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英語で中学校はJunior High Schoolなのか?

先日、大学院のレポート課題に取り組んでいた奥さんとちょっと議論になりました。

発端は「日本の中学校って英語でなんて書くのが正しいのかなぁ」という妻の呟き。

日本の教科書的に言うと「Junior High School」なのですが、実はアメリカ以外ではJunior High Schoolという名称は一般的ではありません。(後述しますが、アメリカでも最近はMiddle Schoolの方が主流です)

僕的には中学と高校で明確に分ける必要はあんまりなさそうな気がしたので「そんな違いなんてはっきりないから、High Schoolでまとめておけばいいんじゃないかなぁ〜」とちょっと適当に言うと・・・

「レポートだからある程度正確に書かないとダメでしょ。アメリカだとMiddle SchoolがあるからHigh Schoolでも正しくないし 😤」と、反論されました💦

「えー、でもオーストラリアだと中高一貫だから、全部 High Schoolだよ」と反論してみたものの、確かに国によって違うなぁと思ったので調べてみることにしました。

その結果がこちら!!

図1

注1) 各名称には School がつきますが、省略しています。
注2) オーストラリアでは、州によってYear 11/12も義務教育に含まれます
注3) イギリスでは、スコットランド・ウェールズではYear11/12は義務教育に含まれません
注4) デンマークでは、Lower Secondary の延長として任意の 10th Grade を選択できます。その場合は、Upper Secondaryの卒業は1年遅れます。

■義務教育が一番短いのは日本だった

表の青くなっている学年が義務教育の期間です。意外にも日本の義務教育期間が一番短い・・・。アメリカとイギリスは義務教育期間が長く、幼稚園の年長から高校卒業までになっています。

■ 似ているけど微妙に違うイギリスとオーストラリア

イギリスとオーストラリアは、Primary School → Secondary School → Senior Secondary という区分けの名称と、学年をYear XX と呼ぶ名称は一緒ですが、Primary Schoolの始まりと終わりがずれている・・・。結果的に、オーストラリアはYear 12までですが、イギリスはYear 13までになっています。

ちなみに、僕はYear 10から12までオーストラリアの高校に留学していました。学校はYear 7から12までの一貫校だったので、Year 11-12が "Senior Secondary"と呼ばれているとは知らなかった・・・💦 (Year 11-12は大学受験用の年なのでちょっと意識が変わりますが、卒業式があるわけでなく、ただYear 11に進学するのであまり違いを感じない人が多いと思います)

■ 最近は、Junior-High Schoolではなく、Middle School を使う米国

アメリカでは、6th - 8th をカバーするMiddle Schoolと、7th - 9thをカバーするJunior High Schoolという二つの仕組みがあるそうです。

ちょっと昔までは Junior High Schoolの方が主流だったようですが、最近はMiddle Schoolの方が一般的になってきているそうで、若い世代だとJunior High Schoolは通じないかもしれません。

■ 独自路線のデンマーク

デンマークの教育システムはやっぱり独特。

他の国は18才で高校卒業だけど、デンマークは19歳で高校卒業する感じなので、大学進学は他国よりも1年遅れです。

それに、学年の数え方が 0 から始まるところがユニーク (笑) 

0学年で小学校に必要な基本的な読み書きなどを教えるらしいのですが、デンマークは一人ひとりの個性を大事にする教育方針なので、学力が十分に備わっていないと判断されるともう一回0学年をやり直すそうです。別にダメということではなく、小学校でしっかりと勉強できるように、ゆっくりと準備することに重視するようです。

そして、Lower Secondaryの9th Gradeを卒業すると、そのまま高校にあたるUpper Secondary に進むこともできますが、オプションでLower Secondary の10th Gradeに進むこともできます。高校に進学するのを決めかねている子や、ちょっと学力に自身がない子が、将来の進路を決めたり、高校進学準備をするための学年だそうで、約50%ぐらいの生徒がLower Secondary 10th Gradeに進むそうです。

そんなわけで、もし0年生を2回やり、Lower Secondaryの10th Gradeに進み・・・とすると大学入学は21歳になる可能性があります。

ストレートなら18-19歳で大学に進学する日本人からすると、ちょっと遅いように感じますが、実はもっと遅かったりします。

実際OECDの統計によると、デンマークの大学入学時の平均年齢は24歳(日本は18歳)。高校卒業後に仕事をしたり、海外にワーキングホリデーに行ったり、他のことをしてから大学に進む人も多いようです

***

で、結局、中学校はなんというのが一番良いのか?というと・・・

Secondary School 

OECDが↓のように定義していた名称なので、一番無難かなぁ。

小学校:Primary 
中学校・高校:Secondary
(あえて大学進学を目的とした高校を指す場合は、Upper Secondary)
大学:Tertiary 


でも、このnoteを書いてる間に、奥さんのレポート課題は終わってしまったみたい・・・ちょっと遅かった😅


※ 出典はこちら

オーストラリア:
https://www.studyinaustralia.gov.au/english/australian-education/education-system/Australian-education-system

イギリス:
https://en.wikipedia.org/wiki/Education_in_England#Schools_and_stages

アメリカ:
https://en.wikipedia.org/wiki/Education_in_the_United_States

デンマーク:
https://ufm.dk/en/education/the-danish-education-system

OECD:
https://www.oecd-ilibrary.org/sites/f8d7880d-en/1/2/3/4/index.html?itemId=/content/publication/f8d7880d-en&_csp_=b2d87f13821f45339443c7ca94aafe46&itemIGO=oecd&itemContentType=book


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