どうやったら「原稿チェックをスピードアップできる?」と聞かれたので…
自分は編集チームのマネージャーをやっていることもあって、チームメンバーの原稿をチェックしたり、1on1をやったりしています。自分で編集することはほぼなくなってしまいましたが、1日に何万文字になるかわからないくらい原稿をチェックして、チームメンバーのマネジメントをしています。
原稿チェックする際には原稿のクオリティを一定に保つことが最優先なのですが、これだけの原稿をチェックするとなるとスピードも大切になってきます。このクオリティを落とさずスピードアップさせるのがなかなか大変で、今日もチームメンバーとの1on1で「どうやって原稿チェックしてるんですか」「早く原稿チェックするにはどうしたらいいんですか」という質問があったので、その回答のひとつをここで紹介していきたいと思います。
自分の考えを言語化しておくことが大切
原稿チェックをスピードアップさせる方法として重要なのは、自分の編集理論を言語化しておくことです。
といってもそんなに難しいことではなく、最初はチェックリストのようなものでもいいですし、表記統一をもう少し詳しくしたくらいのものでもいいと思います。でも、できれば頭の中で考えていた「こんな文章が出てきたらこうやって直す」ということをまとめるようにしてみましょう。
例えば、下記のように文章を並列にする場合にどう直すか。
休みの日は、昼からビールを飲む、YouTubeを見る、本を読むことが好きです。
こういう文章って、あまり意識せずにさらっと読んでいると、「飲む」が「YouTube」を修飾しているように思ってしまうことがあります。「昼からビールを飲むYouTube」みたいな感じで。ゆっくり読めばそんなことはないっていうのはわかるんですが、できるだけ文章はストレスなくスムーズに読めるようにしたいんですよね。
こういった文章のような並列を書く場合には、下記のような選択肢を用意しています。
「昼からビールを飲む」「YouTubeを見る」「本を読む」というように「」を使う
昼からビールを飲んだり、YouTubeを見たりする以外に、本を読むことも好きです、というように「たり」を使う
昼からビールを飲む、YouTubeを見る、本を読むをそれぞれ箇条書きにする
こういったことをまとめておくことで、自分なりの「編集の方程式」ができます。方程式に当てはまる文章のパターンが出てきたら、その方程式に当てはめれば機械的に修正方法を導きだせるという仕組み。表記統一とはちょっと違いますね。
この方程式が言語化されていないと、文章を見たときに方程式を作り出すことから始めないといけなくなります。それでも正しい文章に直せないことはないですが、スピードアップを考えると、断然言語化しておいたほうがいいんですよね。
「言語化していなくても頭の中で理解していればいいじゃん」と思うかもしれませんが、意外と全部理解していないものです。また、言語化しないと頭の中でルールがブレます。形にしておくことが重要なのです。
言語化した編集理論を共有することでチームのスキルも上がって時間短縮にもつながる
さらに、自分が原稿チェックするときに使うだけでなく、チームメンバーにも「自分はこれを基準に原稿チェックするからね、このルールを意識して編集してね」と共有します。そうすることで、チームメンバーも「なんで修正されたんだろう?」「前の指摘と違うじゃん」と思うことも減ります。
実は、こういったことも地味に時間短縮になるんですよね。これでチームメンバーのスキルもアップするので、いい原稿が上がってくる。いい原稿が上がってきたら、原稿チェックにかかる時間も短くなるという感じです。
これをチームでできていると、文章のクオリティを保ちやすくなります。属人化しにくくなるということですね。もちろん1人でライターさんの原稿の編集作業を行うときでも同様です。クオリティを保ちつつスピードアップさせたいのであれば、自分の編集理論を言語化してみてください。
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