映画「REAL VOICE」を観ました
映画「REAL VOICE」は、児童虐待を経験した若者達のドキュメンタリー。
本編（約１時間27分）は、公式HPで視聴できます。
予告編（１分）だけでも見てもらえたら嬉しいです。
今回、ＮＰＯ法人茨城居場所研究会の無料上映会に参加し、映画「REAL VOICE」を観た。映画の内容も、参加者の皆さんと感想をシェアする時間も、とても良い時間だった。
【ＮＰＯ法人茨城居場所研究会】
何から書いたらいいだろう。感じた事は、たくさんある。
ひとりでも、心の支えになる人がいると、救いになる。その存在は、常に一緒に過ごせなくても、離れていても、自分を大切にしてくれた人がいる（いた）という事実が、支えになる。
関係性の濃淡はあっても、つながりがたくさんあると、人は今日を生き延びる事ができる。
仲間の存在は、力になる。
映画のなかで、社会的養護経験者の若者たちの声は、さまざまだ。感謝の言葉もあれば、怨みの言葉もある。どちらも大切な声だ。どんな声もあっていいし、それを映画で表現する事で、若者たちの存在を肯定し、いまを生きている証を遺している。そして、日本各地の若者たちをつなぐ役割も果たしている。
児童虐待の経験は、人それぞれ異なる。どの経験が酷いと比べるものではなくて、どれも酷いのだ。身体的暴力も、精神的暴力も、ネグレクトも、性的暴力も、その他の暴力も。いじめも、ＤＶ被害も、戦争も、暴力はすべて酷いのだ。広い意味では、誰もが当事者であるけれど、経験の差はある。私に何ができるのだろうと思う人もいるかもしれない。私自身もそうだ。
すべての人に、できることはある。
それを、言いたい。私に対しても。
目の前にいる人を、大切にする。特別な対応をする必要はない。挨拶をしたり、順番を譲り合ったり、困っていそうな時に声をかけたり、逆に見守ったりする。そういった普通の対応をする。その地域での安心と安全が守られれば、住みやすく、生きやすい。
誰が児童虐待やＤＶやいじめを受けているか、わからない。
過去の傷も、現在進行形の辛さも、表向きには分からない。
だからこそ、すべての人の安心と安全を守る為に、当たり前の行動を続ける。安心と安全が当たり前になるように。それが、できること。
辛いときは相談してね、と相談機関は言うけれど。
辛くても、相談しにくい。辛いからこそ、相談しにくい。
身近な誰かに、相談した時は、きっと何度も悩み、躊躇い、やっとの思いで相談しているかもしれない。もし、誰かから相談されたら、驚くかもしれないけれど、疑わずに、聴いてほしい。
いい人になる必要はない。とにかく疑わずに聴いて、誰かにつなげる。でも、本人は、まだ警察や相談機関に相談したくないと希望する場合もあるかもしれない。その気持ちも尊重する。
そういう時、相談された人は、とても葛藤する事になる。
特に、子どもから相談された場合、
すべての国民に、児童虐待通告の義務があるからだ。
まずは、自分自身が、その話を聴いて感じた事を、誰かに相談する。相談してくれた本人の個人情報は守りながら、自分だけの秘密にしない。相談された人自身が、まずは相談する体験をしてみると、きっと気づきがある。
誰かに相談する事への、心理的負担。どんな風に話せばいいか。どんな反応をされるだろう。不安。心細い。恥ずかしい。怖い。そんな相談する前の葛藤を体験すると、それは、誰かの話を聴く時に活かされる。ほんの少しかもしれないけれど、相手の不安に配慮できるようになるかもしれない。
映画を見ていて、私が支援者側だった時の事を思い出す。自分の不適切な対応を思い出し、謝りたくても取り返せない過去を悔いる。ほんの小さな表情だって、相手を傷つける。自分の発言や態度が、相手にどんな負担を与えるか、自覚しなければならない。自分の暴力性や、加害者になる危険性を常に忘れない。
もちろん、支援者側の余裕を確保する必要もあるし、なにより、虐待をしてしまった親たちへの支援もとても大切だ。誰もが大切にされる価値がある。
大人だって、子どもの頃の傷に苦しみ続けているかもしれない。
「虐待は大人になって終わりじゃない」
生きていてよかった。そう思える大人が増えれば、子ども達の希望となる。
生きていてよかった。そう言える大人になる。
まだまだ言語化しきれていない感覚や思いがあるけれど、映画「REAL VOICE」に興味を持ってくれたら、ぜひ本編を見て下さい。そして、自分の内側に浮かんできた思いや感想を、身近な誰かに伝えてくれたら、それは、若者たちの声を届ける事になります。若者たちと大人たちをつなげる役目を担ってくれたら、嬉しいです。それも、私とあなたにできること。
こちらで本編を視聴できます。よろしくお願いします！
おわり
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