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映画つれづれ 3

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相変わらずですが、古い映画中心のオハナシ。「500円映画劇場」「未発売映画劇場」もこちらから。
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映画つれづれ 目次

映画つれづれ 目次

映画のウンチク、余分な知識、世間に影響のない考察などを気のむくままに(笑)古い映画の話がほとんどです。

2014/6/3 時限爆弾、危機一髪

2014/6/7 ハリウッド版「ルパン三世」

2014/6/10 パシリムと鉄の大海獣

2014/6/18 フィリップ・マーロウをドツいてビッグになろう

2014/6/21 テニス靴をはいた荒野のスネーク

2014/6/24 「UFO記念日」記念

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未発売映画劇場「いつか、どこかで」

未発売映画劇場「いつか、どこかで」

前に「時限爆弾危機連発(ワイヤージレンマの謎)」でちょっとばかり触れたことですが、例の時限爆弾解体の最後の正念場で、「青のワイヤーか赤のワイヤーか、どっちを切る?(失敗したらドッカン)」の最初の例として浮上したのがこの映画。

これは現物を確認するしかないので、さっそく見てみた。

1958年のイギリス映画「Another Time, Another Place」(日本では完全に未公開なので、邦題

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病室映画劇場

「入院騒動」でも書きましたが、入院生活も最後の10日間ほどは、病室にPCを導入しました。

もちろんSNSとかにも多用しましたが、使ったのは主にネット配信の映像鑑賞。

第1目的はこの間に開幕するJリーグ、わが川崎フロンターレの試合観戦。退院が、残念ながらリーグ開幕戦に間に合わず、第2節のホーム開幕戦も欠席(12年連続参戦かなわず)だったのですが、せめてもDAZNのネット配信で応援するためです。ち

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病室テレビ小僧

病室テレビ小僧

器質化肺炎で18泊19日の入院。その間、何をしていたかといえば、ずっとテレビを見ていたわけです。

私が入院していたT病院分院は、かつては結核治療のサナトリウムだったそうなんですが、その時代にはテレビなんてものはなかったわけで、そんなときに19日どころではない入院生活を送った人々は、いったいどうやって時間をつぶしていたんですかね。

そもそも自宅にいても、旅行に行った旅先の宿でも、テレビがついてい

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500円映画劇場「ラビリンス・オブ・ナイトメア」

500円映画劇場「ラビリンス・オブ・ナイトメア」

500円映画にもっとも多いジャンルは何だろうというと、やはりホラー映画だろうか。SF風の作品も含めれば、まず間違いなくトップだろう。

なぜホラーが多いかというと、たぶんいちばん売れるからだし、ということは、ヒマつぶしに見る映画には最適だからだろう。

これは、たとえば昔々、アメリカのドライブイン・シアターにかかる映画の大部分がSFやホラーだったことと共通する。このことは、ゼニの匂いに敏感なロジャ

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未発売映画劇場「笑いの世界」

未発売映画劇場「笑いの世界」

今回の映画は、ほとんど謎だ。まずは、現時点ではっきりしている点を挙げよう。

1)公開時期は、1970年も3月15日から同年9月13日までの183日間のみ。それ以降は上映された痕跡がない。

2)公開館数は、1館のみ。他の劇場等でかかったことはない。

以上である。

そしてもう1点、私は間違いなくこの映画を見た。

公開時期を見てピンときた人もあるだろう。

そう、1970年に大阪で開催された日

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タテコモリ映画

今年(2017年)のミステリベストテンで国内首位に輝いたあの作品(ネタバレ要注意) 要は外界から孤立した現場で起きる殺人事件を描く(専門用語でクローズドサークルと呼びます)長篇ミステリ小説なんですが、なかなか読ませます。いろいろ言いたいことはあるんだけどね。

それこそネタバレになるので、未読のかたは以下の記事は、慎重にお読みいただくことをお奨めします。

責任持てませんからね(笑)

で、その「

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時限爆弾危機連発(ワイヤージレンマの謎)

このノートを書きはじめのころ、「時限爆弾、危機一髪」というのを書きました。【こちら】

ウィキペディアの、映画「ジャガーノート」の項に、「この映画がワイヤージレンマの元祖である」という間違った情報が載ってる件を鋭く糾弾した原稿でした(笑)

私の指摘にもかかわらず、相変わらずウィキペディアの記述はそのままですが、まあそんなことはいいとして。

その後、じゃあ、時限爆弾を解体する作業の最後に、赤と青

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未発売映画劇場「アメリカを震撼させた夜」

未発売映画劇場「アメリカを震撼させた夜」

1960年代から1970年代、アメリカのテレビ放送で、非常に面白いTVムービーが多数製作・放送されたことはよく知られているが、そのほとんどが日本ではソフト化されていない(なかには本国アメリカでも未ソフト化のものもあるが)

この「アメリカを震撼させた夜」(The Night That Panicked America 1975年)も秀作の呼び声は高いが、日本では1977年にNHKで放送されて以後、

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500円映画劇場「アイス・スパイダー」

またまたクモかよ、芸がないなとか思いますが、「アイス・スパイダー」です。原題も「ICE SPIDERS」 2007年のTVムービーであります。

もちろんクモ映画なんですが、さて、芸がないのかどうか?

人里離れた山中(山の名前がロスト・マウンテンてのはいいね) そこには、携帯も圏外のスキー場と、軍の秘密研究所しかない。その研究所から、遺伝子操作によって強化・大型化した6匹の人間大のクモが脱走! 

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ロックぶらり

ロックぶらり

以前に「ロックに行こう」で書いたように、ヒマだった大学生時代に浅草六区の映画街(通称・ロック)にせっせと映画を見に行っていた。毎週とはいかなかったが、月に二、三回は行っていたのではないか。

その後、社会人になってからはそんなヒマもなくなってすっかり足が遠のいていたのだが、「ロックに行こう」を書いたせいで、ちょっと懐かしくなって、ついでもあったので、ひさびさに足を運んでみた。

私がロックへ行くと

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未発売映画劇場「サント対悪の頭脳」

未発売映画劇場「サント対悪の頭脳」

ファンタスティック映画の底なし沼、メキシコ・ルチャ映画の最大勢力であるサント映画のその最初の一作「Santo contra cerebro del mal」である。日本では未ソフト化だが、今回見たメキシコ製のDVD(スペイン語のみ)を始め、海外ではいくらかのソフトが出ているようだ。

サント(SANTO)は1917年生まれ。1930年代にレスラーとしてデビューし、1942年から白覆面をかぶってサン

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ヤスモノ映画大社長

アガサ・クリスティーの名作ミステリ『そして誰もいなくなった』を三度にわたって映画化し、どれも見事にB級映画にした大プロデューサー、ハリー・アラン・タワーズ(Harry Alan Towers) その後「未発売映画劇場」で「ああ月旅行」「ドラゴン捜査網」と相次いでこの親父さんの作った映画に行き当たったことから、たぶん相当の本数を作ったんだろうなと思い、調べてみたわけです。結果は以下のとおり。(見づら

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武装か? 非武装か?

先日、ツイッターの私のタイムラインに、突如としてバルタン星人が出現しました。

どこぞの政治家が「武装難民」なるたわけた言葉を公の場で口走って問題となったせいです。そこでトンチをきかせたフォロワーさんが、バルタン星人こそ「武装難民」だと言ったわけですね。

うまいこと言うもんですねえ。

たしかに、母星を失い、はるか宇宙のかなたから地球へとさまよってきたバルタン星人は、「難民」でしょうね。

しか

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