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企画を考えていて「これビジネスになるの?」「ビジネス性検討して」って聞かれた時にまず読んでほしいコト(売上側検討編)

こんにちは。普段、新規企画の事業計画などを作っています。中野です。
私の会社には、優秀なサービスデザイナーやUXデザイナーが沢山いて、日々面白いアイデアを出しています。

そんな彼らですが、「ビジネスモデル作って?」とか「事業性検討して?」と言われるのはあまり好きじゃないみたいです。
でも、ビジネスモデルとか、事業性を考えるのって、実はデザインと同じようなもんだと思うのでとっつきやすくなってもらうためにも、困ったらまずこれを読んでみてください。
まず大前提ですが、ビジネスは「誰かからお金もらって誰かにお金払う」のです。当たり前ですよね。そんな当たり前のことが、難しいわけないのです。今日は、とりあえず「誰からお金もらう?」って考えるときのコツを書いておきます。

【売上編】「事業性検討して」と言われた時にまず考えるステップ

  1. 検討中のサービスをすでにやっている会社はある?

  2. あった時→その会社との違いって作れる?

  3. なかった時→このサービスで嬉しさを感じる人は誰?

  4. 嬉しさを感じる人は、いくらくらい払ってくれそう?

1.検討中のサービスをすでにやっている会社はある?

ビジネスモデルの検討をする場合、真っ先にこれをやりましょう。
なぜか、それは「世の中のサービスで自分ごときが思いついているものなんて大概誰かがすでにやっている」からです。
また、ここで、例えばすでにやっている会社があっても落ち込むことはありません。むしろ、その市場に見込みがある根拠と思ってポジティブにとらえましょう。

2.類似サービスがある時→その会社との違いってつくれる?

類似サービスがあった時は、以下のことをここでやりましょう。
1、既存のその会社のビジネスモデルを参考にして、一回自分のサービスを当てはめてみる。
正直、商品やサービスが類似サービスの会社より優れていたり、商圏がかぶらないのであれば、ビジネスモデルは同じものでいいのでパクりましょう。※ビジネスモデル特許なるものがあるので、そこは注意!
2、その会社との商品やサービスの違いが作れない場合
自分の考えているサービスよりもいいサービスがすでにあった!どうしよう。そんなときは、こんなことを考えてみてください。
A,とっととあきらめる。(忘れがちだけど結構大事な選択肢)
B,商品やサービスの魅力を上げる(これ、正直めっちゃ大変だと思います)
C,その類似企業のターゲットと別のターゲットを探す(オススメ)
すでに、競合がいたり、寡占状態の市場だった場合、まずマーケットの選定が間違っています。なので、自分の商品やサービス、ペルソナとよく向き合ってください。
そしたら、別の市場にも同じペインを持つペルソナがいるかもしれないし、市場があるかもしれません。
市場もない、商品もサービスも差別化できない場合は、どれだけビジネスモデルが優れていても、長く続かない、または疲弊するサービスなので、とっととあきらめてください。企画した時間は無駄にはなりません。あなたの財産です。次、頑張りましょう。

3.類似サービスが無い時→このサービスで嬉しさを感じる人は誰?

類似サービスが無い場合は、少し頭を柔らかくする必要があります。
類似のサービスが無いということは、マーケットや成功事例がないため、道に迷いやすくなります。そんな時にはまず以下をやってください。
A,サービスが提供する価値を最も受けるのは誰か?
例えばスーパーマーケットの場合、大根を手に入れることで価値を受けられるのは手に入れた本人なので、その人からお金をもらうのです。
また、例えばAmazonやウーバーイーツのようないわゆるプラットフォーム提供型の企業の場合は、「出店コストが下がったり、運営維持費が下がる」「顧客が増える」などのメリットがお店側にあるので、お店がプラットフォーマーにお金を払います。
このように基本的には、「そのサービスの価値を最も受ける人」からお金をもらうのです。
B、価値を受ける本人からコストが取れない場合
でも自分たちがやりたいサービスがその人たちからお金が取れない場合もありますよね。例えば「バス停に屋根を作りたい」と思ったとしましょう。
この場合、実際に価値を享受するのは乗客ですが、乗客からすでにもらっている運賃の利益はバスサービスの運行管理に優先的に使われます。
なのでバス停に屋根を立てて、もっと利用者に便利に使ってほしい。
と、なってもその価値を享受する乗客からはお金を直接もらうことは非常に難易度が高いです。要は値上げに納得してもらわないといけません。
そこで、その屋根のついたバス停の壁に広告を張ることで、
「お客さんがゆっくりとバス停で過ごす事で、じっくり自分たちの広告を見てもらいたい企業」からバスの屋根のコストを広告費という形でもらうわけです。
説明は少し難しいですが、
「誰かが喜ぶことで、実は喜ぶ人を探す。」ということです。
例えば、夫婦のパートナーの年収が上がった場合、上がった本人が一番うれしいですが、たぶんその相手もうれしいですよね。その人探してください。

これで、自分のサービスにお金払ってくれる人見つかりましたね。
あともう1歩です。

4.嬉しさを感じる人は、いくらくらい払ってくれそう?

正直「いくら払ってもらえるか」なんて商品やサービス出してみないとわかりません。類似事例がある場合は、それが大体の相場かなーとか思ったりしますが、実はめっちゃずれてる。とかもありますし。

なので、ここはカンでいいです。正直根拠とか適当でいいです。
多分リリースまでにFGIとかするし、最初は競合サービスの価格でも入れておいてください。もし競合がない場合は、「自分だったらいくら払うか」を思いながら数字入れておいてください。
上司を納得させてサービスの設計フェーズに移行できれば、あとはお客様に育ててもらうので強気に書いといてください。
気が向いたらコスト算出編でも書く時に説明しますが、赤字じゃなきゃいいです。※サービスや商品の特性によっては赤字でもいい場合があります。例えば、CSR系の事業とかね。

まとめ

これでビジネスモデルの半分はできましたね。いやーよかった。
ビジネスモデルというのは、「売上‐コスト=利益」をいかに美しく描くかです。
そしてこの美しさは、「矛盾がないか」「持続可能か」「誰かを傷つけたりだましていないか」などの基準により評価されていると思っています。
間違っても、「誰かをだましてでもたくさん稼げるか」なんて基準では評価されてないと私は思っていますし、もうそういう時代ではないです。
なので、一度あなたがサービスを届けたい相手を考えて、その人をどうにかして一番喜ばせられる方法を考えてあげてください。
上では長々、説明しましたが、
「自分の商品やサービスで相手が感謝するほど満足して継続して利用する」
事ができるようにするのが最高のビジネスモデルです。
サービスデザイナーや、UXerの皆さん、「ビジネス」や「事業」という言葉に惑わされずに、「相手」を喜ばせてあげてください。

では、次はコスト検討編で

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