二郎丸 大

ショートショートと短編小説を書いています。「また読みたい」と思ってもらえる話を書きたい…

二郎丸 大

ショートショートと短編小説を書いています。「また読みたい」と思ってもらえる話を書きたいです。 作品の投稿頻度:週2、3回(毎週ショートショートnote/シロクマ文芸部/140字小説)

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【ショートショート】りんご箱を置き配するのやめてください #シロクマ文芸部

りんご箱が置き配されるようになって今日で三日目だ。注文していないのに。 りんごは嫌いではないが、食べようという気にはならない。恐怖が先立つ。自分で注文していない食べ物が届くと怖いのだと知った。 一体誰が何のために送ってくるのか。りんご箱には送り状が貼られておらず、送り主に心当たりはない。 結構大きなりんご箱なのだが、その割には重くない。それもなんか怖い。持ち上げるとりんごが2、3個コロコロと転がる感じがする。中はスカスカなのだろうか。それともりんご以外の何かが入ってるの

    • 適応力 #新生活20字小説

      変わっていく妻と娘。化石にもなれない私。 #シロクマ文芸部 #新生活20字小説

      • 気になる人ができました #新生活20字小説

        あの人とたまに目が合う。 合わせてくれる。 #シロクマ文芸部 #新生活20字小説

        • 花冷え全員集合 #毎週ショートショートnote

          「お父さん、今日なんか寒いね。桜も咲いたのに」 三女の夏子が帰ってきた。 高校生にもなれば父親となんか話したくもないだろうに、毎日何かしら声をかけてくれる。 「花冷えっていうらしいぞ。風邪引くなよ」 「何それ、知らない」 「俺も今日知ったよ」 「なーんだ」 呼び鈴が鳴った。 玄関のドアを開けると、長男の春生が立っていた。今年の春から大学生で一人暮らしをしている。 「なんだ、何しに帰ってきた?」 「ひどいな。寂しがってるかなと思ってちょっと寄ってみたんだよ」

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        【ショートショート】りんご箱を置き配するのやめてください #シロクマ文芸部

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          風車探偵 #シロクマ文芸部

          風車を手に持ち、息を吹きかけてクルクルと回しながら、その探偵は現れた。 「皆さん、お待たせしました。犯人が分かりましたよ」 陸の孤島の古い屋敷に集められた男女五人。 彼らはみな、屋敷の当主から招待状をもらったと言ってやってきたが、奇妙なことに屋敷の当主は招待状など送っていないと言う。 五人の中には「当主が嘘をついているのではないか」と疑っている者もいたが、「せっかく来られたのだから今日はお泊まりください」と当主が言うので、全員大人しく宿泊した。 しかし、朝になり当主が姿を

          風車探偵 #シロクマ文芸部

          深煎り入学式 #毎週ショートショートnote

          ちょっと遠くの国の、ちょっと昔の話。 珈琲好きの三兄弟がいた。 どのくらい好きかと言うと、珈琲の神様がご褒美をあげたくなるほどだった。 「お前たち、明日は入学式なんだろ?俺が思い出に残る入学式にしてやるよ」 「やったー!どんなやつ?」 一番下のオチョイが神様に聞いた。 「お前は小さいから浅煎りだ」 オチョイが入学式に行くと、かわいい女の子に出会って甘酸っぱい恋をした。 次は次男のチチョイの番。 「オチョイと同じのがいい。アイツ、ニヤニヤしてた」 「そうはいかない

          深煎り入学式 #毎週ショートショートnote

          いつか変われたら #シロクマ文芸部

          変わる時を待っている。 ずいぶん長い間。 誰にも言ったことはない。 親にも。 愛した人にさえも。 教えてくれたのは祖母だった。 最初は信じていなかった。 荒唐無稽過ぎたので。 毎日、豆を食え。 体質が変わるまで食え。 豆腐とか納豆は駄目だ。 素の豆を食え。 しばらく続けていると、豆しか食べたくなくなる。 そこまで続けたら後は欲望のままに食え。 できるか? 全くできる気がしなかったが、「できる」と答えた。 「無理にやることはないよ。アタシはやるけどね」 そう言って祖母

          いつか変われたら #シロクマ文芸部

          友人の近況 #新生活20字小説

          もしもし? 聞いたよ。 鳩になったんだって? #新生活20字小説 #シロクマ文芸部 #電話してどうする #電話に出たのは誰

          友人の近況 #新生活20字小説

          命乞いする蜘蛛 #毎週ショートショートnote

          「助けてください」 ん? 「お願いです!まだ死にたくないんです」 え? 声はするけど姿は見えず。 「こっちこっち。上です!上!天井!」 蜘蛛が一匹、天井に張り付いていた。 「蜘蛛がしゃべった?」 「はい、私です。助けを求めていたのは」 「なんで話せるの?」 「今そんなことどうでもいいでしょう!助けてくださいよ!」 「何すればいいの?なんともなさそうだけど」 「アイツが、俺を食おうとしたんです」 「ははぁ」 「ははぁ、じゃないですよ!助けてください」

