マガジンのカバー画像

キヨメの慈雨

44
現在投稿中の小説『キヨメの慈雨』をまとめたものです。 三年前の豪雨災害をきっかけに増え始めた『コトナリ』と呼ばれる不思議な生物が潜む地方都市で繰り広げられる事件を、豪雨で父親を亡…
運営しているクリエイター

#災害

【小説】キヨメの慈雨 第三十八話(マガジンのリンク付。これまでの話に飛べます)

【小説】キヨメの慈雨 第三十八話(マガジンのリンク付。これまでの話に飛べます)

↑これまでの話をまとめたものです。

「国府西中学から来ました、速見早苗です。よろしくお願いします!」

 中学二年の夏休み明け、早苗は天領市に引っ越してきた。天領駅から徒歩10分のところに新しくできたマンションを両親が買い、一家で移り住んだのだ。新しいクラスに拍手で迎えられ、早苗は嬉しくなる。

(良かった、みんな優しそうで。ひどい災害があったからちょっと暗いイメージがあったけど、そんなことなさ

もっとみる
【小説】キヨメの慈雨 第十四話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

【小説】キヨメの慈雨 第十四話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

↑あらすじの記事に第一~三話のリンクがあります。ジャンププラス原作大賞応募作品(四話以降は審査対象外)ですので規約違反になってしまうのではないかとビビっており、マガジンにまとめていません。続きが気になりましたら、お手数ですがスキとフォローをしていただけますと追いかけやすくなると思います。

↑前回の話です。

 恐ろしい豪雨から三日が経って、ようやく街から泥水が引いた。あの暴力的な大雨がどれだけの

もっとみる
【小説】キヨメの慈雨 第四話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

【小説】キヨメの慈雨 第四話(あらすじのリンク付。これまでの話に飛べます)

↑あらすじの記事にこれまでの話のリンクがあります。四話以降はコンテストの審査対象外になってしまいますが少しずつ書いていきたいです。

「あれは、君達がやったのか?」

 ワゴン車から降りてきた白髪の若い男が、先ほど意澄が倒した暴漢を見て尋ねた。市役所の車から出てきたのに、その服装は上下とも白いジャージだった。傘もささずに立つ若者は穏やかな口調をしているが、不思議と威圧感がある。

(えっと、何て答

もっとみる