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最小構成から考える写真制作の話

よい機材について絶賛するようなこと書いている記事はたくさんあるだろうから、今回は僕なりに最小構成のカメラについて試したことを書きます。

写真をやっていると、機材の話を執拗にしてくる輩に出くわすことがある。
「この機材がどうのこうの~」といった具合に語り出すが、全く興味ない。だが、ハエのように掃っても掃っても湧いて出てくるから困ったもので、僕は自分の使用機材を使っている理由が、「貰ったから」と「安い」と「エラーが出て面白い」というのが大半なので、たぶん他の人より機材につぎ込んだ金額が極端に少ない自信がある(そんなことで自身持つなよ)ので、基本的に聞き流して共感できる部分だけ同調している。
(写真の話の延長線上にある機材の話は、普通に喜ばしいのだが)

そんな輩に最小構成で撮った写真を絶賛させることでぶん殴っていた時期がありました。
ただ、殴るためが理由ではなく元々は、今回書いている理由で使い始めたので、こんな阿呆なやつもおるのだな~くらいで読んでもらえたら幸いです。

最小構成の機材

最小構成の理由

結果からいってしまえば、機材をシンプルにして機材以外で写真を構成したときに何が見えるかってことを試したかった。
写真ってそもそもどういう要素で成り立っているのだろうか?ということを考えたら機材の果たす役割って、個人的にそこまで重要じゃないって感覚的に思っていたから、機材を最小構成にして、それ以外のところで写真を見つめ直してみたいっていうのが理由です。

一応、フルマニュアルでピント合わせられて、露出も自分で設定できるってところだけ抑えた最小構成を考えました。

カメラ

カメラは別になんでもいいやって思っているので、フルマニュアルで、M42マウント使えて、代替可能で安くて必要最低限のものでというと、PENTAX SPだと思っています。
正直、5台以上潰してるので勝手知ってるというのも強いですが…。

レンズ

レンズはそれなりに大切だと思っていますが、最小構成を意識したときに要素は絞りました。シャープな写りで、レンズ構成がシンプル、そして軽ければなおよし。

そうして選ばれたのは、Industar 50-2 50mm F3.5 です。
というか、手元にありました、大学生のときにノリで買ってた。ちなみにこのレンズがついていたゼニットもあったけど、あまりにスクリーンがピント合わせしにくく暗いため却下でした…。

旧ソ連製のTessarコピーの標準レンズです。小さくて軽いのに、ピントさえあえばシャープに写ってくれます。

ただ、クリック感の全くない絞りリングや小さすぎて操作しづらいという点はあるかもしれません。

パンケーキの薄ささは知らんけど
マックスの厚さがマカロンくらい

見えてきたこと

僕の思う最小構成は、巷で言われているような良い機材では全くないですが、それなりに写ります。ただ、それだと良い機材ではないからこの程度の描写になりましたという言い訳でしかない。

そうではなく、機材以外のところで、どう工夫を凝らすのか、どういう作品を作っていくのかを考えることが重要だと思いますし、それは他の誰でもなく僕が撮ることの理由にもなります。

機材以外で工夫できるポイント

  • 使用フィルム選択

  • フィルム現像の重要性 

  • 被写体とのマッチ

使用フィルムの選択については、カラーではなく、モノクロでいこうと思いました。もちろん、カラーでもいい描写をするのですが、モノクロであれば、フィルム現像も含め、自分でコントロールできる幅が増えることと操作性が劣るレンズだからこそ、じっくりとピントを合わせて描写で魅せる作品取りができると考えたからです。
それに適している高解像の Rollei Ortho 25 Plus 135 を選びました。

フィルム現像の重要性については、以前記事に書きましたが、先のRollei Ortho 25 Plus の性能を引き出すために、SPUR Acurol N を選択しました。大変優秀な現像液でありながら経済的な、僕にぴったりな現像液です。

被写体とのマッチについては、以前「感触」ということをテーマに撮っていたこともあり、質感などを感じるものをメインに撮っていました。そういう意味でもモノクロでの作品制作は質感表現とマッチしているように思います。

この他にも撮影方法や技法によっても、色々な工夫の仕方があると思いますので、考えてみましょう。

良い機材を使わないデメリット

そりゃ、良い機材を使わなくても作品制作はできるけども、使わないことによるデメリットもあげればキリがない。

  • 操作性

  • 安定性

  • ファインダーのクリアさ

  • 速写性

  • AFの有無

  • 内臓露出計の信頼性

  • レンズの描写

  • レンズのF値

  • 修理などのサポートがある

  • 特殊な撮影(シフト、望遠、広角…)

色んなことができたり、安心して使用できたり、特殊な撮影もできたり、撮影の幅が広がることはあるだろう。

ただ、なんでもかんでもできるからいいというわけではないので、自分が何がしたいのか考えてみてほしい。
一度、最小構成にするからこそ見えてくるものもあるだろう。全ての人がライカやSONYのハイエンド機が必要なわけではないのだから。

結論

機材だけで決まるものではないし、別に良い機材が全てではないよね(デメリットもあるよ)ってことでした。

機材以外にも工夫するポイントは多分にある。

  • 使用フィルム選択

  • フィルム現像の重要性

  • 被写体とのマッチ

条件さえ絞れば、そこまで良い機材を使わなくても作品としての質は担保できると考えます。
今回の最小構成なら、本体レンズ込みで1万円くらいでいけるので、貧乏学生でも、ちょっとフィルム写真試してみたいって他人でも気軽にできますし、フィルム現像も自前ですれば、かなりコストを抑えつつ作品制作ができます。

長々と書きましたが、それぞれ最小構成を考えてみて、一度自分の制作を見つめ直すのもよいのではないかと思います。


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