記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

ドラマ城塚翡翠ロス&ひすまこロスを耐え忍ぶコツ

視聴者を最後まで騙し続けたミステリードラマ invert 城塚翡翠 倒叙集 - 霊媒探偵 - 日テレ は、数々の衝撃的な展開や素晴らしい演技の数々、思わず見惚れてしまう映像美などがあって、歴史に残る名作ドラマと言えるのではないでしょうか。

私はこのドラマの魅力に、つま先から心の奥まで魅せられてしまったので、本日の最終回が過ぎてしまい呆然自失の城塚翡翠ロス状態です。明日からどう過ごせばよいのか?と考えた時、これまでも何度も観返してきて、この作品は注目すると、より面白く観られる7つのコツがあることを思い出しました!

みなさんにもこんなところを意識して、この作品を楽しむと「えっ!? そういうことだったの?」などと新たな驚きが発見できるかもしれません。私もTwitterを中心にいろんな見方を教えてもらって、より一層、楽しんで観れました。ありがとうございました。

ドラマ城塚翡翠の情報は公式サイトから、全話視聴は Hulu からできますので、ぜひご活用ください。

ここから先はネタバレがたくさん含まれていますので、まだドラマを観ていない方は、閲覧をご遠慮ください(今すぐ戻るボタンを押しましょう!)。

ドラマを観てない人は、絶対にこの先に進まないでください!

コツ1 香月の推理ミス、見落としを楽しむ

前半5話までの「透明な悪魔」編では、3件の殺人事件を翡翠(清原果耶)と香月(瀬戸康史)が協力して、少ない証拠から素早く殺人事件を解決していきます。香月は優れた推理力で謎を解き明かしていくのですが、致命的な見落としを3回してしまっています。

翡翠はすべてを完璧に読み切っていて、この香月との差を楽しむのが1つ目のコツ、ポイントです。この差が #5 の解決編で香月が受ける衝撃に繋がります。それぞれ例を挙げてみたので、これらをヒントに彼らの差を確認してみてください。

  1. アイスコーヒーの入ったグラスが砕けたのは、どのタイミングだったのか? (#1 Iced Coffee)

  2. 謎のマークはどうやって机の上に描かれたのか? (#2 Grimoire)

  3. 2人目の被害者のスカーフは、なぜほどかれて足元に落ちたのか? (#3 Scarf)

コツ2 映像のアラ探しを楽しむ

ちょっと悪意ある見出しで申し訳ないですが、カットが変わった瞬間に微妙に状態が違っている映像がいくつかあります。この違いを楽しみ出すと完全にマニアのレベルですね(笑)。

制作者が意図的にやっている場合もあれば、撮影手法やタイトなスケジュールの結果で起きてしまったものなどもあるでしょう。これらはマニアが知る一つの喜びとして、楽しむ分には良いのかなと考えています。私がいくつか気づいたポイントを挙げるので、ご参考にお楽しみください。

  1. 謎のマークの形が場面により異なる(#2 Grimoire)

  2. 1人目の被害者の表情が場面よって異なる (#3 Scarf)

  3. 透明な悪魔8人目の被害者の死亡推定時刻が2種類ある(#4 VS.Eliminator Part I)

  4. 鐘場(及川光博)が大量に出てしまったタブレット菓子を一気に食べる(#4 VS.Eliminator Part I)

この時、いつも以上にドバッと出てしまったようです(笑)この後の鐘場の表情が普段とちょっと違うかも。

コツ3 具体的な日時や期間を追って楽しむ

作中では日付が意図的に目立たないようにされているのですが、ほとんどの話で具体的な日付や期間が特定できます。下の図は各話の時系列を示した図で、グレー塗りの矢印で示した話は日時や期間の特定ができました。日付は伏せてありますので、ぜひ特定してみてください。

ドラマ城塚翡翠の時系列

この物語が起こっている時期は、2022年6月から2023年12月までの間です(倒叙集はこれから起こる未来の話で、ふたご座流星群がピークになる日時もピッタリです)。ぜひチェックしてもらいたいのは、透明な悪魔による9人目の被害者の死亡推定時刻です。この時の状況が分かると変態シスコン野郎の恐ろしさが、より一層際立ちます。。。私は想像しただけでゾ~ッとしてサイコパスの恐ろしさに震えました。この出来事は、翡翠が「透明な悪魔」を一刻も早く捕まえなくては!と決心した理由の一つだと考えています。

日付の調べ方ですが、ホワイトボードやプロジェクターに映った情報、遊園地のチケットのアップなどで分かります。頑張って探してください!

雨野天子(田中 道子)が被害者情報を確かめるシーン

コツ4 翡翠の隠れた「協力者」を探して楽しむ

最終回(倒叙集 #5 信用ならない目撃者 後編)で明らかになる「協力者(若月佑美)」ですが「透明な悪魔」編から、しっかりこっそり何度も登場しています。実にミステリー作品っぽいイタズラ心のある演出です。

翡翠の「協力者」がどの場面で、どんな役割を演じていて、どんな目的を果たそうとしているか?を考えてみると面白いです。出演している各話最後に流れるクレジットもチェックしてみてください。

コツ5 盛り込まれているホームズや古畑任三郎ネタを楽しむ

シャーロック・ホームズは、アーサー・コナン・ドイル著の偉大な推理小説シリーズの主人公ですが、彼は推理する過程で、魅力的な名言や印象的な立ち振る舞い、ちょっと憎らしいキャラクター像を見せたりします。

