自分を「整える」ものの大切さ
大型連休が接近していますね。
連休明けたら令和。そして、毎年恒例「5月病」の季節ですね!
例によってWikipedia先生より。
日本においては、新年度の4月には入学や就職、異動、クラス替え、一人暮らしなど新しい環境への期待があり、やる気があるものの、その環境に適応できないでいると人によってはうつ病に似た症状がしばしば5月のゴールデンウィーク明け頃から起こることが多いためこの名称がある。医学的な診断名としては、「適応障害」あるいは「うつ病」と診断される。
うわぁ……。明るく書き出して、すいませんでした……。
対応策の項に「気分転換をし、ストレスをためないよう心がけるのが良い」とあって、笑ってしまった。
それができるなら、世話ないってばよ。
ということで「新社会人の伝えたい3つのこと」の続編です。
前回は「3つのこと」と言いつつ、実はネタは1つというインチキ経営コンサルみたいな投稿でしたが、今回はシンプルに1つだけ、サバイバルの知恵を。
自分を「整える」場所やメソッドを持とう
これです。
気分転換には、酒飲んだり、美味いもん食ったり、旅行行ったり、昔の友達と会ったり、アクティブなパターンがありますよね。
これはこれで、OK。時間とお金が許す限り、動員しましょう。
これにプラスして、発散系ではない、エネルギー消費量の少ない「整える」系を持っておくと、心身の管理や好不調のバロメーターとしてとても有効です。
「整える」を言い換えると、「ニュートラルポジションに心身をリセットする」という感じでしょうか。
具体例の方が分かりやすいでしょうから、私の「整え方」を3つ、ご紹介します。
1.サウナは「整う」
これは多くのサウナ好きオジサンが指摘していますが、改めて。
先日も初対面の方なのに、なぜかいきなりサウナの話になって「整いますよねぇ!」「整いますよね!」と同語反復な会話で盛り上がりました。
整うメカニズムは、素晴らしい記事を発見したので、こちらに譲ります。
「合法麻薬」「サ道(サウナ道)」……。ヤバいのか、サウナ?
私の「ニルヴァーナ」は江戸川区の船堀にあります。「あけぼの湯」という老舗、というか江戸最古の銭湯です。そのうち一度、noteでガッツリと「愛」を語りたいと思います。以前は徒歩圏内だったので週1、今の家からも電車で無理やり月1ぐらいで行ってます。
詳細は上述の記事にある通りなのですが、私の感覚としては、バラバラだった体の組織のベクトルがすっとそろうような整理整頓感があります。まさに「整う」という感じ。
3クールのサウナの後、ぬるめの露天風呂(アルカリ温泉!)に浸かって、湯上りにゆっくりと生ビールを飲むと、「ふわふわオジサン」(by家族)が出来上がります。
疲れていても、そうでなくても、必ず「整う」鉄板メソッド。それを知っているだけでも安心感があるってものです。
2.ビリヤードも「整う」
「いや、スポーツとか運動は発散系だろ」とお思いかもしれませんが、私の中ではビリヤードは瞑想に近いです。
いわゆる「ゾーンに入る」というヤツで、雑事や感情が消えて、完全に「玉」に没頭する時間帯が来ます。気持ち良いことこの上ない上に、ショットもビシバシ決まります。
上達やゲームの勝敗より、この全能感と解放感を味わうためにやってると言っても過言ではない。
浮世はアレコレろくでもないことが起きるので、解毒のためにも、土日のどちらかで行くようにしています。平日の夜に行くこともありますが、なかなか時間が作れないのが悩みどころ。
これは心身の不調をはかるリトマス試験紙にもなります。
経験上、「ビリヤードに行っても集中できないし、気分が晴れない」ようなら要注意なのです。精神的な余裕が無くなっている証拠。寝不足がたまっている、という場合もあります。
そうなったら、私はあらゆる手段を使って公私ともにサボります。少なくとも「前線」を拡大しないよう手を引っ込め、抱えているタスクは及第点で片づけて、荷物を軽くします。
「サボってんじゃねーよ」という声が聞こえてきそうですが、危険信号を見逃すと、そのうち破綻します。
ホンマやで。
愛するビリヤードも楽しめない状態では、いい仕事はできません。
「整う」度合いが高いのは、私がやるのがスリークッションという競技だから、という面もあります。一般的なポケットビリヤードよりも「チェス寄り」というか、知識とヒラメキと発想が問われます。ショットの回数=運動もポケットより少ないです。
Wikipedia読んでも「この説明じゃ無理」と思ったので画像を。こんな感じです。この素敵な動画からキャプチャしました。
これで白を突いて、黄色に当てます。で、1、2、3とクッションに入れて、赤に当てると、1点。こんなコース。
これは基本中の基本ショットで、クッションは3回以上なら何度でもOK。テーブルを2周したり、台上を数往復するといった技やら、数十、数百というショットパターンがあり、その場その場で最適のショットを選んだり、独創性のある「取り方」を要求されます。
ポケットビリヤードは、集中力とその持続力、ハートの強さと安定性が問われます。それはそれで楽しいのですが、「ワンミスで死亡」というのはオジサンにはしんどいので、転向(逃走)しました。
