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The Working Future: More Human, Not Less

これは戦略コンサルのBAIN & COMPANYから出されたレポートのタイトルだ。

コロナやデジタルテクノロジーの発展に伴い人々の働き方がどう変わって行くのか、

それを踏まえて人材マネジメントがどの様に変化すべきかを理解する一助となるため、

自身の備忘録としてまとめてみた。

働き方に関する5つの発見

レポートの背景や調査方法などの前置きは割愛し、結論からいこう。

以下の5つの発見がそのままレポートの目次となっている。

  1. Motivations for work are changing. (仕事に対するモチベーションが変化している)

  2. Beliefs about what makes a “good job” are diverging.(いい仕事の定義が多様化している)

  3. Automation is helping to rehumanize work.(自動化技術が人間らしく働く手助けをしてくれる)

  4. Technological change is blurring the boundaries of the firm.(技術の変化が企業間の境界を曖昧している)

  5. Younger generations are increasingly overwhelmed.
    (若い世代が精神的にやられている)

特に1と2は人材制度設計や日々のマネジメントに大きく影響するため、少し掘り下げてみる。

Motivations for work are changing

ポイントは以下の通り

  • 平均的な生活水準の向上によって、1週間辺りの平均労働時間が先進国を中心に減少しており、その分余暇に充てる時間が増えている。

  • 1人当たりGDPが増えれば増えるほど、仕事はお金を稼ぐ手段ではなく、他の要素(働き方の柔軟性、興味、人間関係など)の重要性が高くなってくる。

  • 事実、世界の各地域で働く2万人を対象とした調査では、5人に1人しか仕事の最優先事項として報酬を選択しなかった。

マネジメントとして優秀な人材を採用する際は、社員のモチベーションの源泉が給与水準なのかそれともそれ以外の要素なのか慎重に分析する必要がある。

Beliefs about what makes a “good job” are diverging.

これはつまるところ、人々が仕事に求める要素が多様化し、杓子定規な人事制度やキャリア設計では個別のニーズを満たしきれなくなっている。

この調査では、働き手の志向性を以下の6つに分けている。

  • Operator: 安定や予想可能性を好み、与えられた業務を粛々とこなす。自分の業務スコープを広げたり、昇格する事に消極的。

  • Giver: 意欲的に他者へのサポートや貢献を試みる。人間関係を重視し、利他的。

  • Artisan: 専門性を磨き特定の領域を極める事に情熱を燃やす。高い質の仕事をするがチームの団結にはさほど興味を示さない。

  • Explorer: 自由と幅広い経験を求め、定期的なキャリアチェンジも躊躇わない。広さを求める分、一つ一つの深さにはこだわらない。

  • Striver: 社会的ステータスや報酬といった典型的な成功に興味を示し、特定の業務領域でキャリアアップする事を好む。他者と比べ、競争心が強い傾向あり。

  • Pinoneer: 世界を変える事に情熱を注ぐ。リスク耐性が高く、未来志向。ビジョンの実現が何より重要で、それ以外の人間関係などは後回しになりがち。

国によって6つのどのタイプが比較的多いかで多少の違いはあるが、調査対象すべでの国で全てのタイプが確認されている。

マネジメントとしては、対話を通じて部下がどのタイプなのかを理解し、タスクアサインや指導の時に配慮する。

顧客も社員も「マス」だと響かない

顧客のニーズの多様化が謳われて久しいが、社員のニーズも多様化しているということ。

つまり、まるっと平均化せずに社員一人一人と向き合わないと、優秀な人材を繋ぎ止めるのはどんどん難しくなるだろう。

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