新潮社フォーサイトで連載中のコラム「独選『大人の必読マンガ』案内」を転載しています。名作・傑作をしつこく推薦し、皆さんがうっかり読む前に死んでしまうリスクを軽減するのが本コラムの…
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2020年3月の記事一覧
ウイルス禍から救われるべき「弱者」を知る 青木雄二『ナニワ金融道』
新型コロナウイルスの感染拡大は、世界保健機関(WHO)がパンデミックを宣言する事態に発展した。
本コラムでは前回(3月3日)、細菌やウイルスに関する基礎テキストとして『もやしもん』(講談社)をご紹介した。
この中で私は、新型ウイルスについてこんな見解を示した。
・すでに完全な「封じ込め」は難しい
・医療リソースの枯渇を回避し、治療法とワクチンの開発の時間稼ぎをするべきだ
・難しいのは感染抑制
「見えないウイルス」の世界を覗き見る 『もやしもん』
新型コロナウイルスの猛威が世界を覆っている。原子力発電所事故以降の放射能に対する過剰反応が示すように、人間は「目に見えない脅威」に弱い。日本政府の対応や情報開示が後手に回っているのもあり、不安が高まるのも無理はない気もする。
では、もし病原体が「目で見える」としたら、どうだろう?
そんな思考実験と、菌やウイルスに関する知識を仕入れる教材として、今回は石川雅之の『もやしもん』(講談社)を取りあげ