『少女は硝子細工みたいに』2019.10.28


赤い唇が細い唄を,るるる,と. 押入れに閉じ込めた気持ち, 胸の中はいっぱいだったの,微笑まないで, と思うくらい. 微笑み, 悲しみ, 人間は割れる. あたしは割れない. だって貴方を, 好きだって言ってるのに. 一生, 一生. それが「ルール>あたしの生き方,だものね. 」飴玉を舐めきるのが. 生きるってことなんでしょう. 死んでしまったら, 甘い舌は切り取られて飾られるでしょ. だから. 美術館を建てて. 豪奢なあの枠で, 「あたし.を.絵画.にして」. 切り取るね. 首に繋いだ糸が,捻れて, お魚みたいに. ぎらぎらして、壊しに来る強い感情が、口の中で痛いのが, 感じる限りの貴方なんでしょう. 好きなの, 好き, 美術家のマネキンになるわ, 感情を描き移す仕事を死ぬ迄やってね. あたしのために. 芸術品でしょう. 割れない感情なんかないでしょ. だから,「創る>絶望」死んでしまえ苦痛なんか. 貴方を苦しめる空しい世界、  壊れた街  、あたし恨んでるよ, 恨むのなんて初めて, 一生好きだと思ってた. 世界は綺麗だと, あたしが汚いんだと, 思ってたよ、 壊れちゃったよ, どうしよう? 大人達は人形を捨てるでしょう. だから世界は汚いの? いいえ. あたしは割れない。  貴方は, 硝子細工みたいな, 割れてしまったら, 傷付けて空しい表情をする, 悲しむことの出来ない. 貴方に対する世界が悪いよ. あたし恨んでる, でも,
あたしは割れない.あたしは透明な硝子細工じゃない。
世界を破片で刺すことは. 出来ないの.
なりたかった. 透明な。
あたし, 貴方が好きだった。最期までどうか.この世界を。



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