「俺の上に、鋭利なちくわを。永遠の休息を」ヒスイの毎週ショートショートnote
あの日、おでん屋に入ったのがいけなかった。
ちくわと大根を頼んでから2分後に、地獄が始まった。
冗談じゃないんだ。この国の上で異様な爆弾が爆発して、国民はほぼ死滅した。俺が生き伸びたのは、おでん屋のおやじが俺にかみついたからだ。
血が出た。思わずちくわをつかんだ。
何か、すごく大切なものが俺の中から消え失せた。
おやじはニヤリと笑い、
「我が眷属よ、生きよ」と言った。
おやじの胸には、窓枠が杭のように刺さっていた。
次の瞬間、砂となって消え失せた。
そして世界は、第三