山城秀之

紙芝居屋、似顔絵画家、活動写真弁士、役者。

山城秀之

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マガジン

  • 目で見て口で言へ

    劇場や配信で舞台を見たり、映画館や配信で映画を見たりーーささやかに頭の悪い感想をもごもごと綴るおぢさんの感想文。お目汚しでございますが……。

  • 読んだはしからすぐ忘れるから!

    読書は刹那の快楽であります。鼻息荒く活字を追いながら、最後に奥付けに目をやり本を閉じると、今まで手に汗握りつつ読んでいた内容はほぼ忘却の彼方。だから再読は新しい本との出会いでもあるのです。

  • 2023年の一週間とかその他

    2023年のあれやこれやを書いています。7日間分の日記のはずですが、9割方忘れているので、スッカスカです。そして始まって2ヶ月続かなかったので、その他の日常(非日常)のことも単発で書いて行きます。

  • あるいは音楽でいっぱいの海

    若い頃からいろんな楽器に手を出しては挫折(まで至らずやめた)してきたワタクシ。そんな、音楽の才能がほぼ皆無(でも聴くのは大好き)なワタクシが足を運んだコンサートやライブなどの感想です。

  • 読んだり読まなかったりして生きて行く

    読書感想文です。

最近の記事

ものぐさ太郎読書日記〜7月篇

「アラビアン・ナイト1」(東洋文庫) 世の中には読まれざる名作(大作)というのがあると思うんですが、ワタクシの理解ではそのなかの一作「アラビアン・ナイト」に挑戦することにしました。いくつかバージョンがありまして、東洋文庫のカルカッタ第二版にしました。枠物語という「物語の中で登場人物が語る物語」が次から次へと出てきてまるでお話のマトリョーシカみたいに大きなボリュームを占める構成がとても面白いです。あと、元々の設定としての「若い女性を妻にして殺す」王様の抜き難い女性憎悪のエピソ

    • ものぐさ太郎療養日記〜Corona-Virus Disease-2019(COVID-19)篇

      2020年の3月から大袈裟にいえば「世界」は大きく変わってしまった、と思うのです。原因はもちろんあの新型の病原菌です。人から人へ感染するこの病気ーー人混みに出ないようにといってもそうもいかず、毎日玉砕する覚悟で外に出ていたあの頃から、奇跡的に(まったく!)一度も感染することなく過ごしてきたワタクシでありましたがーーついに摑まってしまいました。 新型コロナウィルスにーー。 どこで誰からもらったものやらーー見当はつけられますが可能性がありすぎて絞り込みはほぼ無理です。なので感

      • ものぐさ太郎観劇日記〜「十二人の怒れるひとびと」

        目黒で「十二人の怒れるひとびと」を見て来ました。ずいぶん昔、イエドロの舞台でお名前を聞いたさひがしじゅんぺいさん脚色演出の、あまりにも有名なワンシチュエーション会話劇。 以前東松原の小さな小屋で一度見たことがあるくらいでお恥ずかしながら映画はおろか設定を日本に移植した「十二人の優しい日本人」すら拝見しておりませんが、生身のままでぶつかり合うひとびとのありようがとても面白い作品だな、という風に認識しております。 さて、変型的二面客席で出演者の多くが舞台上でウロウロしつつ観客

        • ものぐさ太郎朗読日記〜百鬼夜話@中野・スタジオあくとれ

          いつもお世話になっておりふぉーすてーじさんのリーディングライブ(劇場版)に、またお声をかけてもらいました。今回の劇場は中野のあくとれ。ワタクシにとってはペブルグラベル「遠吠岬は夕曇り」で久しぶりの舞台に立った思い出深い劇場です。 共演の方々は、いつもの強力な面子プラス今回初めましての方々。多士済々、稽古場には笑いが絶えず、そのまま本番を迎えてさらにパワーアップして笑いながらバチバチのバトルが繰り広げられたのでした。 今回の噺は「あたま山」「夏の医者」「なす娘」「猫魔寺」「

        ものぐさ太郎読書日記〜7月篇

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        • 2022年の一週間のこと
          53本

        記事

          ものぐさ太郎朗読日記〜百鬼夜話@阿佐ヶ谷アルシェ〜

          ふぉーすてーじプロデュースのリーディング公演「百鬼夜話」がいつもの中野gLuvを飛び出して阿佐ヶ谷アルシェで上演されました。3本のうち、「シンぬけ雀」だけやったことがありませんでしたが、以前中野gLuvでかかった時に見てはおりました。馬鹿馬鹿しくも壮大な特撮落語とでもいうべきものでした。 今回は同じ劇場、同じセットで上演される「塔上の奇術師」チームの公演に間借りをする形での二日間4公演でした。いつものように毎回役の組み合わせが微妙に変わるという変則スタイルですが、そんなの屁

