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生き物からのラブレター

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私と海のほねなし(海産無脊椎動物)たちとの出会いや体験を振り返るエッセイ。
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2021年11月の記事一覧

つくばのサワガニ【生ラブ#27】

つくばのサワガニ【生ラブ#27】

先日,旧筑波山郵便局へ行ってきた。今は使われていない昭和14年に建てられた古い木造の局舎だ。年に2回,友人が公開日を決めて中を見学できるようにしてくれている。

この郵便局の面白いところの1つは車では行けないところだ。つくば道と呼ばれる筑波山神社の参道に面しており、道の途中で石段になってしまう。そのため私はいつも一の鳥居まで車で来て、そこから30分ほどのプチ登山をすることにしている。

一応石段の

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小笠原でヒトデ釣り【生ラブ#26】

小笠原でヒトデ釣り【生ラブ#26】

秋も深まってきた。これからの季節は潮が大きく引くのは夜になるし、肌寒い。春夏のように海で磯遊び!とはいかないだろう。そこで釣りなんかどうだろうか?魚以外にも意外なものが釣れるかもしれない。

かくいう私は初めての海釣りでヒトデを釣った。

調査のため小笠原諸島の父島へ行った時のこと。夜は特にやることがないので、釣りでもしよう!と港へくりだした。先輩に釣り竿を借り、見よう見まねで糸をたらす。

ボニ

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ニハイチュウのこどもたち【生ラブ#25】

ニハイチュウのこどもたち【生ラブ#25】

海の生き物の実習として定番のイカの解剖.もちろん私も臨海実習でやったことがある.
イカの解剖は中学校でもやるところがあるみたいだし,私も昨年自身の勉強会で題材に取り上げた.イカは手頃な大きさで手に入りやすく,解剖にはもってこいの材料だからだ.

では似ているタコはというと,食用に流通しているミズダコ・マダコなどはとてもじゃないが大きすぎる.そして高い.学生の解剖実験に使おうというには高級すぎるのだ

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