見出し画像

台湾のジャムセッションで起こったこと

先週日曜日に参加したジャムセッションで、とても素晴らしいことがありました。

2時間の演奏が終わって、ピアニストの林語桐が帰るというので、ピアノが空いたので、弾かせてもらうことにしました。ミュージシャンもセッションがひと段落して、おやすみモードになったのでピアノソロで弾き始めました。

一曲目はよく弾くOblibion、誰か聴いてくれていたのかは分かりませんでしたが、一曲5分くらいで終えました。
ミュージシャンがステージに来る様子がなかったのでそのまま2曲目を弾き始めました。今度はまだ人前で弾いたことのない、加古隆の「パリは燃えているか」にしました。ピアノパージョンはテーマを2回繰り返して盛り上がり、その後静かな曲調に移って終わります。

そうしたところ、演奏が2回目のテーマが終わった時にサックスとベースが加わってきたんです。ひどく驚いた。この曲は日本人しか知らないはずです。台湾のサックス奏者と、香港のベーシストが加わってくるなんてと思った。
しかし、彼らは耳だけを頼りに僕の演奏に加わってきました。テーマを2回繰り返したので、キーとコード進行の様子、曲のサイズが分かったんでしょうね。

それで、ワンコーラスをオープンにしてサックスに渡しました。彼は僕の伴奏に沿って、正確にアドリブを入れてきた。ベースも的確にコード進行に合わせた音を奏でていた。そして、過去ピアノソロでしか弾いたことのないこの曲を三人で演奏することができました。
サックスソロが終わると、最後にピアノで静かなバージョンのメロディーを繰り返して曲を終えました。終わったあとこの2人のミュージシャンに思わずお礼を伝えました。一緒に演奏してくれてありがとう。

この素晴らしいミュージシャンは、サックスはJasonさん、ベースはDavidさんと言います。

僕は過去、曲を覚えることでジャズの演奏に臨んでいました。しかし、そういう方法だとこの様なことはできません。譜面で練習していないと手も足も出ない。しかし、彼らは全く耳だけを使って音楽に参加してきました。譜面もコードリストもいらない。そんなことが本当にできるんだと、感動しました。
一流のジャズミュージシャンはその様なトレーニングをするものなのかもしれませんが、自分の様なアマチュアにとっては、目の前で繰り広げられたこの出来事は、とても驚くべきことでした。

それから、みんな僕の弾いている音楽をキチンと聴いてくれていたんですね。そうでないと、こんな真似はできません。
それも、とても嬉しかったです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?