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『色男 金と力は無かりけり』という
川柳がありますけれども、

モテモテの人は、とかく
お金や権力(+腕力)が無いもの。
しかし逆に言えば
そういうものが無くても
個人の魅力や言葉、物語に惹かれる、
そういうことかと思いました。

しかしこれは負け惜しみの言葉としても
使われるようで。

「くそっ、あいつは何でモテるんだ!
あんな奴よりも、俺は
お金も権力もあるのに…!」

というモテない人からの
やっかみ、そんな時にも
使われるようです。

本記事では、
お金(財布)や権力(役職)と
個人・組織、そしてその土台にある
言葉や地理・歴史、物語
について
書いてみました。

添付した図をご覧いただければ、ですが、

この図は、以前の記事で
描いてみた図から、
表現を少し変えたものです。

前は「財力」「権力」「文化」などという
堅めの言葉を使ったんですが、試しに
「財布(金)」「役職(力)」「言葉」という
別のものに変えてみました。

もちろん、
「資産には不動産や車もあるだろう」
「役職じゃなくて肩書では」
「文化は言葉ばかりじゃないよ」
そんなツッコミも考えられますが、

いいんです。仮の思考の道具ですから。
読者の皆様の中で自由に
脳内変換をお願いします。

「仮に」このように図示した上で、
考えていきたいと思います。

まず「個人」として考えると。

そりゃあ、財布も役職も充実していて、
しかも言葉も豊かで、
衣食住も承認欲求も精神世界も
満たされている状態が良い、ですよね。
(そうではない人もいるかもですが)

しかし、恵まれた人は一握り。
上には上がいる。
上に行こう、ピラミッドを登ろう、
という人があふれています。
もちろん「上昇志向」が無い人もいますが
無いよりもあった方がいい、
という人が多い。

ただ、日本国内では圧倒的に
日本語が使われているように、
「言葉」は地理・歴史に左右されます。
アメリカなら英語が多い。
中国なら中国語でしょう。

当然、自分が使う言葉によって
その考えも左右される。なぜなら
言葉によって私たちは世界を捉えることが
多いから(全部ではありません)。


優れた音楽や絵が「国境を越えて」
支持されるのも、そういう理由です。
非言語表現は、インターナショナル。
言語はナショナルになりがち。

次に「組織」として考えてみます。

複数の個人が集まってできたものが
「組織」と考えた時、

当然、財布や役職が増えますよね。
スケールが大きくなる。
「日本の首相」となれば権力は大きい。
「アメリカ合衆国大統領」となれば
さらに大きくなる。

ただし、言葉や地理・歴史が
その土台にあるのは、個人と同じです。
もちろん、複数の個人がいる以上、
全員が同じではありません
よね。
たとえ日本の同じ組織の中でも
方言や出身地の違いはあるでしょうし、
国際的な組織の中なら
もっとバラエティに富んでいる。

「…うん、当たり前のことですね。
で、結局、何が言いたいんですか?」

そう思われる読者の方もいると思います。

…意外にこれは忘れられがちだ、
と言いたいんです。


というのも、ついつい私たちは
個人と組織を「同化」してしまったり、
「みんな同じ言葉を使っている」
「地理・歴史がみんな同じ」と
錯覚することが、ある。


そういう側面も、もちろんあります。
例えば「同窓会」。

クラスメイト、同窓生は
同じ学び舎で、同じ歴史を共有してきた
人たち、ですよね。
先生がどうだった、運動会がどうだった、
そんな共有した歴史や言葉がある。

ただしそれは「限定的」なもの。

クラスが同じだった時ですら、
様々な個性があり、違いがあった。
ましてや卒業後は千差万別…。

それなのに、なぜか人間は
「共通項」を求め、つながりを求める。

そういう傾向があるんです。
人はみな、孤独だから。

これも人それぞれですけれども、
同じ出身地とか言葉とか、
そういう人に「親近感」を抱きやすい。
〇〇高出身者とか、〇〇県人会とか、
そういうつながりがあります。
海外で日本人に会った時の感情を
思い浮かべて頂ければ、と思います。

さて、ここまで
私の描いたへなちょこな図を元に
つらつらと書いてきました。
まとめると、こうですね。

◆個人では、金や力は、千差万別
◆組織でも、金や力は、千差万別
◆土台は言葉であり、地理・歴史
◆共通項でつながりを求めやすい

では、本記事の最後に
「問いかけ」に入っていきます。

読者の皆様は、いま、
どんな状態でしょうか?

「財布」は充実していますか?
「役職」はお持ちですか?
「言葉」は主に何を使っていますか?
「地理・歴史」を語れますか?


加えてお聞きしましょう。
読者の皆様の「組織」はどうでしょう?
(家族でも会社でも構いません)

組織の「財布」は充実していますか?
組織の「役職」はどうでしょうか?
組織では「言葉」は主に何を使いますか?
「社内語」を使ってないですか?
組織の「地理・歴史」を語れますか?


個人も組織も「千差万別」です。しかし、
そのことがはっきりと
自覚されていないケースがあるのです。

人は共通項でつながりをつけ、
あたかも他人も自分と同じものだと
錯覚しがちだから。

しかし本来は、家族であっても、
たとえ一卵性双生児でも
脳が個別である以上は、別。
一人ひとり違う。
ましてや赤の他人なら、なおさら。

だからこそ、というのも逆説的ですが。

何かしらの共通項を見出し、
無い場合は「創り上げて」
(悪めに言えば「でっち上げて」でも)
みんなに「共通」の「物語」を作って
団結を作り出す、そんなケースがあります。


…「ロゴ」もそうです。
言葉が違っていてもわかるように
「物語を含んだシンボルマーク」として
団結を促していますよね?

良い、悪いではありません。
そういう傾向があると言いたいだけです。

ただ問題は、そういう「ストーリー」に
自覚的であるかどうか?

無批判に「信じる」「乗っかる」のと、
常に批判的・懐疑的な精神を持ちつつも
あえて主体的に「乗る」のとでは、
雲泥の差が出てきますから。

どうしても、島国である日本では
「暗黙の了解」
「こういうのお好きでしょストーリー」が多い。
「日本語」という曖昧模糊とした
言葉を使う以上、そういう側面が、多い。

SNS全盛、国際交流の進んだ
現在と未来では、そういうものが
次々と白日の下にさらされます。

だからこそ、自分のことを「発信」し、
自分の言葉で「アウトプット」して、

「当たり前」を改めて
ブラッシュアップする
必要がある。

その一環として私は、
「実用地歴提案会ヒストジオ」として
「言葉」のさらに土中の「地理や歴史」を
「言葉」にしたりしているのです。
(小説、というストーリーを作ってみたり…)

最後に、もう一度お聞きします。

読者の皆様の「物語」と、
その土台にある「言葉」「地理・歴史」は?
読者の皆様の組織は?

金(財布)や力(役職)がなくなっても、
自分なりの言葉やストーリーを紡いで、
モテモテになれそうですか?

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