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受験国語 日本文学史2 昭和/戦前

🧡明治~昭和の日本文学史を4回に分けて解説します。
🧡受験では、著者名・著者名をつなげる問題が多いです。
🧡教科書・テストに出やすい作品を取り上げていますから、受験に出た場合も「ああ、あの話か」と、早読みすることが出来るでしょう。

✅川端康成/かわばたやすなり

ノーベル文学賞受賞作家

「伊豆の踊子」
旧制一高(今の東大)生が、伊豆に一人旅をする。そのときに知り合った芸人一座と、下田まで行ったようすが書いてある。
芸人一座の踊子にあわい恋心を抱くが、下田で一座と別れる。早朝、港の堤防で船が見えなくなるまで手を振る踊子。学生は、船中で座りこみ、いつまでも涙が止まらなかった。
好きだとも言えなかったんですね。

「雪国」
「国境(くにざかい)の長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった」で始まる。主人公が「雪国」をたびたび訪れたときの、温泉町の情緒を描いている。

✅井伏鱒二/いぶせますじ

「屋根の上のサワン」
主人公が悩みを抱えて散歩をしていると、傷ついた雁を助ける。サワンと名をつけ可愛がった。月夜に向かって鳴いていたサワンは、ある夜けたたましい鳴き声を上げていなくなった。主人公は、サワンが月に行ってしまったと思う。
ラストはその生徒さんにより解釈が分かれる。ポイントは、主人公が自分自身をサワンと重ね合わせていること。

「山椒魚(さんしょううお)」
岩屋の中で、体が大きくなり出られなくなった山椒魚。絶望的になっていると、突然カエルが一匹飛びこんでくる。いじわるでカエルを外に出すまいとする山椒魚。
長い間、狭い岩屋で争った二人に、奇妙な連帯感が生まれる。最後に、山椒魚が「何を考えているのか?」と聞くと、カエルは「おまえの事、おこっていないよ」と答える。
お互いの心情の変化に注意。

✅太宰治/だざいおさむ

「走れメロス」
教科書に取り上げられている。
「人を信じない」という暴君に、抗議したメロス。死刑を宣告される。妹の結婚式を控えていたため、親友を人質にして結婚式に旅立つ。走って。
帰り道、気候が荒れたり強盗におそわれたり。親友が処刑される直前に、群衆をかき分けて走りついたメロス。親友と抱き合うメロスと、たたえる群衆の前で、暴君は「私も君たちの仲間に入れてくれないか」と言う。
人間が信用できるかできないかという問いは、生きる上で最も重要なテーマです。メロスの心情に注意。

✅山本有三/やまもとゆうぞう

「路傍(ろぼう)の石」
テストによく出る。御三家の中学入試にも出た。「路傍の石」とは道の端に落ちている石。主人公が、貧く恵まれない環境の中でも希望を捨てず懸命に生きる姿が、多くの人の心を打ちます。主人公「吾一」の心情を問われます。

✅下村湖人/しもむらこじん

「次郎物語」
田舎に預けられて育った「次郎」が、母親になじめず葛藤(かっとう)する話。母が、虐待(ぎゃくたい)と言っていいほどの仕打ちをする。
葛藤(かっとう)は、受験で取り上げられるポイント。そこには成長があるから。
結局、母が病気になり、次郎がつききりで面倒を看ることになった。「子供って、ただ可愛がってあげればよかったのね」と言い残して亡くなる母。
次郎は悲しかったけど、やっと母との葛藤をのりこえ、成長したのです。次郎と母の心情に注意。

✅椋鳩十/むくはとじゅう

「大造じいさんとガン」
教科書で取り上げられている。
狩人の大造じいさんと、ガンの群れのボス「残雪」との戦い。仲間をハヤブサから助けようとした「残雪」が沼に落ちたので、鉄砲で撃とうとするが、堂々と立派な態度の「残雪」を打つ撃つことが出来ない。家に連れ帰って世話をし、逃がしてあげる。「また勝負をしよう」と。
大造じいさんの心情がテストに出ます。

✅堀辰雄/ほりたつお

「風立ちぬ」
主人公が、結核病で亡くなると分かっている「節子」という女性に、最後まで寄り添い、美しい自然の中で、この世を越えたような愛を経験する話。この時代は、結核は不治(なおらない=死)の病でした。


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