          ものぐさ太郎朗読日記〜百鬼夜話@阿佐ヶ谷アルシェ〜

          ものぐさ太郎映画日記〜「クラユカバ」「クラメルカガリ」「ファウスト」

          地元のミニシアターで「クラユカバ」「クラメルカガリ」というアニメーション映画を見てきました。 HPはこちら→https://www.kurayukaba.jp 「はい、大辻探偵社」 紫煙に霞むは淡き夢、街場に煙くは妖しき噂…。 今、世間を惑わす“集団失踪”の怪奇に、探偵・荘太郎が対峙する! 目撃者なし、意図も不明。その足取りに必ず現る“不気味な轍”の正体とは…。 手がかりを求め、探偵は街の地下領域“クラガリ”へと潜り込む。 そこに驀進する黒鐵くろがねの装甲列車と、その指揮

          ものぐさ太郎映画日記〜「クラユカバ」「クラメルカガリ」「ファウスト」

          ものぐさ太郎演劇日記〜singing dog「ボイドタイム」

          早稲田での凱旋公演も終わり、穏やかな日常に戻るかと思いきや、ツアー前にお声をかけていただいた舞台の稽古に入りました。 サンモールスタジオプロデュース「トワイライト1」というオムニバス公演のうちの一本「ボイドタイム」です。以前同じサンモールスタジオで「Drunk」という舞台に出たご縁で、今回脚本だけでなく初演出をする岡本麻理さんにお誘いいただいたのでした。ワタクシの座右の銘は 「呼ばれるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」 なので、もうスケジュールがっ!とか帰国してす

          ものぐさ太郎演劇日記〜singing dog「ボイドタイム」

          ものぐさ太郎亜米利加活弁日記・番外篇〜大隈先生っ!お世話になりました〜

          21日にわたる「The Art of The Benshi」ツアーを受けて、早稲田大学大隈記念講堂での凱旋公演が、帰国して3日後の4月26日に開催されました。贅沢にも、アメリカでやった五つのプログラムとはまた違った、早稲田だけでやるプログラム6です。 ワタクシというと、なんとなく一日中眠いという状態がツアーの最中から続いていたのですが、帰国しても変わらず、んん、これは時差ボケというやつなのか、単なる寝不足なのか(睡眠が足りていないのは確かだったので)と判断を下せないまま、凱

          ものぐさ太郎亜米利加活弁日記・番外篇〜大隈先生っ!お世話になりました〜

          ものぐさ太郎亜米利加活弁日記〜朝靄と学生街とハンバーガーのLA篇

          ついにアメリカツアー最後の都市LAにやってまいりました。 この日もホテルにチェックインするのみ。UCLAの城下町というか、学園都市といった佇まい。いつものようにホテルの回りをウロウロ。(湿度が高いのか、太平洋側の海流のためか、早朝は朝靄が素敵な感じでしたね) NYにもあったWhole FoodsとかTrader Joe’sとかTargetが徒歩圏内にあったので、物色。そろそろお土産を本格的に考えねばいけません。現金で買うか、カードで買うか。個包装のものがあれば手渡しするの

          ものぐさ太郎亜米利加活弁日記〜朝靄と学生街とハンバーガーのLA篇

          ものぐさ太郎アメリカ活弁日記〜ピザといえばシカゴなんでしょ?篇

          シカゴからはツアーメンバーが一部変わります。ピアノは松村牧亜さんから丹原要さん、鳴物が堅田喜三代さんから堅田喜衣紗さん。ところがワシントンDCからシカゴに向かう飛行機がトラブルで遅れてしまい、その日のうちに日本に帰る予定だった喜三代さんがシカゴでもう一泊することに……! シカゴもホテルと会場が近くて、とても助かりました。到着した日はチェックインのみ。荷物を置いて落ち着いたところで、ホテルの近所を探検。 シカゴの会場、Gene Siskel Film Centerは、早々と