ミステリー作品の定番演出ですが、そのホームズの名言や立ち振る舞いを作中に盛り込むことで、より多くのミステリーファンを楽しませています。ドラマ城塚翡翠でも、その演出が行われています。

  1. 翡翠のキメポーズ、ホームズハンド

  2. 真(小芝 風花)のクルマのナンバー

  3. 翡翠が推理できるとやるバイオリンを弾くマネ

  4. ホームズのセリフ引用

また、代表的な倒叙ミステリーであるドラマ古畑任三郎、レジェンド級の刑事ドラマ相棒からも、オマージュされてるセリフや行動を翡翠たちは行っています。私は古畑任三郎のDVDを持っておらず確かめられなかったのですが、原作者の相沢沙呼さんの Twitter で時々つぶやかれていましたので、相沢さんのツイートをチェックしてみてください。

コツ6 ため息が出るような映像美とソフトクリームを楽しむ

このドラマは映像や風景、効果音とかが、飛び抜けて美しいミステリー作品だと思いました。香月が毎回、ご遺体を山中に遺棄するのでロケの移動が大変だったという裏話もあるようですが、風景や背景が美しくて、眺めるだけで癒されるという魅力もある作品だと思います。

何度か登場するソフトクリームですが、これも何かのテーマを表しているのでは?などと深読みしてます。ソフトクリームは美しくて甘くて儚くて脆い、まるで「生命いのち」のようなスイーツですから、そんな意味が込められているのかもしれないですね。

コツ7 そして全員が嘘をついているのを楽しむ

ミステリー作品なので当然ではありますが、登場するほぼ全員が何らかの嘘をついています。前半の「透明な悪魔」編では、天子さん以外の全員が嘘をついています(笑)。主人公の翡翠や真ですら嘘をついて視聴者を騙したのが、この作品の斬新さなのかもしれないですね。

何度も観返していると、その嘘が美しいのか、醜いのか。悲しいのか、苦しいのか。いろんな見え方でとられるようになってきてヒューマンドラマとしても楽しめます。

倒叙集の最後の方では、翡翠と真の間にすら越えられない、越えさせない溝があって、美しいばかりではない人間関係を絶妙に描いています。だけど本心では、とてもお互いを想い合っている素敵な関係なんですけどね。…かわいい。

私が最も印象的だったのは、末崎先生(星野 真里、倒叙集 #2 泡沫の審判)が付いた嘘でした。社会人になると日々の中で、正しさと苦しさの間で苦悩することが良くあることだと思います。そんな想いが積み重なって殺人を犯してしまい、それでも自分は正しいことをしたんだと、自らを奮い立たせていた姿が印象的でした。最後の、子供たちと向き合った場合の正義に、完膚かんぷ なきまで打ちのめされたところも含めてですが。

城塚翡翠ロスやひすまこロスに耐える7つのコツは以上です。しかし物語に織り交ぜられる、ひすまこのイチャイチャ感はかわいくて最高でしたね。

本格的なミステリー作品となると、犯人との息が詰まる緊迫した場面がたくさん出てきますが、ひすまこのゆるふわ感にホッとさせられて、残忍な殺人犯と対峙する彼女たちにもリラックスした日常があるんだよな〜と分からせてくれる、このドラマの大きな魅力がこれらのシーンにあると思います。後日談としてピッタリの「城塚翡翠の平穏(原作者 相沢沙呼さんのnote)」をぜひご一読ください。

ひすまこのゆるふわ感、素敵でした!

最後となりましたが、コツ1~7以外の作品周辺には2つの特長があって、1つは途中でドラマのタイトルが変わった事、もう1つは各種SNSを積極的に使って毎日のように情報発信やリアルタイム視聴を実況したこと、この2つの視聴者を大いに楽しませてくれた仕掛けがありました。撮影中の出演者たちのトークや裏話を聞きながらドラマを楽しめるなんて、時代が一歩進んだようにも感じました。

この作品を楽しむコツやネタは他にもあるんですが、今回はここまでとさせてもらいます。見どころをふんだんに盛り込まれている作品なので、とても書ききれません。

翡翠ファッションとか、真ちゃんの変なTシャツコレクションとかも面白かったし、クルマにも大変なこだわりを感じました。何気ないセリフにもネタが隠されていたり。また、実力人気ともに高い出演者の方々や主題歌を歌っている福山雅治さんとか、見どころが尽きません! 私は原作を読んでないので、読んだ後だと見え方が変わってくるでしょうから末永く楽しませてもらえそうです。

これまで観返してた中で時々、翡翠のセリフが頭の中で響きました。私はちゃんと観察できているのかな…

見ることと観察することは、まったく別物ですよ。

#5 VS.Eliminator Part II

私の城塚翡翠ロスは、いつ癒されるのか分かりません。きっと今日も #1 Iced Coffee から観ていることでしょう! 年末年始は何周してしまうのか、今からワクワクしますよ。

翡翠の謎解きが速過ぎてよく分からなかった人向けの別記事(ドラマ城塚翡翠 第1~5話の解説ガイド)もご用意しています。こちらもぜひご活用ください。

合わせて読みたい記事
🔍 ドラマ城塚翡翠 第1~5話の解説ガイド
🔍 ドラマ城塚翡翠 愛を込めた5つのダメ出し
🔍 ゴシップ記事の弊害に怒る - とある推理小説作家が苦しんでいる状況

この記事が参加している募集

おすすめ名作ドラマ

まだまだサポートしてもらえるような実績はありませんが、ご期待に応えられるよう頑張ります!