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イノベーターは常に「悪魔の代弁者」を内包せよ

✔︎ イノベーターが成功するためには、情熱と批判のバランスが重要だ
✔︎ 情熱を持ちながらも、多様な視点で事業を見直す
✔︎ ときには外部のメンターを活用し、自己批判を行う

#イノベーション #事業創造 #自己批判 #メンタリング


情熱がイノベーターの落とし穴となる

イノベーションを追求する者にとって、情熱は必須の要素だ。情熱がなければ、どんなに優れたアイデアでも形にすることは難しい。しかし、情熱は時に盲目となり、危険をはらむことがある。強い情熱を持つあまり、視野が狭まり、自分のアイデアに過度に執着し、周囲の声に耳を貸さなくなる。さらに、仮説検証の結果を自分の都合のいいように解釈してしまうこともある。

このような状況では、せっかく立ち上げた事業も自己満足の域を出ず、誰も幸せにできなくなる。イノベーターとして成功するためには、ただ情熱を燃やすだけでは不十分だ。

視野を広げる「悪魔の代弁者」の重要性

この時に重要なのが、「悪魔の代弁者」を内包することだ。悪魔の代弁者とは、あえて自分の考えに反対する立場を取り、さまざまな視点から事業やアイデアを再評価する役割を果たすことだ。悪魔の代弁者は、情熱に対するブレーキとして機能し、盲目的に突き進むことを防ぎ、健全な進化を促す。

思考実験を通じて、アイデアの欠点やリスクを明らかにし、それを改善するための手段を見つけ出す。批判的な視点を持つことで、アイデアを磨き上げることができる。ただし、重要なのは単なる批判ではなく、建設的な批判であることだ。悪魔の代弁者を通じて見えてくる問題点やリスクは、あくまでイノベーションを成功させるためのステップに過ぎない。最終的には、その批判を乗り越えるための解決策を見出し、事業に反映させることが不可欠である。

創造と批判、この二つの要素がバランスよく機能することで、イノベーションは成功へと導かれる。情熱がアイデアを推進し、批判がそのアイデアを洗練させる。両者の相互作用によって、新しい価値が創造されるのだ。

「悪魔の代弁者」を外に持つのが「メンター」

悪魔の代弁者を内包するためには、意識的にその思考を鍛える必要がある。自分のアイデアや事業に対して定期的に批判的な視点を持つことを習慣化し、自分のアイデアを批判的に見つめることで、新たな洞察や改善点が浮かび上がるようになる。また、学習やリサーチを通じて、常に新しい情報や知識を吸収することも重要だ。情報が豊富であればあるほど、悪魔の代弁者としての視点が鋭くなり、より深い考察が可能になる。

しかし、自己批判を徹底することは、簡単ではない。経験や情報が不足している場合、自分の考えに固執してしまうこともある。そこで、外部に悪魔の代弁者を持つことが効果的だ。それが「メンター」という存在である。メンターは発案者でもチームメンバーでもないため、より客観的な視点でアイデアを批判し、多様なバックグラウンドを持つ人々との交流を通じて、異なる視点や価値観を取り入れることができる。

イノベーターは常に「悪魔の代弁者」を内包せよ

イノベーターが成功するためには、内なる情熱だけでなく、悪魔の代弁者という批判的な視点を内包することが不可欠だ。情熱がアイデアを推進し、批判がそのアイデアを洗練させることで、真のイノベーションが生まれる。自己批判の力を鍛え、外部のメンターを活用して、常に多様な視点で事業を見つめ直すことが、成功への鍵となる。


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