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さいおなおさんの『新卒保育士VS歪んだ愛の先生』
のシリーズのご紹介をします!

このシリーズは、全60回にて
ツイッター上で連載されていた漫画です。
2022年12月26日に完結しました。

(さいおなおさんのブログ上では
一気に読むことができます。
下のリンクから、ぜひ!)

…この漫画がすごい!と言いたくなるような、
かなり、考えさせられる漫画でした。

主人公は新人保育士の「さいお先生」
しかし物語のメインのキャラクターは
「ユガミ先生」という先輩保育士。

この漫画は、二人がペアを組んで
「二歳児クラス」の担任
しているところから始まります。

(ここから引用)

『ユガミ「みんなも手遊び上手だったね!」

ユガミ「あ、あ~でも
Aちゃんは~上手じゃなかったかな~!?」

(Aちゃん、ショックを受けて、ギャン泣き)

ユガミ「あはは!嘘嘘~!
そんなに泣かなくても大丈夫なんだよ~」

ユガミ「ほら、おいで~」「よしよし」

(ユガミ、Aちゃんを抱っこする)

さいお「え…何してんだ この人」

(さいおのブチギレメーターが少し上がる)』

(引用終わり)

そう、ユガミ先生は「歪んだ愛」の持ち主。

わざと子ども(Aちゃん)を泣かせた上で、
慰め、自分に愛が向くように仕向けている。

その風貌も、お菓子の「ばかうけ」が
歪んでいるような顔をしています。

そのユガミ先生の「暴虐」っぷりを、
自分は「新人」ということで
なかなか指摘はできない、さいお先生…。

しかし、ユガミ先生の行為は
次第にエスカレートしていって…。

さいお先生のブチギレメーターは
いつ満タンになるのか?!
悲劇が、起きてしまうのか?!
どのようにして、物語は収まるのか?!


という漫画なのです。

ネタバレになると未読の方が
ブチギレしそうなので、
1回目を、ちょっとだけ紹介しました。

続きが気になる方は、さいおなおさんの
ブログ上で一気読みができますので、ぜひ!

さて、ここからは、私の感想になりますが。

…さいおなおさん、ツイッター連載、
本当にお疲れ様でした!
全60回、楽しませていただきました!

私も(比べるのも申し訳ないくらい
ささやかですが)SNS上で連載を
漫画ではなく小説でしたことがあるので
少しだけわかるのですが、

続けてSNSで連載していくのは、
本当に大変なことなんです。

それを60回続けて「完結」まで、
しかも文字だけではなく
「漫画」で連載する、というのは
とてもパワーがいること
だと思います。
(しかも保育業で働きながら、ですから…)

漫画の内容については、私は
ユガミ先生の「何が歪んでいるのか?」
考えながら読んでいました。

そもそもの愛情が歪んでいるのか?
認知が歪んでいる?
人間関係の構築の仕方が歪んでいる?
そんな人に担任を任せざるを得ない
環境が歪んでいるのか?
ユガミ先生がこのようになった理由は?
…保育に向いている、向いてない人とは?

ユガミ先生の横で
ブチギレメーターを上昇させている
さいお先生が、たまごのような
つるんとした(歪んでいない)風貌なので、

余計にそのユガミ先生の
「歪みっぷり」が引き立っています。

(時にはホラー漫画風に変身する時も…)

もしかしたら、ユガミ先生は
最初(一年目)は、たまご状態や
直線のばかうけ状態だったのか…?
いや、これでもマシで
最初は、もっと歪んでいたのか?

何と言うか、保育園や幼稚園における
保育士の「リアル」が感じられた漫画でした。

(なお、さいおなおさんは、
保育園で3年勤務後に、独立して
ベビーシッターをしながら
漫画も描いている方です)

保育士も、人間です。
どんなにベテランの保育士さんでも
必ず「初心者」「新人」だった時期がある。

そんな「人間」が「人間」を保育する。
そこには葛藤や悩みや歪みが、絶対にある。

でも、その歪みがあまりに行き過ぎたら。

自分の主観が実は歪んでいると気付かずに
行為をエスカレートさせたら、
他人に害悪が及んでしまう…。

しかも相手は「二歳児」です。
自分の感情も、ちゃんと言語化しきれない。
うまく表現できない…。

ユガミ先生のような、
自分では良かれと思ってやっているけれど
その行為は傍から見れば
ものすごく歪んでいる
、ということは
よくあることではないか?

そんなことを思いながら、
私は読んでいました。

最終回も、素晴らしかったです。
ユガミ先生を完全な悪とするわけではなく、
かといって「〇〇だもの、しょうがない」と
受け入れて肯定するわけでもなく、

「俺たちの戦いはこれからだ」的な
未来に向かって、

ぴりっと緊迫感を保ちつつも
完結に結び付けていく…。
物語、ストーリーとしても
素晴らしい!
と感動しきりでした。

すみません、ネタバレしないように、と
書いているので、未読の方には
なんのこっちゃな部分もありますよね。

…読者の皆様は、そろそろこの漫画に
興味が出てきたでしょうか?

ぜひ、下のリンクからご一読を。
色々と、考えさせられますよ!

最後に、まとめるとするならば。

保育園や幼稚園、また家庭での
「幼児虐待」が、よく話題になっています。

『極悪非道だ、極刑だ、さらし首だ!』
『人間がしたこととは思えない! 悪魔!』
『何かが歪んでいる!』
『なぜこんな奴が、保育に携わっているんだ!』

そう非難することは、すぐにできますよね。

ただ、再びの悲劇を繰り返さないためには、

その理由をこそ突き詰めて、
「なぜこの人は、こんなことをして、
どんな形で保育に携わってきたのだろう?」と
冷静に考えて、対策を練っていくことこそが
大事なのではないでしょうか?


被害を受けるのが人間でしたら、
事件を引き起こすのも、
また人間、なのですから。
(ユガミ先生はばかうけっぽい風貌ですが)

さいおなおさんの
『新卒保育士VS歪んだ愛の先生』シリーズは、
こういうことを考える
思考材料を読者にたくさん
もたらしてくれる漫画、だと思います↓

未読の方も、ツイッターで断片的に
読んでいた方も、ぜひ、どうぞ!

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