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アロス コン レチェ

アロス コン レチェとはスペイン風のライスプディング。お米を牛乳と砂糖で煮込んだおかゆです。これはイタリアにも全く同じものがあるけれど、なぜか日本ではスペインのアロス コン レチェの方が知られています。

イタリア版はブディーノ リゾ エ ラッテとかリゾ ラッテと呼ばれ、スーパーのヨーグルトやパンナコッタが売ってる棚にもフツーに商品が並んでいます。

スペインはパエリアなどでお米を食べる国だからおやつもお米を使うのだとすれば、イタリアだってリゾットでお米を食べるからおやつにもお米を使うのです。

おいらが初めてバルセロナを訪れたのは1994年ですが、当時はまだサグラダファミリアも真ん中の大聖堂は影も形もなく、伽藍洞の敷地内で数人の石工さんがトッチンカッチン作業しているだけでした。完成までにはまだ300年だか500年だかかかると言われていたのだけれど、その後観光収入の増加と新しく建設計画の見直しが行われ、ガウディ没後100年の2026年に完成するよう、それまでの石組み作りから鉄筋コンクリートでの建設に作戦変更となっているため、新しくできた個所は色や風合いもガラッと違い、出来上がった大聖堂内部もあまりガウディ感のないエッジの効いたコンクリート製の柱が連立しています。

まあ、ダラダラ作って誰も生きている間に完成しないでいるよりは、鉄筋コンクリート製でも全体が一応完成した方がいいのかもと思っています。建築関係者にも賛否両論みたいだけれど、2030年にでも完成するならまた観に行きたいですけどね。最初に見て以来、何度か訪れているから今の工法で出来た部分の雰囲気も既に見ています。

さて、おいらは大学を出てからミラノ行きのお金を貯める期間に名古屋の当時No.1だったスペイン料理屋さんで働いて、わけあって直ぐにセコンドのシェフへ昇格しスペイン料理をお店で出していたのです。そこのレストランで働いていたバルセロナ出身のカルメンが一時帰国でバルセロナに帰っているときにミラノから尋ねたのが最初の訪問。

なので初回だけ現地ガイドにいろいろと教えてもらえました。彼女がバルセロナで一番おいしいというパエリアを食べに行ったりね。本当はカルメンの実家でお母さんが作る一番おいしいパエリアをご馳走すると言われていたのだけれど、お母さんも高齢で体の調子が悪いからムリさせないで地元の日が愛する美味しいお店を紹介するからそこへ行こうとなりました。あの時もバルセロナからちょっと足を延ばしてダリの美術館やまた別の街のダリのアトリエも訪問しています。子供が大きくなってからも再訪しました。

イタリアとも雰囲気は違うし、タパス文化もあったりと、同じヨーロッパでも外国に行くと楽しいものです。バルセロナではチュロスをつまんだり、ハモンイベリコを紙の筒のようなものに入れてもらったのをつまんだり、美味しいものも楽しめるのです。地球上で一番おいしい生ハムの人気投票すれば、多分ハモンイベリコとイタリアパルマの生ハムが首位争いをするはず。これに合わせるワインまで話を広げればイタリアが勝つ可能性は高くなりそう。話を戻して、散歩の途中でちょっとカフェのようなお店に入っておやつにするときの選択肢の一つがアロス コン レチェなのです。洗練されたケーキ類とはまた違う、何百年、それこそ1000年くらい前から食べられているメニューの末裔感が魅力ですね。

甘いものを食べるときはスペインでもコーヒー、大体どこでもエスプレッソマシーンを使って抽出します。イタリアよりも多めに抽出するので、エスプレッソもちょっと薄くなります。

この甘いものと飲み物を一つでAll In Oneするのがホットチョコレート。国によってまちまちだけれど、スペインでも濃いめのどろどろのホットチョコレートが楽しめます。

日本でヨーロッパ式ホットチョコレートを楽しみたい人は、ゴディバ、リンツ、Venchiあたりのお店でメニューを探してみてください。日本に昔からあるココアやミロは「チョコレート風味飲料」なので、本物のホットチョコレートは別物だと思った方がいいです。そして、確か開高健さんが本で書いていたのだけれど「ホットチョコレートは子供の飲みものだと思っていたけれど(カカオの香る本物の)ホットチョコレートは大人こそ飲むべき飲み物」なんです。

余談ですが、日本ではスペイン風のお米料理は何でも「○○のパエリア」と表記されがちだけれど、スペインではパエリアは基本魚介類とサフランを使った時の料理名なので、例えば日本で言うイカ墨のパエリアはアロス ネグロだし、野菜のパエリアはアロス コン ヴェルドゥーラスとなります。ちなみにアロス コン レチェは「お米と牛乳」という意味です。

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