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子育てで知っておきたいリーダーシップの考え方

子育て×リーダーシップ

「叱るより、褒めなさい」

(けど、叱らなきゃいけない時もあると思うんだけど・・・)

「口うるさく言わずに、信頼して、自由にさせなさい」

(わかるけど、人として自由にさせたらまずいこともあるでしょ・・・)

私には7歳の娘がいますが、

色々な子育て本を読んでも、正直

「頭ではわかるけど、実際無理じゃない?」

と感じることがあります。

そんな時、自分のイメージにピタッとハマったのが、

子育て本ではなく、

ビジネスの文脈でよく使われる

Situational Leadership(状況対応型リーダーシップ)

です。

これはつまるところ、

発揮すべきリーダーシップは時と場合によるよね

という話ですね。

元々1960年代にビジネスの文脈で提唱された考え方ですが、

これって子育てでも使えそうなんですよね。

「どれか」ではなく「どれも」

このSL理論(Situational Leadershipの頭文字)の特徴は、

以下4つのリーダーシップスタイルを全て認めていることです。

 ①指示型:やることを言う。
      (例.それはこうやるんだよ。)

 ②コーチ型:質問を通じて考えさせる。
      (例.○○はどう思う?)

 ③支援型:基本的に任せるが、積極的にサポートする。
      (例.私にどんなサポートができるかな?)

 ④委任型:基本的に放任。頼られればサポートする。
      (例.任せるから困ったら教えて。)

どれが最適という話ではなく、

どれも正解で、

相手の状況によって使い分けよう、という話ですね。

「子供に考えさせる」は正解?

例えば、

娘は今繰り上がりの足し算(例. 12+9)や漢字の勉強をしていますが、

「これどうやるの?」

「これどう書くの?」

という質問に対して、

「どうやると思う?」

「どう書くと思う?」

と聞き返しても、娘からすると

「知らないから聞いてるんだけど・・・」

という話ですね。。。

せっかくやる気を出して勉強を始めたのに

質問に質問で返されて、分からなすぎてやる気をなくすことも・・・。

確かに子供がまだ慣れていない内は、

下手に考えさせることに固執せずに

具体的なやり方を素直に教えてあげた方が上達が早そうですね。

実際、守・破・離の「守」の様に、

言われたこと、決められたことをひたすら繰り返すことで

身に付けることも多いはず。

つまり、「子供に考えさせる」という子育て論に対しては、

総論で賛成しつつも、

素直にHow toを教えた方がいい時(①指示型がいい時)もあるよね、

と解釈できそうです。

子供の成熟度によってスタイルを変える


但し、ここでよくある間違いは成熟度が上がっているのにリーダーシップスタイルを変えないことです。

例えば、算数も漢字も上達してきた子供に引き続き手取り足取り教えようとすると、今度はそれが逆効果。

③支援型や④委任型の方が、のびのびと自主的にタスクをこなしますよね。

この様に同じ事(例.算数、漢字)でも子供の成熟度によって子供との距離感を変える必要があるということなんですね。

「やること」によって変える

しかし、今の子供は忙しいですね。

私の娘は土曜日に水泳と日本語のクラスに通っていますが、

シンガポールで生活をしていると、

ピアノ、体操、英語、中国語、水泳、算数、等々・・・

の塾に幼稚園から通っているローカルの家庭によく出会います。

みんな得意・不得意もありますし、

内容によって成熟度がバラついてくる方が自然ですよね。

ここで重要なのは、このリーダーシップスタイルというのは、

小1だからまだ①支援型でいい、

小4になってきたから②コーチ型という様に、

子供の人としての成長度合いで固定するものではなく

常に4つのオプションを持っておいて、

やることによって引き出しを変えるということですね。

例えば、私の娘のケースですが、

日本語教室に通い始めた当時は、その宿題を1週間のどの時間を使ってこなすかかなり踏み込んで親から提案していました。(①指示型)

それをやる中でどうしても元々立てた計画がうまくいったり、上手くいかなかったりするので、そういった時はどうすればうまくいくかを本人に聞きます。(②コーチ型)

そうすると放っといても宿題をし始めるので、困った時だけサポートする訳ですが、漢字には苦戦していた様子だったので、過去の宿題漢字をファイリングする手伝いを妻が積極的にしていました。(③支援型)

そして今は基本放置(隣にいるだけ)で、困ったら声かけてという感じです。(④委任型)

この様な判断が「やること」別に起きるので、ある断面で見ると、

 ・日本語の宿題:④委任型

 ・インター校の宿題:②コーチ型

 ・水泳:③支援型

 ・料理(のお手伝い):①指示型

みたいなことになります。

最適なリーダーシップスタイルを子供と話す

注意が必要なのは、

子供側の意識では③支援型、④委任型を期待しているのに、

親がまだ①指示型、②コーチ型を引きづっているケースです。

子供が「わかってるのに!」とか、

「今からやろうと思ってたのに!」というのはまさにこれですね。

なので、リーダーシップスタイルというのは都度相手と相談して合意するのがいいと言われています。

つまり、親が勝手にこっそり決めない。

子育ては奥が深いですね。

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