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卒論・修論研究の攻略

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卒論・修論研究に挑もうとする学生さんにおすすめの記事をまとめていきます。諸先輩方がどう挑み、いかに悩み、どうやって乗り越え、何を学んだのかを知ることで、経験値を積んだような状態で…
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2022年12月の記事一覧

論文執筆の方法「研究課題とは?」

国内の院生は、少なくとも自ら設定した一つ以上の「研究課題:テーマ」に関して論文を執筆する必要があります。今回は「どうやって」を研究テーマを設定するべきなのか、その進め方に関して考察したいと思います。 院試で設定した研究課題は変えざるを得ない我々院生は入学試験の際、必ず研究計画書を提出し、その内容を面接で発表 するといった関門を突破してきました。しかし、修士課程入学前に作成する研究計画書は、基礎・専門知識がほぼない状態で執筆することが多く、その内容は実質使えない場合が普通とさ

修士論文が一番きつい

修士論文を絶賛書いていますが,なぜかわかりませんが,卒論より圧倒的にきついです. 修論が一番きついっていうのはよく聞くけれど,何が原因か今の自分の状況と照らし合わせて考えると, ①卒論はリサーチ不足,考え不足,データ不足が当たり前(周りも)で,怖いもの知らずで何でも書いてしまえていた(から楽にかけた) ②修士課程の2年でできることなんてたかが知れているのに,自分の研究テーマについて荒削りなレビューがなんとなくあるから,自分のやりたいこととのギャップに苦しみ,書けない. ③卒論

卒論・修論のテーマの選び方/時代性との距離感

佐藤ひろおです。会社を休んで早稲田の大学院生をしています。 三国志の研究を学んでいます。 ぼくは修士論文の準備をしていますし、周囲の学部生は卒業論文の準備をしています。基本的に、指導教員が「いいよ」「仕方ないね」といえば、卒業論文のテーマ、修士論文のテーマは自由です。しかし、「テーマは自由だああ!!」と言われても、ぎゃくに困るわけで。 特定の先生に言われたわけではないが、ぼくが何となく複数の先生たちのしゃべりを聞いて思った、卒論のテーマ選定のコツを書いてみようと思います。

私の卒論のテーマと、執筆を通じて学んだこと

はじめまして、あるいはご無沙汰しております。F^−(ふっか)です。 今回は、アドベントカレンダーなるものを書いてみようとふと思い立ち、ちょうど卒業論文もひと段落ついたのでそれについて(振り返りも兼ねて)書こうと思います。 特にこれといったプロットもなく、書きたいことを書きたいように書き散らしていくつもりです。また、専門用語についてあまり説明をしておりません。この2点についてご容赦ください。 私の卒業論文のテーマ一口に卒業論文といえども人によってテーマは様々です。私は日本語・

卒論ひとり反省会()

私事ですが、現在大学4回生で、この間卒業論文なるものを提出しました。 ですが、これで卒業確定したわけではなく、口頭試問なるものが二月にあるようです😵‍💫 まあ、出してしまったものはしょうがないので、一旦全てを頭から放り出し、一息ついてこんなものを書こうとしているわけです。 かれこれ一年近く取り組んだのですが、提出までの軌跡を辿ると、ダメ人間エピソードが多すぎて悲しくなってきます。 ただ、今までの大学生活の中で「論文」といえるものを書いた経験などない中で、1発目から、卒業

卒論の「おわりに」の書き方を作者の例と共にわかりやすく解説

 今回は、卒論のおわりに(終章/まとめ)の書き方をわかりやすく解説していきます。「おわりに」で押さえておくべきポイントは以下の5点です。  下記は作者の結論の例です(もっと書いておりますが、中略です)。 結論 ナボタス町サント・ニーニョ村のフィリピン人海外労働者 103 名に聞き取り調査を行った結果、トラブルの無い海外就労と関係が見られたのは、友人との会話と Direct Hiring(渡航先のエージェンシーや会社を利用して仕事を得ること)のみであった。  但し、Dir

発表スライドを『作る前から』使える3段階のチェックリスト

発表をスライド形式で行う場合、話の論理展開をスライド構成に反映させる努力が欠かせませんが、闇雲に挑むと大変です。この記事では、 スライド作成ツールを立ち上げる前 個別スライドを作るとき スライド枚数が出揃ってきた後 の3つの段階でのチェックに使える項目を紹介します。 ※この記事は著者のブログ「駆け出し研究者の研究技術入門」のリライト版です。 スライドを立ち上げる前「発表資料を作ろう!」と決めたときにまずやるべきことは、Powerpointなどのスライド作成ツールを開

論文とは何か?

