究極の成功法則『引き寄せの公式』#3
ひろ健作です。
まるで昨日のことのように25年前の光景がありありと浮かんできます。
ではさっそくセミナーに参加した衝撃的な体験からご紹介しましょう。
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2)人生を変えた、あるできごと
それはあるセミナーに参加したときのことだ。
“自分の可能性を高める――”というテーマで行われた3日間セミナー。友人の勧めだけを頼りに、参加することにした。まったくの期待もせずに、だ。
自分への投資に糸目を付けなかった私にとっては、そのセミナーの値段は安かった。次に受けようと思っていた東京での高額なセミナーの3分の1でしかなかった。
しかもその会社は地方にあり、思い立てばいつでも参加できる。
だがそのことが逆に、ありがたみを失う原因となった。どこか庶民的過ぎるその雰囲気に、正直興味がそそられなかったのだ。
だからダメ元で参加した。
友人のことばは信じても、セミナーには期待していなかった。
それが、参加して2日目の折り返し地点、
時計の針が午後4時を回ったときだ。
内心、退屈に感じはじめていた。
なかなか進まないその進行に、いらつきはじめた。
すでに受けたことのあるセミナーと同じ内容で、内容もほとんど知っていたし、先が読めたからだ。
ちょうどその頃、同じグループのメンバーが首をひねっていた。
“専門用語が多くてよくわからない……”そうボヤいていた。
そこで私は、内容を翻訳した。
それはこういう意味ですよ――と。
いわば親切心だった。
困っている人を助けたい、その一心だった。
一方、セミナーをリードしていた副リーダーと称する女性講師は、私の、その行為には気づかないまま進行し続けた。
“やっとわかったよ”と胸をなで下ろす参加メンバー。そのほっとした顔を横目に、私にはある種の優越感が芽生えていた。自分だけ先を行っている、そんな想いでいたのだ。
ところが。
話はこれで終わらなかった。
背後からふぅーっと荒い息が聴こえてきた。
それは明らかに参加者とは違う音だった。
その音が背後から近づいてきた。
それが主リーダーの男性講師の吐く息だと気づいたそのときだ。
いきなり声をかけられた。
講師「きみはそこで何をしているのかね」
セミナーの進行をさえぎり、その男性講師は私に詰め寄った。
ひろ「わからない人に教えてあげているんですよ」
講「そんなことはしなくていい」
有無を言わせなかった。講師は私の話を聞こうともしない。
余計なことをするな――。そう言わんばかりだ。
ムっとした。むしょうに腹が立った。こっちは親切でやっているのに――。そんな思いで一杯になった。そこで私はこう返した。
ひ「みんな、わからないって言っているじゃないですか。だから教えてあげているんですよ」
控えめに言った。
その話なら知っている……なんて言えば、彼らの神経を逆撫でするに違いない。だから遠慮がちに言ったのだ。
ところが――。
私のその心配りを無視するかのように、予想もしない反撃を喰らった。
講「そんなことを聞きたいんじゃない。そんなのは単なる知識じゃないか。そんなものが何の役に立つと言うんだ」
腹が立った。そこまで私を踏みにじるのか。
私は、しどろもどろになりながらも反撃を開始した。講師の話がいかにわかりにくいか、私のやったことがいかに正しく、周りの役に立っているかを訴えた。
だがその講師は意に介さなかった。
聞きたくないことばは、耳に入れないつもりらしい。
講「そこにあるだろう……。言っていない想いが。
きみの中の、その胸にある想い、その想いを聴きたいんだよ」
否定したようなその言い方は、さらに私を熱くした。
ひ「さっきから言っているじゃないですか! 自分の想いを」
講「いいや。まだ言ってはいない」
話は平行線だった。そのうち返すことばもなくなった。
そのときだ。
私の人生を変えた、そのひと言を言われたのは。
講「きみはほんとうの想いを言っていない。だから人と出逢えないんだよ……」
その講師は、やさしく叱るような、やわらかくも突き放すような口調で言った。それは私そのものではなく、私の中に隠れている私に問いかけるようだった。
そのときどういうことばを返したか、よく覚えてはいない。ただその瞬間、痛いところを突かれたような、自分の中のちょうつがいをはずされたような気がしたことを覚えている。
力が抜けたのだ。
頭は真っ白になり、しばし沈黙した。そこで思いつくままことばを交わした。
その直後……。
自分の中から何かが湧いた。
その湧いてきたものをそのまま口にした。
ひ「ひ、人が怖いんです……」
……驚いた。
ふだん思ってもいないことばが口から出たからだ。そのことばを吐いたとき、胸のつかえが取れた気がした。すぅっとラクになったのだ。
と同時に、自分を丸裸にされたような、恥ずかしい気持ちで一杯になった。
すると、同じグループで横にいたトモコという女性がこう言った。
トモコ「やっとひろが出てきたね」
ふだん明るく振る舞っていた私は、ダメな自分を見られた気がした。暗い自分を見せたら嫌われる――そう信じていた私は、みじめな姿を見せるわけにはいかなかった。
ひ「こんな自分は自分じゃない。ホントの自分は違う。もっと明るいんだ」
ト「ううん。明るいひろもひろ。でも暗いひろもひろよ。どっちもステキじゃない」
思わず耳を疑った。
思いも寄らないことばが耳に入ったからだ。
初めてだった。
そんなことを言われたのは。
私は、成功法則で言われるところの常識と反対のことをした。
否定的なことを言ったのだ。
……なのに一番欲しかったことばがもらえている。
初めて女性に受け入れられたのだ。
――おかしい……
何かの間違いだ。
信じていたことにヒビが入り始めた。
ポジティブに振る舞うからポジティブな結果が出る――そう信じてきた。だから言われる通りにやってきた。
けれどもその願望が叶うことはなく、望まないことばかりを手にしてきた。
だが、私はいま、世間では当たり前とされる教えに背いている。
それがどうだ。
彼女は受け入れてくれているじゃないか。
やさしげな表情で見つめるトモコを横目で見ながら
ふと、ある考えが湧いてきた。
――実はまだ、「教えられていない真実」があるのかも知れない……。
もしそうだとするなら……? やってみる価値はある。
そのセミナーを終えた私は、あることを思い立った。
成功法則の常識に私は背いた。
……なのにうまく行っている。
ということは、成功法則にも見落とした部分があるのかも知れない。
成功者も気づいていない、別の真実があるのかも知れない。
ならばその仮説を裏づける探究をやってみよう。
それがすべてのはじまりだった……。
・・・・・・つづきはこちら
追伸)こう書いてみると、当時の光景がありありと浮かんできます。たぶん読んでいる皆さんも共通体験をしてくれていることでしょう。ではつづきをお楽しみにしてくださると同時に、よかったらスキ! シェアをぜひともお願いいたします。(より多くの大切な人に届けるために――)
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