても厳重な警備が実現可能とのことです。


DXと経営戦略の関連性

セコムは2017年5月に「セコムグループ2030年ビジョン」を策定し、さらに2018年に2030年ビジョンを達成するためのロードマップ「セコムグループロードマップ2022」を策定しています。その中で「あんしんプラットフォーム」の構築を掲げ、ITを含めたテクノロジー開発への注力をするとしています。

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セコム株式会社「セコムグループ2030年ビジョン」より抜粋

「あんしんプラットフォーム」の背景には、「テクノロジーの進化」「労働力人口の減少」の2つの課題があります。
ドローンやロボットなど、さまざまなものがインターネットに繋がる”コネクテッド”技術により、今まで以上に社会とお客様とつながっていくための「テクノロジーの進化」。
警備業務や子供や高齢者の見守りなど、省力化・省人化したいという「誰かに頼みたい需要」に対応していくための「労働力人口の減少対応」。

これら2つの課題に対応し、顧客への快適・便利なサービスをつぎつぎ生み出していくことで、“いつでも・どこでも・誰にとっても・切れ目のない安心”を提供するためにセコムは活動を続けています。


まとめ

いかがでしたでしょうか?
セコムの「セコムグループロードマップ2022」では、資本戦略として2,000億円の投資枠を設定し、セキュリティテクノロジーやBPO・ICT技術に対してM&Aを行っていく方針と記載されていました。
自社のIT技術やDXを加速するため外部のパートナーと共創していくことが常套手段ではありますが、資本力が大きい企業なら「M&A」という方法も有力な手段ですね。

タナショーも何度か記事に書いていますが、DXを実現するためには自社のリソースだけでなく、自社以外の外部パートナーと共に創り上げていくことが重要です。自社のリソースだけでは時間がかかり、スピーディな実現ができない場合があります。ITの専門家や技術力の高いベンチャー企業・大学・研究機関や、果てはライバル企業に協力を頼んでみるのもいいでしょう。様々な立場の人達と共創することで、より付加価値の高いサービスが作りだせるのだとタナショーは考えます♪
次回の記事も楽しみにしていただければと思います。
タナショー


参考にさせていただいた情報
セコム株式会社HP
https://www.secom.co.jp
セコム株式会社「セコムレポート/アニュアルレポート2020」
https://www.secom.co.jp/corporate/ir/lib/AR/2020j_full_p.pdf
セコム株式会社「セコムグループ2030年ビジョン」
https://www.secom.co.jp/corporate/csr/strategic/vision.html
セコム株式会社「セコムグループロードマップ2022」
https://www.secom.co.jp/corporate/pdf/roadmap_2022.pdf
セコム株式会社「「バーチャル警備システム」による発熱者対応の実証実験を実施」
https://www.secom.co.jp/corporate/release/2020/nr_20200601.html
セコム株式会社「公共空間と調和した新しいセキュリティロボット「cocobo」を開発」
https://www.secom.co.jp/corporate/release/2021/nr_20210610.html
セコム株式会社「5Gを活用した次世代スタジアム警備」
https://www.mcpc-jp.org/kentei/kentei_smc/pdf/Teramoto.pdf

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