はじめにこの文章は、拙著『卒論・修論研究の攻略本(森北出版)』の初稿には書いていたものの、テンポ重視で割愛することにしたものです。たたき台として書いた初稿ですので推敲等不十分ですが、そのまま掲載しています。 割愛した『論文とは何か?』のセクション論文は「挑戦を後世に引き継ぐために紡ぐ物語」である 卒業研究・修士研究の締めくくりは、論文の執筆です。いくらよい研究を進めたとしても、論文を執筆して受理されなければ卒業・修了はできませんから、誰しもが論文を書くことになるでしょう。

論文の自己流の書き方 3/3 (wordに書き出す編)

こんにちはKazuです。 前回、前々回に引き続き論文の自己流の書き方をまとめます。 今回で最後になります 前回までの工程でパワーポイントに論文の雛形は出来上がっています。 最後の仕上げとして、論文の雛形をwordで書いていきます。 前回に引き続き前提として以下の事を主張したい論文とします 目的:ある新規手法を盛り込んだAというモデルは、従来のモデルBよりもある骨腫瘍Cの鑑別性能がいいはずである これを証明したい 言いたい結論:Aというモデルは従来のBモデルよりもあ

論文の自己流の書き方 2/3 (パワーポイントに書き出す編)

こんにちはKazuです。 前回に引き続き論文の自己流の書き方をまとめます。 前回は紙に書く編をご紹介しました。 紙に書く際に大事なのは、とりあえずざーっと迷わず書きたいことを書いて論文の全体像を自分の中で作成することです。 そして今回は紙に書いた内容をパワーポイントにまとめる作業をしていきます 全体としては3段階に分かれています。 ①各セクション(イントロ、方法、結果、考察)ごとに内容をパラグラフに分ける ②各パラグラフで最も言いたいことを決める ③最も言いたいことを

[見本付き]実践的な論文の書き方 -設計からしっかり3工程で-

論文を書き上げるのは大変な作業です。大切なことは、細かく書き始める前に「構造の設計」と「骨格の組み立て」を済ませておくことです。この記事では、論文の骨格である【アウトライン】を設計して組み上げて、ある程度の文量のある論文を作り上げるまでの工程について解説します。 ※この記事は著者のブログ「駆け出し研究者のための研究技術入門」の過去記事のリライト版です 論文を書く3段階の工程論文を実際に書いていく手順は、建築物を建てていく手順をイメージするとよく理解できます。建物が組み上げら

論文執筆の『建築基準法』 -守るべき3つの基本ルール-

建築物に対して『認可されるためにはこの形式で建てなさい』という建築基準法があるように、論文にも『受理されるためにはこの形式で書きなさい』という基本ルールがあります。この基準を守らなければ、提出先に認可されませんし、好まれず、また信頼して読んでもらえないおそれがあります。この記事では、論文を書くうえで知っておくべき3つの基本ルールを、建築のルールになぞらえて紹介します。 3つのルールこの記事で紹介するルールは「①外観基準」「②構成基準」「③構造基準」です。下の図をみてください

修士論文のスケジュールと所感と

修士論文を書き終えました。いや〜無事提出できてよかったです。色々と大変なことはありましたが、なによりも提出期限が12月6日とやけに早かったので、それに間に合わせるようにスケジュールをたてるのがいちばんの課題でした。 学部の時は2月提出だったので余計に早く感じました。 情けないことに、つまらないミスで2回も窓口で弾かれました。博士課程の願書にミスがあったことと、予め出していた題目と「大文字小文字が違う」という理由(!)で。 僕は時間に余裕を持ってやってたので間に合いましたが

サッカーで理解するラボ内研究発表会での学び方

細かい内容について少人数(もしくは1on1)で議論する研究相談会とは別に、研究室メンバー全員の前で学生さんが進捗状況を発表する研究発表会を定期的に実施している研究室も少なくないだろうと思います。この記事では、研究室内での研究発表会を【サッカーの練習試合】だと捉えることで、この発表会がどのような機会であり、またどのような学びが得られるのかをすっきりと理解できることを説明したいと思います。 ※著者はサッカーは素人ですので細かい点の語弊はご容赦ください… 研究発表会の形式著者が見