「友情の総重量・微増。銀メダル一個ぶん」ヒスイの毎週ショートショートnote

私とアイコは幼なじみ。
4歳で同じ柔道教室へかよい、
14歳でいっしょに黒帯になった。

私たちの友情は、柔道着と同じ重さ。

二人とも柔道が好きで、誰にも負けたくなかった。
アイコは言った。
「誰かに負けたら、黒帯を返却ね」
「わかった」

私たちは無敵の二人組になった。

そして、私は誰よりも、アイコに負けたくない。
アイコもそうだ。

いつのまにか、私たちはお互いをこの世の誰よりも
嫌うようになった。

道場で会っても声をかけない。
相変わらず無敵の二人だけど、友情の重量はゼロになった。

私たちは強化選手に選ばれ、オリンピックへ行った。
私は初戦敗退。アイコは準々決勝。
相手の技が決まり、もうすぐ時間切れ。
私は思わず叫んだ。

「アイコ！負けたら黒帯返却だよ！」
アイコはニコッと笑った。その瞬間、大内刈りが決まった。
歓声が沸いた。


私たちの友情には重さがある。
最近、総重量が増えた。銀メダル一個ぶん。

４年後には、もう少し増えると思う。
私の金メダルぶんだ。

さあ、練習だ！

【了】（改行含めず415字）

本日は　たらはかに　さんの #毎週ショートショートnote 　に参加しています。
お題は「友情の総重量」

へいちゃんは、こんな感じです！
「重量」感がよくでているよなあ

明日はシロクマ文芸部の日です。
まだお題もチェックしてません(笑)
見てこようっと。


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