          ものぐさ太郎アメリカ活弁日記〜ピザといえばシカゴなんでしょ?篇

          ものぐさ太郎亜米利加活弁日記〜文雄も来てたんだって?ワシントンDC篇

          ツアー2番目の都市はワシントンDC。到着初日はホテルにチェックインだけだったので、荷物を預かってもらって、歩いて行ける距離のホワイトハウスへ。 ところが、日本から岸田総理が来ていたそうで、ホワイトハウスのある公園のなかは立ち入り禁止、でした。なもんで、近所のお土産屋さんに入ってそこからは各自自由行動。(ここから「フミオはカツベン見に来るのか問題」が我々の中で持ち上がりました)(もちろん彼は見には来なかったのですが)(閑話休題) このあたりにある国立の博物館美術館は入館料無

          ものぐさ太郎亜米利加活弁日記〜文雄も来てたんだって?ワシントンDC篇

          ものぐさ太郎亜米利加活弁日記〜想定外に極寒だったよNY!篇

          アメリカ4都市+早稲田大学大隈記念講堂での活弁ツアー「The Art of The Benshi」が、ついにニューヨークからスタート。個人的には人生二度目の海外公演(旅行)となります。羽田から飛行機に乗って12時間かけて同じ日の出発時刻前にJFK国際空港に着く、という早くも時間の感覚が狂ってしまう日付変更線マジック。 機内ではフランス映画「落下の解剖学」を視聴。イッヌが可愛い。機内食2回いただきました。天候悪化のため空港上空で待機したりして(着陸時に結構揺れました)、予定よ

          ものぐさ太郎亜米利加活弁日記〜想定外に極寒だったよNY!篇

          ものぐさ太郎映画日記〜「ノスタルジア」

          お馴染み横浜シネマリンでタルコフスキー「ノスタルジア」を見て来ました。 空間、時間、そして人間の葛藤を巡る詩的宇宙の極致 高精細レストアで蘇る、映画の奇跡 イタリア中部トスカーナ地方、朝露にけむる田園風景に男と女が到着する。モスクワから来た詩人アンドレイ・ゴルチャコフと通訳のエウジュニア。ふたりは、ロシアの音楽家パヴェル・サスノフスキーの足跡を辿っていた。18世紀にイタリアを放浪し、農奴制が敷かれた故国に戻り自死したサスノフスキーを追う旅。その旅も終りに近づく中、アンドレ

          ものぐさ太郎映画日記〜「ノスタルジア」

          ものぐさ太郎観劇日記〜日本のラジオ「蛇ヲ産ム」

          ワタクシのとってはお馴染みの新宿眼科画廊で日本のラジオの「蛇ヲ産ム」を見て来ました。 かなり自由な語り(沈ゆうこ)によって進行する、あの田瓶市に関わっているらしい医食同源でかつ静かに怖しいお話でした。別々のシーンがレイヤーのようにちょっとずつ重なっているようなお芝居の見せ方が面白く、また「異言」っぽいシーンもなんだか真っ当なホラーテイストがあってわりとど真ん中に好みで、そして物語の閉じ方もいつもの日本のラジオでした。 日野さんは芝居の中でチックのような症状を呈していまして

          ものぐさ太郎観劇日記〜日本のラジオ「蛇ヲ産ム」

          ものぐさ太郎観劇日記〜「ほんのいくつかの ほんの小さな物語」

          お世話になっているふぉーすてーじプロデュースのリーディングライブ「ほんのいくつかの ほんの少しの物語」キャロットチームを見て来ました。楠山正雄、太宰治、小熊秀雄、芥川龍之介の短編小説を芝居仕立てに脚色しています。「クラゲのお使い」「桃太郎」は以前別キャストで拝見した記憶があります。 今回の出演者の方々はほぼほぼ初めて拝見しました。ふぉーすてーじの層の厚さを感じますね。また、「二人小町」では複数の語りがいて、これは新鮮でした。 そして会場で久しぶりに大先輩の怪奇幻想朗読者常

          ものぐさ太郎観劇日記〜「ほんのいくつかの ほんの小さな物語」

          ものぐさ太郎映画日記〜「吸血鬼」

          横浜シネマリンのドライヤー監督特集に、また行きました。前回見た「裁かるゝジャンヌ」はサイレントでしたが、今回見た「吸血鬼」はトーキーです。原作(というか原案?)のシェリダン・レ・ファニュの小説は読まないといけませんね。何よりレ・ファニュといえばカーミラ!この「吸血鬼」に出てくる吸血鬼も女性です。 アラン・グレイという青年がフランスの田舎町にやって来るところからはじまります。はっきりとしたストーリーの流れがあるようでないようなーーアランの主観でずっと進むようでいて、別の視点も

          ものぐさ太郎映画日記〜「吸血鬼」