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小説『望郷の形』あとがき

小説『望郷の形』、完結しました。お読みいただいた方は本当にありがとうございました。

 我ながら変な小説になったなと思います。でも、心からの言葉だけを綴ることができたとも思っています。人目を気にして取り繕うようなことは書きませんでした。それは自分にとっては大きな進歩で、お陰で自分の書いた文章を見返しても消えたくなるほどの恥ずかしさは感じなくなりました。面白いかどうかはわかりませんが、大事な作品になりました。

 せっかくなので本編に入れられなかった裏設定など紹介してあとがきに代えさせていただこうと思います。


人称代名詞について

 性別を問わず三人称は「彼」に統一しました。そもそも登場人物の性別は不確定のつもりで書いています。宇宙人が地球で普通とされているような二つの性別を採用している確率はそれほど高くないのではないかと思うので、登場人物もあまり性別の概念を強く持っていない設定です。


登場人物の名前の由来

  • ヒサキ:惑星分光観測衛星「ひさき(SPRINT-A)」。地球の周りを周回して惑星を観測する宇宙望遠鏡。地球から離れていながら地球の重力に生かされている。

  • シーさん:なし。地球の人間なら付けないような名前にしたかった。

  • 久我:陸と書いて「くが」と読む。海に対する陸地。固くてしっかりした大地。

  • ワタさん:「海」の古い呼び方。「わたのはら」「わだつみ」のワタ。海そのもの。

  • イナミ:稲見星=牛宿。山羊座の辺り。遠い星だが地球人にも親しみがある。

  • ナチャ:クトゥルフ神話の邪神アトラック=ナチャ(アトラク=ナクア)。深淵に巣を作り続けている蜘蛛。彼から見た王国の住民たちの印象を表す名前。

  • スバル:すばる望遠鏡。ハワイの山頂にある。空の星を見つめ続ける地上の存在。

  • ソユ:ソ連/ロシアの有人宇宙船。数多くの種類があるが、初期には死亡事故も起こした。夢見た宇宙に辿り着けなかった命。


 この小説は、「普通」に生きられない不器用な人たちの物語です。しんどい描写も一部にはありますが、私は登場人物のことはみんな好きですし、ハッピーエンドのつもりで書きました。

 まだ読んでいない方は、もし興味を持っていただけたら下のリンクから読んでみていただけると嬉しいです。(ちなみに全編無料です。)


 ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
 拙い文章ではありますが、今後も納得できるものを楽しみながら苦しんで書いていけたらと思っています。

 それでは。

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