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カレーと街と地理歴史、京都・福岡・札幌で

もはや国民食、と言ってもいいカレー

自宅での食事はもちろん、キャンプ、
給食、外食など、カレーが出てきて嬉しい、
と思うシーンは多いものです。

特に「外食のカレー」は、
気合を入れてチョイスしたいですよね!

私は、外食のカレーは美味しくないと
意味がない、と思っています。
なぜならば、これだけカレールーや
レトルトカレーがスーパーなどに
溢れている現代、
自分で美味しいカレーを作ることが
とても容易になってきているから…。

「自分で安く美味しいカレーが作れるのに、
へえ、わざわざ外食でカレー、ですか?」


この内なる悪魔の声に勝つためには、
こう回答するしか、ない。

「…ここのカレーはね、自分では
作れないほど美味しいんだよ!」


ですから必然的に、外食のカレーに対する
期待のハードルは高くなります。

では、どれくらい美味しければ、
(自分の中で)ハードルをクリアできるのか?

あくまで私的な話ですが、
私は「ココイチ基準」を持っています。
カレーの有名チェーン店、ココイチ!
美味しいです。私、好きです。

ゆえに、あえてカレーを外食に選んだ際に
もし期待外れだったとしたら、
こんな声が聞こえてくる。

「…これなら、ココイチのカレーを
食べたほうが良かったんじゃ?」


前置きが長くなり、大変に失礼しました。
本記事では、有名な街をカレーに例えて、
その地理と歴史との関係を書いてみます。


良い街には、絶品カレーに似た魅力、
また食べたくなる(行きたくなる)
中毒性があるものです。

一番わかりやすい例から行きましょうか。
皆様、「京都」を思い浮かべて下さい。

日本が世界に誇る観光都市。
クールジャパン&ホットジャパン。
…まさに「ザ・ジャパン」の目白押し!

かと思えば、

その底には、794年から続く
半ば怨念にも似た歴史的な要素もある。
訪れた人を、様々な面で魅了します。

あえて例えて言えば
「1200年以上煮込まれたカレー」
…この味の深みと辛み、
ジワジワ来る美味しさは、
他の街にはなかなか出せない!

私の中の「ココイチ基準」を
軽くK点越えしていきます。
また食べに来たいと思わせる、妖しい魅力…!

私の意図がおわかりでしょうか?

そう、「地理」「歴史」
「その街ならではの特色」を、次のように
置き換えていこうと思っているのです。

◆「地理」=スパイス
◆「歴史」=煮込み時間
◆「特色」=具材・トッピング

京都なら、こうなります。

◆「地理」=スパイス
=京都盆地・本州の真ん中・日本の「都」
◆「歴史」=煮込み時間
=794年から約1200年以上
◆「特色」=具材・トッピング
=日本文化の粋(数えきれない…)

一言で言えば、「ザ・ジャパンカレー」

東京よりも「歴史」、つまり
煮込んできた時間が800年以上も違います。
京都の人が東京を「仮の首都」と
みなしているのも、むべなるかな。
圧倒的な煮込み!
代々「秘伝のたれ」を受け継いできたような
唯一無二のカレー!

この調子で、他の街でも例えていきましょう。
九州、福岡へ。

福岡県の県庁所在地は「福岡市」。
しかし福岡の中心はどこかと聞かれれば、
多くの人が「博多」と答えます。
新幹線の駅名も「博多駅」。

…もうこの時点で何だか、
香ばしい匂いがぷんぷんしますよね。
福岡と博多という「ダブルスパイス」…?!

この理由を一言で言えば、
「博多と呼ばれていた街に
江戸時代の殿様、黒田長政がやってきて、
新しく『福岡』の地名を使い出した」から。

「大宰府」も近くにあり、2000年以上も
中国大陸との関係が深かった港町、博多!
そこを新しく治めることになった
黒田氏が使い始めた地名、福岡!
しかも元々は、黒田氏の旧領だった
岡山県にある地名だったそうです。
「輸入スパイス」のようなもの。

あえて取捨選択してまとめると、
以下のような感じでしょうか。

◆「地理」=スパイス
=大陸との玄関口・黒田家の輸入スパイス
◆「歴史」=煮込み時間
=2000年以上の港町+400年以上の城下町
◆「特色」=具材・トッピング
=どんたく・ホークス・博多ラーメン…

京都と同じく、特色あり過ぎ。
列挙しきれないほどの複雑な地歴!

それでも無理やり、一言でまとめます。
福岡は「オリエンタルカレー」です。

アジアンな味わいがありつつ、
港・城下町・ホークスなど
混然としたスパイス・煮込み加減、
具材がからまって熟成されて、
現代でも日本を代表する都市の一つとして
活躍し続けている福岡…!

はい、本州の真ん中・九州と来ましたので、
今度は、北の北海道に飛びましょう。

北海道の中心と言えば、札幌。
この街も、人気が非常に高い。

しかし、煮込み時間はさすがに少ない。
なぜなら、明治時代に「屯田兵」たちの
開発が進んできて以来だから。
約150年くらい、でしょうか?

京都や福岡に比べれば、
街としての歴史は比較的浅い。
…サラッとしています。
だからこそ出せる風味も、ある。

◆「地理」=スパイス
=石狩平野・開拓地・北海道一の都市
◆「歴史」=煮込み時間
=明治時代以来、約150年
◆「特色」=具材・トッピング
=時計台・雪まつり・札幌ラーメン…

そんな札幌を一言でカレーで表すとすると?

やはり「スープカレー」でしょう。

サラッと湿気の少ない気候。
良い意味で「新鮮」。
でも情熱的な、後をひくスパイス。
うん、スープカレーがぴったり!

最後に、まとめていきます。

本記事では、日本有数の都市、
「京都」「福岡」「札幌」を事例にして、
街をカレーに例え、
その地理と歴史との関係を述べてみました。

◆京都=ザ・ジャパンカレー
◆福岡=オリエンタルカレー
◆札幌=スープカレー

…さて、読者の皆様が住む街は、
いったい何カレーでしょうか?

そう聞かれると、ちょっと自虐的に、

「残念ながら、地理(スパイス)も
歴史(煮込み時間)もありきたり。
特色(具材・トッピング)も無い。
どこにでもあるレトルトの
ワンコインカレーです」

…そんな風に、思っていませんか?

街づくりはカレーづくりに似ている。
確かに、地理・歴史・特色は大事。
ですが、何よりも大事なことは、

「美味しい料理を食べてもらいたい」という
「情熱」ではないでしょうか。
そして、魅力を知ってもらうための
「発信」ではないでしょうか。

すなわち住民による街づくりの「情熱」と、
その魅力を「発信」していくこと。

これこそが大事なのではないでしょうか?

地理(スパイス)も歴史(煮込み時間)も、
ただ知らないだけで、

実は、唯一無二のスパイス(地理)や
煮込んできた時間(歴史)が
街にはある、のかもしれない。

たとえ具材(特色)が、今は無くても、
新たに作ることもできます。
実際作ってきた人も、たくさんいます。

ただ、知られていないだけで…。

改めて、最後にお聞きします。

あなたの街は、何カレーですか?
…子どもたちに、どんなカレーを
食べさせていきたいですか?

※本記事は以前に書いた記事の
リライトです↓
『「これは本物のカレーか?」
~あなたの街は何カレー?~』

合わせてぜひどうぞ!

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