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#8【伝統工芸の危機】古の智慧を「受容」、現在に「啓蒙」、未来へ「伝承」が急務

おはようございます。
袈裟や仏具の企画販売することを通じて豊かなものを拡げていきたい
久柳-くりゅう- の 昌子久晃(しょうじひさてる)です。

※サムネイル画像はnoteクリエイター画像の「和える」さんから拝借したものです。今回の記事の内容とも、ひじょ~~~うに親和性の高いお取組みをされておられるので、是非よかったら覗いてみてくださいね


さて、
5/5付日本経済新聞の記事です。

どうやら伝統工芸がヤバい

  • 2050年には現在から職人が4割減少する

2020年度の職人の数は3730人と10年間で16%減った。このペースが続く場合、職人の数は50年代に現在から約4割減の2000人程度まで減ると推計される。1990年度には約20万人いた従事者も、50年代には約2万人と10分の1にまで減るとみられる。

担い手が減り続ければ、地域によって伝統工芸が消滅する可能性もある。分業制で原材料や用具の作り手、流通業者など関連産業の裾野も広いだけに、地域経済への影響も小さくない。

5/5付日本経済新聞朝刊より
  • 生産額はピークの8割減

国が指定する西陣織や備前焼などの「伝統的工芸品」(241品目)の生産額は20年度に870億円と1980年代のピーク時と比べて8割強減った。日本の人口が2050年代に1億人を切るなか、国内市場のさらなる縮小は避けられない。

5/5付日本経済新聞朝刊より
  • その他課題が山積 売り手の私たちはやることをやってきたか?
    ・職人の高齢化
    ・認知度の低下★
    ・和風離れ など、数字に表れにくい課題も山積み。
    ★の「認知度低下」については自戒を込めてでもあるが、私たちのような「売る側」の人間が、安易に「売ること」に走ってきたしわ寄せがきている感は否めない。つまり、大量生産大量消費社会の台頭により、化学製品であったり、機械生産による安価品、言わば売りやすい商品に流れてしまった背景があることは反省しなければならない。
    本来の私たちの目的は、「伝える」こと。それを怠ると、職人さんに代表される作り手さんは廃れる。そうすると、作り手さんは直接エンドユーザーに伝えることをする。それを問屋は「中抜きだ」と批判する。なぜそうなったかの理由は棚上げして。
    (この話は熱くなるので、別途機会をみて一記事にします)

明るい兆しにも目を向けてみよう

女性の職人が増加傾向

最近は新たな担い手として女性職人の存在感が高まっている。女性の割合は20年度で16.5%と、20年前から約6ポイント上昇した。

5/5付日本経済新聞朝刊より
  • 職人が経営の知見を取り入れるようになってきた
    職人は経営・営業に不得手と言われる。高い技術を持ちながらそれを企画・マーケティングす・アレンジする力がなく、埋もれるケース散見される。伝統工芸産業が栄えたころは経営力不足を需要が下支えしていたため、表面的にならなかったが、そうも言ってられなくなってきた。
    様々な知見を持った外部パートナーとの接点を持つ機会も増え、職人さんが一人で考る状況は以前より減ってきている。

  • 販路を海外に、インバウンド需要の喚起
    いわずもがな。伝統工芸の世界に限らないが。

どうアクションを取る?

  • 前項目からの続きで、インバウンド・海外需要をどう取り組むか
    地域の職人さんの活発になることは、すなわち地域振興の観点からも利が大きく、観光資源となり、インバウンド需要との相乗効果も見込める。

  • 個人的にシビれた考え方
    放置竹林に悩ませる地域の一つである山口県にて、素材としての竹の活用方法に取り組むエシカルバンブーがある。
    竹から繊維を取り出し、服を縫うことはできないか。
    聞こえはいいが、もちろん簡単ではない。

大量につくることは目標にしない。
(略)
大量生産する中国や東南アジアと比べるとコストはかかる。
ある程度の価格設定をしないと、川上から川下までの人の生活が成り立たない。日本の森を守るための製品です」(代表の田沢さん)

5/5付日本経済新聞内特集 NIKKEI The STYLEより

マザーハウスにも同じような考え方がありますね。
川上から川下までの人の生活が成り立つための、価格設定をする。
なかなかできることではないですよね。
原材料の生産者さんから、作り手さん全ての人の責任を負って売る。そう考えれば簡単に値を下げられないですよね。
値切られた時の返し文句、整いました。

  • いかに魂をつなぐか
    職人魂=クラフトマンシップ、いかに後世に想いをつないでいくか。
    職人さんの話、面白いですよ。かっこいい人いっぱいいますよ。
    触れる機会、私たち売り手もどんどん作っていかないといけないと思います。

    紹介した、日経記事に
    「伝統工芸に対して、国の支援のさらなる強化も求めたい。」
    とありましたが、安易に補助金の類に頼り、流れることには反対です。「自らのエンジンでどうマネタイズするか」を考える機会を少なからず逸するからです。この考え方は、地方創生の文脈でズバズバ切り込む狂犬の異名を持つ木下斉さんのお考えに基づいています。
    ブルースリーよろしく、「補助金に頼るな!考えろ!」です。

    はい、僕らも考えていきます。



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