ビリヤードについても、そのうち詳しく書きたいな、と。
ちなみにスリーの腕前は、こちらのnoteにある通り、「そこそこ突けますよ」というレベルで長年停滞しています……。
ちなみに、このインタビュー記事の最後に載せたレゴも「整う」のですが、1年ほど前にロンドンから帰国してから手が出ません。ちょっと疲れるんですよね、レゴは。創作意欲はこちらのnoteにつぎ込んでいるので、レゴは現状、もっぱらInstagramで鑑賞モードです。
3.読書も「整う」
これも「そりゃそうだろ」という感じですが、私流のコツがあるので少々。
読書は「複線」にしておくと良いです。
つまり、同時並行で何冊も読むわけです。
例えば、今、私が読んでいるのは、
・候補者ジェレミー・コービン(アレックス・ナンズ)
・父が娘に語る経済の話(ヤニス・バルファキス)
・間違いだらけの人工知能(松本健太郎・田中潤)
・東大作文(西岡壱誠)
・意識(スーザン・ブラックモア)
・コーランを知っていますか(阿刀田高)
・文明の接近(エマニュエル・トッド)
・ヴィンランド・サガ(幸村誠)
以上、8冊・シリーズで、下3つは再読というか再再再読くらいです。
この中から、そのときの気分に合わせて本を選びます。
8冊はちょっと多めで、上の3冊が新規エントリーで立て続けに入ってきたせい。普段は「ご新規3冊+再読2冊+マンガ」ぐらいのバランスです。
これぐらい用意しておけば、その時々で没頭して読める本があるものです。「呼ばれても気づかない」ぐらいの集中力で入り込めると瞑想に近い心と脳みそが「整う」感覚があります。
お勉強本を「読まなきゃ」となると、読書が「逃げ場」でなくなってしまいます。「読みかけのマンガ」を入れておくのは安全装置になります。
これにプラス、拾い読み専用の大判本が何冊か我が家の本棚には並んでいます。通読は想定されない、図版・百科事典的なやつ。今のお気に入りはこのあたりです。
ここまで書いてきて気づきましたが、全部、デジタル・デトックス的でもありますね。Kindle、3枚持ってますが、それでも本は基本、フィジカル派です。おかげさまで本棚が……。スマホ、ビリヤードのゲーム中は視界に入らないところに隠しています。気が散るので。
スマホを手放すの、「整える」うえで大事なのかもしれません。
5月病は、乗り越えず、「逃げろ」
実は、四半世紀前の新入社員だったとき、私も「5月病」になりました。
超・超・超多忙な部署に配属になり、慣れない仕事と東京での生活に疲れ切ってしまい、完全に「ライフゼロ」まで行きました。
正確には6月に入ってからのことだったと記憶しますが、ある日、オフィスの最寄りの茅場町駅に着いても、地下鉄を降りられない自分に気づきました。
たまたま座れてしまったせいか、どうしても、腰が上がらない。
そのまま中野まで行ってしまい、その電車は折り返しに。
戻ってきた茅場町でも下車できない。
自宅マンションのあった葛西も通り過ぎ、西船橋まで行きました。
そして、意を決して中野行きに乗り換え、再び東京方面に。
でも、またダメ。気が付いたら中野にいました。
車内で「……弱ったな」と頭を抱えていたら、目に赤と白のボーダーのシャツが飛び込んできました。
「ん?」と顔を上げたら、そこに楳図かずおさんがいました。あの「ギョロ」っとした目をむくような表情で、こちらをジッと見ておられました。
「……会社、行くか」
なぜか分かりませんが、楳図さんと目が合った数秒のうちに、決心が固まりました。
楳図さんはどこかで下車されて、そこから戻った茅場町で私も降りました。
あれは、何だったんだろう?
救世主・かずおにそう毎日会えるわけもなく、次の日も、その次も、「降りられない」問題は続きました。
そこで私が取ったのは「ずらし」作戦です。
一つ先の日本橋まで行く。降りたら「丸善」に向かう。午前中に取材を入れるのはやめて、「本屋に通う」日課のついでに仕事に行く(という気分で行く)。
丸善では、気になる本があったら片っ端から買って、時間が許す限り、近くの「ルノワール」で読みふける。
仕事は必要最低限にとどめる。それでも新人には殺人的量でしたが。
机に縛られない記者稼業だからできた対策かもしれません。
でも、本質は他のお仕事でも同じじゃないでしょうか。
Wikiから再引用します。
医学的な診断名としては、「適応障害」あるいは「うつ病」と診断される。
「うつ病」ですよ。
休むしかないでしょ、そんなの。
そのとき、休める体制を作るのが心身を「整える」という手順なのだと思います。
いい歳になると、このあたりのマネジメントの大切さがわかってくる&慣れてきます。
整うスポットの確保は「予防」のためにとても大事。
何か趣味をお持ちなら、それを「整う」という視点で見つめなおしてみてはいかがでしょうか。
「無趣味なんだけど……」というそこのアナタ!
「あけぼの湯」でお会いしましょう!
2階のサウナのテレビで「笑点」見た後、イートインの生ビールで昇天しているオジサンがいたら、声かけてください。
え? 座布団、全部もっていけって……?
おあとがよろしいようで……。
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