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生き物からのラブレター

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私と海のほねなし(海産無脊椎動物)たちとの出会いや体験を振り返るエッセイ。
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#臨海実習

【生き物からのラブレター#0】ラブレター解読のためにエッセイを書いてみることにした

私はヒトデや海の生き物から膨大な数のラブレターを貰っているらしい。

郵便受けがもうパンパンだから、読んであげて!とある人に先日言われて驚いた。

え?どうゆうこと?

そりゃ私は海の生き物大好きだし、生き物と接することで学んだことはたくさんあるけれど・・・ラブレターはちょっとよく分からない・・・

と思っていたのだが、ピコーンと今閃いた。

私が出会ってきた海のほねなしたちのことを書いてみよう!

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【生き物からのラブレター#13】君のすべてを知りたいんだ

【生き物からのラブレター#13】君のすべてを知りたいんだ

アメフラシは磯の人気者?である。磯遊びに行ったなら、どうしても気になってしまうアイツ。

春から夏にかけて磯に大発生し、生殖のため時には複数個体が連なることもある。その大きくて柔らかい体を引きずって海藻をひたすら貪り食う。

黒くて柔らかいのでナマコだと勘違いする人も多いようだが、実は巻貝の仲間だ。

しかもうっかり踏むと紫色の汁を出す。踏まれたほうも踏んだほうもたまったもんじゃない。汁に染まった

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【生き物からのラブレター#12】かわいいかわいいウニの妖精

【生き物からのラブレター#12】かわいいかわいいウニの妖精

一度でいいから見て欲しい!と思うのがウニの発生である。

高校生物を履修したなら誰もが習うはずのウニの発生。卵が受精し、卵割を始め、陥入、孵化した後も形を変えプルテウス幼生になるというやつだ。

いくら流れを知っていても、写真で見ていても、ホンモノには叶わないと心底感じたものの一つだ。

発生とはまさに命が創られていく過程。これほど神秘的なものはなく、発生学に魅了される人が多いのも頷ける。

しか

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【生き物からのラブレター#11】佐渡の海

【生き物からのラブレター#11】佐渡の海

海の生き物の研究がしたい。そう思っていた私が進学先を新潟大学に決めたのは佐渡に臨海実験所があるからだった。

しかし、当時の理学部生物学科における佐渡臨海実験所での実習は2年次と3年次に1回ずつ。そんなの待ってられない!と思っていた矢先、新潟大生なら誰でも参加できる実習があることを知り、1年生ながらさっそく申し込んだ。

これが初めての佐渡。この後結局2年、3年、そして4年次もティーチングアシスタ

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