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リサーチクエスチョンについて(2)

リサーチクエスチョンに関する前回からの続きです。今回は、研究の入り口としてのリサーチクエスチョンを考えるためのツールについて書いていきます。


ツール

今はほんといい時代だなー、と思うのが、以下のようなツールが一般化してきていることです。ただ、現状英語が必須というか、やはり英語で書かれた文献の蓄積に圧倒されます。自分の場合は書くのは日本語なので、英語でコンセプトや研究蓄積を頭に入れてから、関連しそうな日本語論文、文献で日本語での用語の使い方を再度確認という感じでやってます。

Consensus

今回のテーマのリサーチクエスチョンについて、質問を投げると関連する文献と要約を返してくれます。質問の文章を考えるということの重要性が理解できます。また、関連しそうな質問例まで提案してくれるので、意味の通りそうな質問を考える練習にもなります。

Paperpile

以前の記事でも紹介した文献管理ソフトです。やはりiPadで読める、タグづけによる分類など、これなしでの研究は考えられません。

後述するR StudioでCitationを入れることも多くなったので、R Studioと連携できるZoteroという文献管理ソフトにもPaperpileのデータをコピー、移行しています。これは持っているデータがBibTeXというテキストベースのファイルひとつで集約されているので、そのテキストファイルのコピーを読み込ませるだけで同じデータを二つのソフトで持てます。

R Studio

データを使った実証研究がメインなので、統計解析ソフトが必要で、無料のR Studioを使っています。。経済学だとStataという有料ソフトもユーザーが多いのですが、有料無料ということより、レポート出力、論文化という文書作成環境も一貫して同じソフト内で完結できるというのが大きな魅力です。
文章部分はこのnoteと同じマークダウン形式で書いていくので、非常に軽快でhtmlやPDFへの出力もきれいです。昔は日本語を扱うのが厄介だったのですが、今はもうほぼ問題ありません。Shfit-JISとMS-明朝、MS-ゴシックなどが絶滅すれば、さらに快適になっていくんじゃないでしょうか。

Google Colaboratory

こちらはGoogle Earth Engineでのデータ処理を目指して、習得というか使い出しました。Python環境としてもローカルに環境構築する手間がかからないのは非常にいいです。インターフェースや入力補助機能も非常に充実してきています。触り出したところなので、使いこなすには至ってませんが、Rが主体でPythonはたまに、という状況であればベストな気がします。

Chat GPT

これも定番ですね。コードを書いてもらうのが主な使い方です。それ以外のことについては、まだ自分で調べているうちに形(文章というか構造)になってくるので、この点について頼ることはあまりないです。今のところ。

研究に関しては、出所を必ず明らかにしてくれる最初に紹介したConsensus、あるいはもっとカジュアルに単語羅列でOKのGoogle Scholarを使うことが多いです。

結局リサーチクエスチョンとは?

書いていても結局まだよくわかっていないのですが、思うのは、「問いを考えるのは答えを考えるより難しい」ということです。

確かにAIツールは便利ですが、それにしてもGoogle先生は単語を投げれば良かったのが、ChatGPTの時代は前提を明らかにして、疑問の文章を作って投げかける、ということが人間の側に求められるようになっています。自動化ツール(一種のプログラミンですが)を作りたければ、何をどう自動化(プログラム)するのか、インプット、手順、アウトプットを明らかにしなければなりません。要は「発注力」です。解法のテクニックより、より根本的な、問いを明確にしてコミュニケートする力が今後も重要性を増すんだろうなと感じています。


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