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【詩】ぐるぐる吹きこぼれ脳内

そもそも空気が読めないのと
読んだ空気に合わせられないのは
全然違うことなんです
空気読めないことしてるけど
空気読めてないわけじゃないんです
今ちょっとした失敗とか話して
なんとなく盛り上げるところだなって
わかっても思い出検索がバグってて
作り話するにはシナプスが鈍くて
あわあわえへへって誤魔化して
絡みづらい奴って空気も読めてて
だから隅っこでへらへらしてるんです

楽しくないなら離れればいいって思うかな
でも君がせっかく誘ってくれたから
お礼に君の望む空気を作りたくて
作れないならせめて邪魔にならないように
無駄に頑張ってしまうんだ
いよいよ声をかけられなくなって
嫌われちゃったかなって凹んで
やっぱりほっとしちゃってるんだ


サラダの大皿
積まれた小皿
取り分けたほうがいいのかな
でもアレルギーとか訊いてないし
トマト嫌いかもしれないし
上から取っていってしまったら
最後の人のはびちゃびちゃかもだし
最初に混ぜたらいいのかな
でもクルトンがしなしなになるし
トマトの汁が全部に回るし
でもでもそのまま置いてたら
遠くの席の人が届かないし

ぐるぐるしてたら横から手が出て
自分のレタスだけ取って隣に渡す
万歳ありがと無礼講


気にしなきゃいいなんて言われても
気になるんだから仕方ない
はなから何にも気付かないのと
気付いた上で無視するのとでは
全然コストが違うんだから

テーブルの上を泳ぐ君の手
醤油を探してるんだなって
わかりたくなくてもわかっちゃうんだ
醤油の小瓶を握らせたくなるんだ
もしかして見守ったほうがいいのかな
君自身が小瓶を探し当てるまで


どうにもこうにもめんどくさい
めんどくさい人間だよね
僕自身がめんどくさい僕に振り回されてるんだから
君がめんどくさがるのも当然だ

でもさ結構気に入ってんだ
気にし過ぎ考え過ぎの僕
なんにも気が付かなかったら
君に醤油を渡すかどうか
選択肢さえ見えないままだ

いっぱい迷って
いっぱい悩んで
いろんなものが見えるようになって
誰も気が付かなかった原石を
見つけられるかもしれないからさ

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