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410字 毎週ショートショート学びの場

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ゼロさん+まろちゃんの410字で、ヒスイの410字もステージアップだ! まなぶ、切磋琢磨、みがく、やりぬく、ひとつあがる。 をめざす。非公開マガジンです。
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#小説

ショート: 顔面重視で遭難し、漂流

美容整形で大金をかけるより、顔自動販売機で 手軽に顔が買える時代到来とは。 「顔より性格…

永遠のにぶんのいち、あげる。

栞はその時、読んでいた本の言葉を 思い出していた。 「ひとが、存在していることの根っこに…

ショート: 美しき愛しい姉

橋りょうや日陰のカーブ又は勾配に置いてある 塩化カルシウムを回収しておいた。 衣装ケース…

なにをみても、きっと何かを思いだす。

ほら、あそこって雲の辺りをきみは ゆびさしている。 きみのほらがどこなのかわからない。 …

理由もなく好きになる。

すきな音楽はふいにどこからか理由もなく 訪れてくれるとうれしい。 調律師の尾斗はいつもそう…

人生いっつもミスマッチング。

ゴートゥザヘルって叫んだ。 ただこらしめたい、従属系のしがらみから 抜け出したいだけだった…

ショート: 儚さを牛丼と流し込もう

今どき、マッチングアプリがあるのに、 合コンが存在する。そして、数合わせに呼ばれる。 私がお調子者なのか、噛ませ犬なのか、 深く考えるだけ惨めになり、 今日も営業で培った陽気さは、場を盛り上げる。 これでいいよね? 遠慮がちに微笑む友人は、金魚の尾鰭みたいな 優雅さを際立てる服で、女を強調させ、 普段は大口を開けて笑う姿が、ここにない。 あざとさはスキルだから、あざとく見えないの。 だからといって、性格の良し悪しまではジャッジ できない。 土壌改良のように、場を和ませ

最後の天使がそこにいた。#ショートショート

むだなものほど、人生を豊かにする そんなことを言っていたのは いにしえの話だ。 今はむだ…

ショート: 平和だよな、この国は

テレビをつけると、司会者や論客が社会問題だと 唾が飛んできそうな勢いで討論していた。 別の…

恋を失ったら墓にゆく。#毎週ショートショートnote

わたしが失恋墓地に埋葬されたのは もうずいぶん昔の話だ。 鯉が島のはずれにある林の中の …

嫌われているものも、美しいものは美しいと思うクリスマス。

宿命的に漆黒の冬をもち、はかない夏はなにより 自然とふたりきりになりたいと願う人々が暮ら…

ショート: SNS映えカラス

トナカイは絶滅危惧種で酷使できず、 サンタ会議で、頭を抱える者もいた。 トナカイに似た色…

穴の中の君に贈る言葉。#ショートショート

魂は、みえないでしょ。 僕は最近、たましいってこんなふうに しわくちゃで。 道端に放置され…

ショート: 優しさと暴力

呼び出しを食らった私は、 目の前で自分の悪口を聞かされている。 雑で、理解力がなくて、大嫌いなんだって 聞かされている。 「優しい人が沢山いる世界は、君みたいな外道はいないんだ」 小春日和は窓からカップに影を作り、 余った光が蜃気楼のように揺れていた。 眼に浮かぶ魚眼レンズで、徹くんを正視できない。 穴の中の君に贈る、私からの言葉を飲み込む。 徹くんは「互いに理解できるはず」という前提で 私と接して、結局は理解し合えず幻滅し、 次第に敵意へ変わった。 「自分と異なる