スイーツ門司

実験的研究・介入研究とは

veryshortな備忘録代わりのメモ.
今回は「実験的研究・介入研究とは」について.

実験的研究は,医学領域では介入研究(臨床試験)という表現を用いることが多い.治療効果を検証する研究であり,以下のように様々な実験的研究デザインがある.

■前後比較試験
■クロスオーバー試験
■非ランダム化比較試験(Nonrandomized Controlled Trial)
■ランダム化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)

1)前後比較試験
前後比較試験(Before-after study)は個人または集団を対象として,介入前・介入後の2回以上の観察を行って比較する方法である.プレテスト・ポストテストデザインとも呼ばれ,臨床現場では比較的使用しやすいデザインである.

例えば、治療開始時の評価所見と治療終了・退院時の評価所見を比較するような方法である.しかし,観察者の主観を排することが困難という指摘がある.

2)クロスオーバー試験
クロスオーバー試験(Cross-over study)は,交差試験,交互試験とも呼ばれる.同一の対象に異なる治療・介入法を交互に行い比較する方法である.

少ないサンプルサイズで実施可能であり,臨床現場で実施しやすい.また,比較的エビデンスレベルが高い実験的研究デザインといわれている.

クロスオーバー試験には以下のような留意点がある.研究計画立案の時に注意したい.

■治療・介入順序はランダム(無作為)にすることが望まれる.
■各介入の間には治療効果が消失するのを待つための期間(wash-out period)が必要である.
■治療の効果が見られるまでに時間がかかったり,その効果が長期間つづく場合には用いられない.
■比較的症状の安定している慢性の疾患で,治療中止後は基準値の状態にすぐに戻る場合に適している.
■自然治癒傾向の大きい急性疾患には不適当である.
■仮説検定;正規分布であれば対応のないt検定を選択する.

3)ランダム化比較試験と非ランダム化比較試験
ランダム化比較試験はRCT(Randomized Controlled Trial)といわれる.RCTは高いエビデンスレベルに位置づけられ,臨床治験(人を対象とした新しく開発された薬の効果判定)などはこのデザインで実施される.

ランダム化,盲検化によって多くのバイアスを制御している研究デザインであるので,不確定要素が排除されたエビデンスそのものの妥当性が高い(=内的妥当性が高い)という長所がある.しかし,研究対象者が現実の患者集団からかけ離れてしまうため,研究結果の臨床現場での当てはめが難しく,慎重な吟味が必要(=外的妥当性が低い)という短所もある.

RCTはランダムサンプリング(無作為抽出)によって対象者を2つ(以上)のグループに割り当て,片方には治療法A,もう片方には治療法Bを行い,従属変数(例えば,痛み,筋力,ADL能力など効果を表す指標)の比較をするものである.

非ランダム化比較試験は,2つのグループに分ける際に無作為ではなく恣意的に割り付けている研究デザインをいう.RCTと比べエビデンスレベルは低くなる.

研究法の詳細は以下の記事をご覧くださいませ.
↓↓
ひさのメモ①研究法の基本
https://note.com/hisanpan/n/n73440b049333

ひさのメモ②文献レビュー
https://note.com/hisanpan/n/nd0a2ededd080

ひさのメモ③研究に必要な統計学の基礎
https://note.com/hisanpan/n/nfb2155ab938b

ひさのメモ④観察研究(調査的研究)の基本的方法論
https://note.com/hisanpan/n/nc23d87420257

ひさのメモ⑤介入研究(実験的研究)の基本的方法論
https://note.com/hisanpan/n/n482fcde9ecbb

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博士(保健学).専門作業療法士(認知症).県立広島大学教授.Web「ひさのラボ」🌏https://peraichi.com/landing_pages/view/hisano-lab
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