          命乞いする蜘蛛 #毎週ショートショートnote

          次の始まりを待つ #シロクマ文芸部

          始まりはいつだったんだろう。 気がついたらここにいた。 優しい人が二人いて、いつも私に微笑んでくれた。 二人の笑顔が大好きだった。 二人の笑顔が見たい私は、嫌なことでも頑張った。頑張って大人になった。 大人になった私を「好きだ」と言ってくれる人が現れた。 全く信用できなかった。 結構いたから、そういう人。 でも、言葉だけでなく、ずっと思いを伝えてくれる人がひとりだけいた。その人を信じることにした。 生活は、楽ではなかった。 二人で働いて、彼は帰りが遅かったから会話も減っ

          次の始まりを待つ #シロクマ文芸部

          桜回線 #毎週ショートショートnote

          「これ、サービスです!良かったらどうぞ」 訪問サポートの男はそう言って私に桜餅を渡した。 「あ、ありがとうございます」 私は受け取る時、微妙な顔をしていたと思う。 桜餅ってあんまり他人からもらいたくない。 昨日の夜からネットスピードが極端に遅くなったのだが原因が分からず、訪問サポートを受けることにしたのだった。 「桜餅、食べてもらってる間にチャチャッと解決しますからね」 「はあ、よろしくお願いします」 桜餅、食べなきゃ駄目なのか。 お湯を沸かして時間を稼ぐことに

          桜回線 #毎週ショートショートnote

          桜色のロケット #シロクマ文芸部

          桜色のロケットがどこかの国で打ち上げられた。 人々はただ桜色のロケットが上昇し、地球の外に出ていく映像を見せられただけ。 「これってどこの国?」 「目的はなんだろう?」 「どこまで飛んでいくのかな?」 「危なくないの?」 「でも、桜色、きれいだね」 「なんかちょっと面白そう」 数ヶ月後、今度は水色のロケットが打ち上げられた。 「また?」 「どこの国か、まだ分からないの?」 「やめさせた方がいいのでは?」 「でも、この水色、いいね」 「少しだけ、未来に希望が持てるような」

          桜色のロケット #シロクマ文芸部

          三日月ファストパス #毎週ショートショートnote

          目の前に三途の川がある。 ああ.死んだんだ、私、やっぱり。 これ、渡るのに時間かかりそう。嫌だな。 「月子様、月子様」 背後から誰かが名を呼ぶので振り向くと、三日月のお面を被った喪服の男がいた。 「お疲れ様です。私、三日月です。ご生前は大変お世話になり、ありがとうございました」 どういう状況? 三日月グッズを作ってぼろ儲けしちゃったけど、それを感謝されているのかしら? 「こちら、感謝の気持ちです。お受け取りください」 三日月の男が三日月を模したメダルを私の首にかけ

          三日月ファストパス #毎週ショートショートnote

          朧月夜の告白 #シロクマ文芸部

          朧月だったな、そう言えば。 ◇ まさみさんとはアルバイト先で出会った。 そこそこ人気のあるレストランで、まさみさんはウェイトレス、僕は皿洗いをしていた。 まさみさんは明るくて誰とでも屈託なく話すのでお客さんの受けも良く、人気があったのだが、人見知りで黙々と皿を洗う僕にも声をかけてくれた。それだけじゃない。いろいろと気にかけてくれて、何度も助けてくれた。 僕は不思議で仕方がなかった。だって下っ端の僕に気を遣っても何の得にもならない。どうしてそんなに世話を焼いてくれるの

          朧月夜の告白 #シロクマ文芸部

          お返し断捨離 #毎週ショートショートnote

          あのな、最近ムカついてる女がおってな、聞いてくれる? そもそもめちゃくちゃ美人な子でな、いろんな男がこの子にプレゼントするんよ。羨ましい話なんやけど、その子は全部返すねん。「私にはもったいない、返してきて」って。アホちゃう?もらっといたらええやんな?なんか腹立たへん? 返されて喜ぶ男もおるんよ。 「お返し断捨離」なんて変なあだ名ついとるわ。アホやろ。 お腹空いてきたから切るな。うん、また。 コンビニでも行こ。 あれ、「お返し断捨離」おる。 ずいぶん地味な男と一緒におるな。

          お返し断捨離 #毎週ショートショートnote

          母の卒業、私の卒業 #シロクマ文芸部

          卒業の気配は感じていた。 けれど、何もできなかった。 ウチはこの町でそこそこ人気のある食堂を営んでいる。まあまあ有名な中華料理店で十年働いた父が独立して始めたそうだ。 母は料理の勘みたいなものが優れていて、父の技を見よう見まねで盗んでしまったらしい。母曰く、「チャーハン以外はあの人より美味しく作れる」そうだ。 父は私が高校生の頃に他界してしまい、私は自然と店を手伝うようになった。母は人にモノを教えるのが信じられないくらいヘタクソな人なので、私も見よう見まねで覚えるしかな

          母の卒業、私の卒業 #シロクマ文芸部